算数実践79〜問題 12 てんびん算・3つの食塩水・「使えない」から「なぜ?」を分かりやすく〜|中学受験

前回は「算数実践78〜問題 12食塩水の解き方・てんびん算・濃度と仕組み〜」の話でした。

目次

問題 12

状況を描こう

食塩水が2つであることが多い、食塩水の問題。

今回は食塩水が3つ登場し、さらに「混ぜて半分」にして、その後、食塩・水を加えます。

プロセスが複雑なので「難しく見える」のですが、プロセスを上のように絵で描いてみましょう。

問題文読めば、
分かるよ。

文章を読めば、「内容は分かる」と思いますが、上のように「状況を整理する」と見えてくることがあります。

対象が3つになるのは、理科の電気・電流の話と同じです。

電気・電流では「主役は電圧」でしたが、食塩水の問題では「主役は濃度と重さ」です。

この「濃度と重さ」のどちらかが優先されることが多いですが、てんびん算でも方程式で考えても同等が多いです。

「食塩があるから食塩水になる」という意味では、「濃度」がやや重要性が高いと考えます。

いずれにしても、こういう「複雑に見える」問題で、問題文を読んで「すぐ解き始める」のはやめましょう。

非常に算数が得意な方は、それでも良いかもしれません。

上のように状況を整理することは、「問題を解く・考える第一歩」で非常に大事な姿勢です。

数学や物理(算数・理科)を考えるとき、最も大事なことは「状況把握」です。

上のような状況の図を描いただけでも、記述式の学校なら何点か入る可能性があります。

でも、これだと、
何も解いてないよ。

確かに「解いてない」のですが、「状況把握」の大事な姿勢が伺えます。

採点者からすると、「図や絵を描いて理解する姿勢」は非常に好ましいのです。

特に、武蔵中を志望されている方は、上のような図を必ず描きましょう。

武蔵中の場合、上の図だけで何も進んでいなくても、必ず1点以上加点されます。

他の名門校と言われる学校にも様々なカラーがありますが、武蔵は「自分で考えること」を最重視します。

「知識がある」や「テクニックがある」ことは「考えること」に比べ、遥かに低く考えられる学校です。

そこが武蔵中高の武蔵中高たる所以であり、アカデミックな学校である点です。

上のように状況を描きましたが、「?%」などでは進みませんので、未知数を設置しましょう。

分からないモノが3つありますが、まずは食塩水Bの重さ、AとBに加える食塩の重さを未知数でおきます。

考える対象を絞る

ここで、食塩水Cの濃度は後回しにします。

でも、解かなければ
ならないわ。

そうですね。

「食塩水Bの重さ」と「AとBに加える食塩」のみ相手にすることにしたのは、「これらの差が90g」があるからです。

食塩水のプロセスから、これら二つの関係式が出てきます。

そして、「これらの差が90g」の条件から、「この二つは分かる」と考えます。

この問題が「難しく見える」理由は、プロセスが複雑なのと、「分からないモノが3つある」ことです。

電気・電流のところでも話をしましたが、人は対象が2つから3つになると、途端に混乱しがちです。

うん。
なんか難しいと感じてしまうよ。

そこで、「対象とする不明な量・モノを2つに絞る」ことが大事です。

これは、上のように図を描くと気づくことです。

確かに、
こういう図を描くと分かりやすいわ。

こういう図を描かずに、問題文を読み込んだり、にらめっこしていても気づかないことが多いです。

字は走り書きでも雑でも良いので、「状況を整理しながら、考えながら描く」をやってみましょう。

3つの食塩水のてんびん算

てんびん算で考えましょう。

「混ぜて半分」は「半分にしてから混ぜる」と同じことが分かりました。

そこで、上図のように「食塩水Aの半分」と「食塩水Bの半分」を加えます。

これが最初のプロセスなので、これら「A,Bでてんびん算を描く」でも良いですが、一気に3つ対象にしましょう。

難しそう・・・

しっかり理解できれば、難しくないので、やってみましょう。

てんびん算でも他の「〜算」でも、基本原理をしっかり理解していれば、対象が少し増えても大したことではないのです。

ここで、なかなか「てんびん算」では出てこない「食塩」を描きこみましょう。

前回ご紹介しましたが、食塩は「100%の濃度の食塩水」と考えることができます。

これで、てんびんが出来ました。

てんびん算は、まずは「つり合いを考える」ので「濃度の違い:食塩同士の距離」を考えます。

ここで、上のような「てんびんを描く」時、「濃度の違いの比例関係」は気にしないようにしましょう。

上の図では、それを表現して「濃度の違い」を適切に表現することも考えました。

しかし、その場合、食塩水Aと食塩水Bが「近すぎて、描きにくい」のです。

「濃度の違いの比例関係」は、図の上では「本質的なこと」ですが、問題を解くときは「考えやすさ」を優先しましょう。

濃度の違いを計算して、てんびんに描きましょう。

この時、上の図のように「17.5%」の%は描かなくても良いでしょう。

大事なことはバランスですから、無次元でも良いのです。

考える対象が3つの時

算数・理科で、てんびん・てこなどで「考える対象が2つ」であることが多いです。

上に書きました通り、「対象が3つ出てくる」電気・電流ですが、「抵抗を求めよ」という問題は、ほとんどありません。

基本的には「電流を求めよ」で、考える対象は「電圧・電流」であることが多いです。

抵抗は「合成抵抗」などを考える方法もありますが、基本的には「同じ抵抗」です。

その意味では、電気・電流の問題も「考える対象は2つ」と言えるかもしれません。

上のてんびんのように、対象が3つになると、

ちょっと、
これは・・・

と感じる方も多いかもしれませんが、「難しく見える」だけです。

てんびんでも電気でも、「考えること(原理・法則)は変わらない」のです。

3つの回転する力(モーメント)を計算して、考えてみましょう。

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