算数実践80〜問題 12 食塩水(てんびん算)の解き方:3つの食塩水・濃度と仕組みを理解・応用〜|中学受験・算数

前回は「算数実践79〜問題 12 てんびん算・3つの食塩水・「使えない」から「なぜ?」を分かりやすく〜」の話でした。

目次

問題 12

3つの重さがある「てんびん」

3つの重さが出てきた「てんびん」です。

「てんびんのつり合い」を回転する力(モーメント)を計算して考えましょう。

「左回りの回転する力(モーメント)」と「右回りの回転する力(モーメント)」をそれぞれ合算します。

これだけ
なの?

対象が3つになって、難しく見えますが、考えることは同じです。

これなら、
出来そう。

食塩水が3つ以上の問題は出題されないと思いますが、4つ以上になっても考えることは同じです。

「てんびんがつり合う」ことは、「これらの二つの回転する力(モーメント)が等しい」です。

式が立式出来ました。

これを解けば、
いいんだね。

計算は出来るだけ簡単にしよう

ここで、ちょっと待ってください。

えっ、
なんで?

ちょっと大変そうな計算式ですね。

うん。
でも、計算はたくさん練習したよ!

「計算力があること」は、とても良いことですが、こういう時は「計算が簡単にならないかな」と考えましょう。

なぜ?
計算した方が早いよ。

そうかもしれませんが、上のように3桁(小数も含めて)の計算で、1/2もあると「計算ミス」の可能性があります。

そうだけど・・・

17.5、12.5、72.5を掛けますが、これら「掛ける数」には共通点がありそうです。

共通点は「約数を考える」ようにしましょう。

これら3つの数は、全部「2.5の倍数」ですね。

分かったわ!

それぞれ、「2.5x〜」ですから、

左右の辺で「共通の2.5を割って、消去」出来ます。

随分簡単に
なったね。

このように、ただの計算問題だけではなく、文章題でも「計算の簡略化」を考えるようにしましょう。

直前期の今だからこそ、こういう「省力化」と「ミスを防ぐ」姿勢は大事です。

比較して考えよう

これで、分からない数(未知数)二つの関係が分かりました。

こういう問題では、「〜は〜より90g大きいです」ということが多いです。

この問題は「二つの差が90g」とうところが少し難しいところですが、おそらく「食塩の重さ」の方が小さいです。

ただ、これは「おそらく」なので、しっかり考える必要があります。

以下の部分は、少し難しいので、最難関校志望の方向けです。

二つの大小関係を考えるときは、「どちらかを考えて(仮定して)おかしい(矛盾する)」ことを考えましょう。

おそらく「食塩の重さ①の方が小さい」ので、「①の方が大きい」と考えて、おかしい結論になるか考えましょう。

大小関係から、上のように「□と◯の大小」が「◯の大小」のみの式になります。

これで、「①がどのくらいか?」が分かりました。

①は「ある数より小さい」で、これを計算しますが、

450と51は「3が公約数」ですが、「51=3 x17」で17は素数ですから、計算が小数点以下になります。

これは計算が大変そうです。

大小関係は大まかに考えよう

この計算をそのまま実行して、「①<〜」と考えても良いですが、アバウトに考えてみましょう。

「〜=〜」という等号関係ならば、計算する必要があります。

「〜<〜」などの大小関係は、「大小が分かれば良い」のです。

ここで、「450を割り切れて、51より少し小さい数」を考えると、50があるので、上のようになります。

これなら、暗算でできるくらい簡単な計算ですね。

なるほど。

いつも計算して、
大変だったけど・・・

大小は、こう考えると
とても簡単ね。

ここで、おかしなことが発生しました。

①は「90より大きく、18より小さい」ので、あり得ないことです。

そこで、「□の方が◯より大きい」ことが分かりました。

「だいたい〜」を考える大事さ

算数・理科で、「だいたい〜」と考えることは非常に大事な姿勢です。

「厳密に分かる」のが望ましいですが、世の中「厳密には絶対に分からない」ことが多いのです。

理科の実験問題でも、「だいたいの大小関係」や「だいたい、こんな感じ」と考えると分かることが多いでしょう。

対して、暗記は「しっかり覚える」必要があります。

その時、「語呂合わせ」でも「丸暗記」でも「暗記できれば良い」のですが、「だいたい〜」と考えることも大事です。

社会・歴史の「年号並び替え問題」は、「年号が分かった方が良い」のですが、「分からなくても推測」の話をしました。

この「推測」は「だいたい〜」ということです。

「入試に出るすべての年号を暗記する」のは、ほぼ不可能です。

大事な年号は覚える必要がありますが、「覚えてなさそうな事」が出題される可能性があります。

そこで、歴史に限らず、暗記も「流れ」を理解しながら直前期頑張ってゆきましょう。

着実に進めよう

ここまできたら、あとは「しっかり・着実に」計算しましょう。

二つの関係式から、一つの文字を消去して、代入します。

代入」というと「少し難しい」と感じるかもしれませんが、文字通り「わりにれる」のです。

これで①が分かったので、

□も分かりました。

あと一つだけです。

前半と同じように、「食塩水Bの半分」と「食塩水Cの半分」を考えます。

水は「濃度0%の食塩水」ですから、上のようにてんびんが完成します。

もう、出来るよ!

濃度の差を考えましょう。

ここで、「食塩水Cの濃度を未知数」としても良いですが、「支点=4%との差を未知数」としましょう。

なぜ?

これは、その方が「計算が楽だから」です。

「食塩水Cの濃度を未知数」として計算しても良いでしょう。

回転する力(モーメント)のつり合いから、式が求まります。

ここで、少し立ち止まって、「簡単に出来ないかな」と考えましょう。

60の倍数が、たくさんあります。

「両辺を60で割る」と一気に式が簡単になりました。

これで、△が分かったので、食塩水Cの濃度が分かりました。

以上から、

これで、問題12の答えが求まりました。

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