前回は「30年前に中学入試した親と『今の中学入試』 2」の話でした。
最近、今年の大学受験の結果が様々なメディアを賑わせています。

「東大+京大+医学部」合格者TOP50校をまとめた記事で、おおたとしまささんが書いています。
以前も書きましたが、おおたとしまささんは、好きな方で著作も数冊持っています。
中学受験するご家庭の親御様なら、このランキングは気になるのが当然です。
詳しくは記事をご覧ください。
「大学進学実績を残さないと、優秀な生徒が集まらない現実があるので、大学受験対策もおろそかにはできない。」とあります。
「中学高校において最も大事なのは大学進学実績ではない」としても、正にその通りです。
自分の息子や娘が「どういう大学へ進学するのか?」が気にならないはずがないです。
おおたさんは大学進学実績や偏差値よりも「教育において、子供にとって何が大事か」を重視しています。
かねてからこの点が非常に共感できます。

記事内で、かつて開成や麻布で受験中心主義であった時代を振り返っています。
そして、「受験重視か全人教育重視かの違いは、教育理念の違いではなく、学校としての成熟度の違いだと考えたほうがいい。」とあります。
これは半分共感でき、半分は「そうかな?」と思いました。
やはり教育理念は大事です。
成熟度もまた「現在の教育理念があって活きる」と考えます。
僕の卒業校の武蔵は「40位くらいかな」と思って見てみると・・・・・・
なんと圏外でした。
これには、さすがに僕も無言。
なにも言いようがありません。
僕は偏差値によるランキングは好きではありませんが、このランキングには「ある一定の意味がある」と考えます。
6年生のお子様・ご家庭は志望校を、ほぼ固めていると思います。
こうした実績もまた参考にされるのが良いと思います。
「のびのび」系の学校の志願者が増えた記事をご紹介しました。

武蔵は非常に志願者が増えて、これは素直に嬉しかったです。
このランキングの結果は「のびのび」重視傾向に水を差しかねないと考えます。
世界的には「のびのび」と「自ら考える力」を育てる教育が主流です。
武蔵の教育あってこそ今の僕があるので、武蔵の教育は非常に良いと思っています。
しかし、「自ら考える力をのびのび育てていますが、大学進学実績は今ひとつでした」は、どうなのでしょうか。
大企業の経営において「革新的な技術を発明していますが、売上は結果が伴いませんでした」と似たような話となります。
「受験を軸にする教育」を良いとは思いません。
しかし、「のびのびとした教育」と「大学進学実績」は相反する関係にはなく、両立することが可能と考えます。
かねてから武蔵は「御三家と呼ばれることは、どうでもよい」というスタンスでした。
これには共感できますが、「勝つこと」を目指す姿勢もまた大事です。
武蔵をはじめとした「のびのび」重視の学校は「それぞれの校風・カラーを大事にしながら」も教育方針を再考して欲しい。
今こそ、「大学進学実績の増強」を本気で考えることを望みたい。
世界で遅れをとっている日本において、「大学受験をしっかり乗り越える」強い姿勢と高い学力を持つことが望まれます。
武蔵には、これをもって激励としたいと考えます。
来年受験の親家庭・受験生には、幅広い視点から、志望校を決定して欲しい。
子どもの個性と各学校の校風・カラーとの相性、それに次いで大学受験実績となるでしょう。
そして、決定したら突き進み、途中で変更しない方針が「合格へ至る最善・最短の道」と考えます。