入試問題への感性〜志望校のカラー・校風・教育理念・子どもの個性・第一志望〜|中学受験

前回は「 志望校の校風とカラー〜合格と子どもの将来〜」の話でした。

目次

個性と学校の校風・カラー

種子島(新教育紀行)

中学受験する小学生の子どもたち。

本人が志望校に合格し、本人の個性と入学する学校の校風・カラーに合うのが一番です。

せっかく親子共々大変な苦労をして中学受験をするのです。

合格した後はお子様が「楽しく」「のびのびと」過ごせる学校に通って欲しいです。

大学の友人で、開成卒の友人K君がいます。

K君とは一緒に国内外を旅行したり、学生時代に一緒に過ごした仲です。

現在、弁護士として活躍しているK君は、ある意味「いかにも開成」な雰囲気です。

K君と会って少し話せば、

やっぱり、
開成っぽいな・・・

と感じます。

開成中高に通うと「開成っぽい」雰囲気になるほど、開成は強い校風・カラーがあります。

学力が御三家を狙うのに十分となった彼は、最後に志望校を

開成か、
武蔵か・・・

に絞った後、しばらく迷ったそうです。

今ならば、武蔵の雰囲気が非常に好きな方以外、両方受かる実力があれば、多くの方は開成を選ぶでしょう。

30年前、開成と武蔵は進学実績含め互角でした。

そして、「開成と武蔵では校風・カラーが対極的」と考えられていました。

実際の開成の校風・カラーは、部外者である以上わかりません、

開成卒の方々と話した感じでは、

対極的という感じではなく、
似た面もあるかな・・・

と感じます。

左上から時計回りに、宮沢喜一、橋本龍太郎、岸田文雄、福田康夫:内閣総理大臣(Wikipedia)

上の歴代総理大臣は、

歴代総理大臣:開成・麻布・武蔵

開成卒:岸田文雄

麻布卒:橋本龍太郎、福田康夫

武蔵卒:宮沢喜一

であり、それぞれの学校のカラーが出ているように感じます。

第一志望校をどう決めるか

第一志望校は「親が決める」ケースが多いと思います。

第一志望をA中学に
決めたのは僕だよ!

という方もいらっしゃるかもしれません。

K君は学校の文化祭等にも行ってみて、色々と子供なりに考えたようです。

開成か、
武蔵か、どっちがいいかな?

両方の入試問題に当たってみた結果、彼は武蔵の入試問題に対して

ちょっとこれは僕には違う・・・
合わない・・・

と感じたそうです。

そして、開成の入試問題は「合う」ので開成にしたそうです。

他にも開成の友人がいますが、やはり開成卒業生は「開成」というカラーを強く持っています

K君に対して同様に、「話をしただけで、開成と分かる」こともあります。

良い意味で、真面目で質実剛健な印象を受けます。

岸田総理も「バッチリ開成」と感じます。

岸田文雄 総理大臣(Wikipedia)

校風・カラーと入試問題

実際の学校や卒業生の雰囲気が一番重要ですが、入学試験にも学校のカラーは如実に出ることが多いです。

第一志望に迷っている方は、入試問題と子どもの相性を考えても良いかもしれません。

そして、率直に聞いてみてはいかがでしょうか。

子どもがその学校の試験問題に対して、どのように感じるかを。

この問題、
どう?

難しくて、出来なかったけど、
こういう問題楽しい!

と子どもが感じる場合もあるでしょうし、

なんか、この問題
合わない・・・

かもしれません。

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記述問題と相性:問題のカラーと個性

例えば「記述式問題」に対する対応です。

算数の記述式問題では問題のカラーは各校あり、小問はその後の問題のヒントであることが多いです。

「問題を解く・解答する」書き方・方針の多くは、受験生に委ねられます。

特に、特に有名校・難関校は、社会の「記述式問題」においてカラーが強く出ます。

その学校の理念・考え方が「問」の形で現れてきます。

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その「問われ方」が子どもに「合うか、合わないか」は、子供心ながら感じるところがあるでしょう。

僕がいた頃の武蔵中学・高校には、社会科に「名物先生」がたくさんいらっしゃいました。

室町時代〜戦国時代〜江戸時代の歴史の授業を教えていただいた、社会科のO先生。

O先生の授業の視点は、非常に独特でした。

歴史は、ほとんどが「体制側・統治者側から見た視点」です。

明治維新の立役者たち:左上から時計回りに木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(Wikipedia)

西郷や大久保も「無名のなんでもない時代」がありましたが、大成しました。

そして少なくとも一度は、「体制側」にいました。

O先生の視点は、「民衆から見た視点」だったのです。

この時の
一揆は・・・

「民衆の視点」は、多くが「一揆」となります。

「一揆」というと「打ちこわし」「暴動」を想起する方も多いかもしれません。

実際には、「一揆」とは「農民たちが一致団結するために組織した集団」であり、必ずしも「暴動」ではないのです。

特に「民衆・民・農民」と呼ばれる方々を中心に、歴史を紐解いたO先生。

O先生が提示してくれた「民衆の視線の歴史」は、歴史好きの僕にとっても非常に新鮮でした。

こんな面白い視点も
あるんだ!

左上から時計回りに戦国大名 武田信玄、織田信長、毛利元就、上杉謙信(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

戦国時代の話では、織田信長などの大名は、ほとんど登場しません。

僕は面白いと思ったO先生の視点の歴史に対しては、面白く感じる方、感じない方、それぞれいらっしゃるでしょう。

当時も今も、武蔵中学の社会の入試問題は「独特の視点」です。

「独特・オリジナルである」ことは、時には「周囲とズレた感じ」や「場違い」になる可能性もあります。

この意味で、武蔵中高の「こういう教育」にどっぷり浸かると、「周囲とズレた感じ」になる方もいます。

それもまた「個性」でしょう。

歴史・地理・あるい時事問題でも、問題を通じて「それぞれの学校の雰囲気」を感じて、

私と、
なんとなく合うな・・・

と感じる学校が、第一志望校となるのが一番だと思います。

大学進学実績ばかりではなく、その学校の校風・カラーと子どもの個性・将来を考えてみましょう。

新教育紀行

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