「伸びない・解けない」から「伸びる・出来る」勉強法〜条件を明確化・いくつか補助線を引いてみる姿勢〜|中学受験・算数・理科

前回は「「出来ない・成績が上がらない」から「出来る・成績が上がる」勉強法〜「採点者に自分の考えを伝えること」が大事な記述問題・考え方と解法の流れを書く・式の羅列に接続詞を追加〜」の話でした。

目次

「伸びない・解けない」から「伸びる・出来る」勉強法:条件を明確化

問題13:二つの正方形(新教育紀行)

二つの正方形が登場する上のような問題を考えました。

図形問題の条件では、正方形や正三角形が頻繁に登場します。

確かに、図形の一部が
正方形の問題は多いね・・・

あと直角三角形も
比較的見かけるけど・・・

正方形や正三角形は「非常にわかりやすい」図形です。

その基本的性質は「分かっている」方が多いので「正方形」があったら、

この正方形は
分かるから、問題の〜を考えて・・・

と考える方がいるかもしれません。

方眼紙(Wikipedia)

方眼紙やグラフ用紙などで「馴染み深い」正方形は、「わかりやすい図形」です。

わかりやすく、非常に基本的な図形である正方形・正三角形には「問題を解く鍵」が詰まっています。

正方形・正三角形

・非常に特徴的な図形であり、全ての基本的性質を理解

・正方形・正三角形には「基本的性質=問題を解く鍵」が沢山ある

正方形の基本的性質を復習しましょう。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さ

・全ての角が同じで直角

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

まずは、これらの「等しい辺と直角」を図形に描きこみましょう。

これだけでも「問題を解く鍵」が見えてくる可能性が一気に高まります。

確かに、こうして
描きこんだ方が分かる気がする!

「全部わかっていること」なのに、
描いた方がとっても分かるね!

いくつか補助線を引いてみる姿勢

問題13:2つの正方形の考え方(新教育紀行)

図形問題では、「どのように補助線を引くのが効果的か」などを考えてみましょう。

問題集などでは、補助線が突然引かれることが多いです。

この補助線が
良いです。

この補助線を
思いつけるようになりましょう。

補助線には「良い補助線」と「良くない補助線」があります。

「良い補助線」とは「見通しが良い補助線」です。

「良くない補助線」とは「見通しが良くない、解けない補助線」です。

このような図形問題が解けない時、解答を読んで、

ああ、ここに
補助線引けば良かったんだ・・・

ふ〜ん・・・
こう引いて、ああそうか・・・

と考えることが多いです。

問題13:図形の補助線の考え方(新教育紀行)

「自分が考えた補助線」や「異なる補助線」と「解答の補助線」を比較してみましょう。

この補助線では、
解けなそう・・・

比較してみると、「解けなそう」であることが分かります。

そういう「見通しの良くない」補助線を実際に体験することも大事でしょう。

なぜ、この補助線が
見通しが良くなるんだろう・・・

という視点も大事です。

補助線を引いて比較

・「良い補助線=見通しが良い補助線」と「良くない補助線=見通しが良くない補助線」を比較

・比較することから「補助線のコツ・勘」が磨かれる

将来につながる「なぜ?」「どうして?」の姿勢:試験対策と本質的学力

新教育紀行
国立科学博物館(新教育紀行)

「なぜ?」「どうして?」という視点は、算数・理科では非常に大事です。

中学受験の算数は、非常に難しい問題も多いです。

そうした難問が「解けること」は、非常に高い学力・解決能力を持っていることになります。

ところが、その「解決能力」が「その後につながる学力か」は別問題です。

難しい問題が多く、時間内に解くべき問題数も多い難関校〜最難関校の中学入試。

問題単体を見ても「難しい」と感じる問題が多数あります。

さらに、50~60分で対処しなければならない問題数もかなりのものです。

「70%程度をしっかり解ければ、合格ライン」であっても、その「70%を確保」するのは大変です。

中学入試の全体、主に算数の難化傾向があります。

その理由は「長年にわたって様々な問題が蓄積されてきたこと」が大きな理由です。

出題者も、算数・数学のプロとはいえ、

この問題面白そうだけど、
〜中学に過去に出ていた気がする・・・

他の中学の過去問と類似するのは
避けたいから、やめよう・・・

「以前とは異なるタイプの問題」を作成するのは一苦労でしょう。

その中、「新たなタイプ」の問題を作成を試みると、

ちょっとここを
こうひねって・・・

どうしても「難易度が上がってゆく」傾向になります。

こうした「難問」に対して「解法テクニックを多数習得する」勉強の仕方もあります。

「解法テクニックの蓄積」が、「将来大いなる力に結びつくか」は大いに疑問があるでしょう。

50~60分の間に、4~5題の難問に対処することは非常に大変なことです。

「ペーパーテストで測れる力」には限界があるでしょうが、もう少し問題数を限った方が良いように思います。

50~60分の試験時間ならば、「2~3題程度の出題がちょうど良い」ように思います。

出題数を少し少なくして、「深く考えさせる」タイプの問題が増えてゆくことも考えられます。

その方が出題者側としても問題を作成しやすく「将来的に学力が伸びる」志願者を選びやすいでしょう。

てんびん算の考え方:「混ぜて半分」の算数的意味(新教育紀行)

食塩水の問題は文章が比較的長くない傾向があります。

てんびん算で考える、「食塩の量に着目」か「水の量に着目」など考えられます。

食塩水の問題に限らず「何に着目するのがポイントか」は簡単な絵や図を描くと気付きやすいです。

てんびん算の考え方:「混ぜて半分」の算数的意味(新教育紀行)

描いてみると気づくことが沢山あります。

文章題を出題して、「状況を図などに整理しなさい」という問題も考えられるでしょう。

「深く考える」問題への対応のためにも、しっかり思考を整理するようにしましょう。

特に難問〜超難問が解けるようになるためには、「解く鍵」に着目することが最も大事です。

難問・複雑な文章題への対応

・簡単な図や図解を描く

・「溶けている=食塩と水を分離」など分解して「解く鍵」を探す

このように勉強することで試験対策になり、本質的学力の増強も見込めるでしょう。

多数の難しい問題に取り組む受験生の皆さんは、とても大変ですが合格目指して学びましょう。

新教育紀行

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