前回は「しっかり習得しよう 2」の話でした。
特に、算数・理科において「一題一題をしっかり学ぶ」大事さの話でした。
今回は、具体的な例を挙げて、この大事さを考えたいと思います。
小学校〜高校では水泳を習います。
中学以降になると水泳部が大抵の学校にはあって、水泳が得意な方が入部して、一生懸命頑張ります。

僕がいた武蔵中学・高校では、水泳部ならぬ「水球部」がありました。
水球部は「水泳をしながらの球技」をする部活で、運動が得意な方々が集まって日々トレーニングしていました。
水泳をすると、非常に体力もつくので良い事ですね。
中学以降だと「競技として本格化する」水泳ですが、小学校でも水泳の上手な方がいました。

僕が小学校6年生の時、一つ学年下のI君のクロールを見る機会がありました。
都大会に出場するほど上手なI君。
どんな泳ぎ方を
するのだろう?
僕は水泳は、比較的得意で結構速かったので、とても興味がありました。
実際に、I君の泳ぎ方を見て、驚愕した記憶があります。
何、この速さ?
もう「速い(早い)」なんていうレベルではありません。
すごいスピードだったのです。
25mプールを、す〜っとクロールで泳ぐと、あっという間に、もうリターンしています。
どうやったら、
こんなスピードが出るんだろう?
子ども心に、大きな衝撃を受けました。
彼の泳ぎを見ていると、大きな特徴がありました。
それは、「泳ぎが早い理由」です。
子ども心に
とんでもなく早く、
手を動かしてクロールするのかな?
と思っていました。
しかし、I君の泳ぎは、クロールをかく回数は、特に多くはなかったのです。
しかし、一度かくとスイーっと、すごく進むのです。
「バシャバシャと猛烈な勢いでクロールをかく」様子を期待していた僕は、とても驚きました。
スイーっとかくと、すごいスピードで大きく進む姿は、まるで魚を見ているようでした。
つまり「一かき」が、非常に大事だったのです。

同様なことが、学ぶときにもあります。
「問題をたくさんやる」気持ちはとても分かりますが、それは「クロールを、たくさんかく」のと同じようなことなのです。
むしろ、「一題一題をしっかりと取り組む」姿勢は「クロールをしっかりかく」ことに、つながります。
そうかもね。
一題一題しっかり、やると
時間がかかる気がするけど・・・
しっかりクロールをかく、姿勢の方が
良い気がするわ。
うん。
僕の友達で、クロールすごい早い人がいるけど、わかる。
特に難関校〜最難関校志望の方は、基礎的問題をある程度こなしたら、「しっかり考える」姿勢で学びましょう。
その姿勢は、記述式や新潮流の問題への対応力も上げるでしょう。