前回は「算数実践76〜問題 12食塩水の解き方・てんびん算・テクニックと思考力〜」の話でした。
問題 12

「混ぜて半分」を考える
この問題では、「二つの食塩水を混ぜて、半分」がポイントです。

濃度・重さ共に分かっている食塩水Aと、濃度のみ分かっている食塩水Bを混ぜます。

これらを混ぜると、「濃度も重さも分からない食塩水」となります。

「濃度も重さも分からない食塩水」を半分にした食塩水もまた、「濃度も重さも分からない食塩水」となります。
てんびん算で考える
この問題を、てんびん算で考えてみましょう。

食塩水Aと食塩水Bを混ぜた食塩水を考えます。

重さも濃度も分かりません。

この重さ・濃度の分からない食塩水を、なんとか「てんびん」で考えられないでしょうか。

やはり、重さ・濃度のどちらかは分かってないと、難しそうです。

それは、「てんびん」をうまく描けず、モーメント(回転する力)を考えることが出来ないからです。

ここで、困ってしまい、手が止まってしまいます。
食塩水=食塩+水
食塩水は、水に食塩が溶けた水溶液です。
文字通り「食塩水=食塩+水」なのです。

溶けている食塩水を、上の絵のように鉛筆や色鉛筆で点を打って「食塩があるイメージ」を考えましょう。
実際には食塩は「溶けている」ので、目では見えません。
しかし、食塩水には「食塩はいる」のです。

それら食塩と水を分離して描いてみましょう。
実際に、このように「食塩が沈澱する状況」ではありませんが、「食塩水の実態」をこのように考えてみましょう。
そして、「食塩水A=Aの水+Aの食塩」と考えます。
「食塩水B=Bの水+Bの食塩」です。

これらの「二つの食塩水を混ぜる」のですが、これらの「二つの食塩と水のセットを混ぜる」と考えましょう。

そして、混ぜた後も「食塩が水に溶けている」のですが、別々に分離して描いてみます。
この地層のように積み重なった「食塩+水」が、「食塩水Aと食塩水Bを混ぜた食塩水」の実態です。

この「AとBを混ぜた食塩水」を半分にするので、縦に半分にする線を描いてみましょう。
あっ!
そういうことかな。

これで、「AとBを混ぜた食塩水」は「A,Bの食塩水の食塩、水がそれぞれ半分入っている」のが実態です。
これは、
分かりやすいわ。
これで、この問題のポイントが分かりました。
食塩水の問題をみて、すぐに立式したり、天秤を描くよりも、一度状況をしっかり整理して考えるようにしましょう。
「混ぜる」などの問題の時は、上の絵のように「混ぜる状況」を自分で描いてみましょう。
途中でうまくいかなかった方は、もう一度ここで本問を考えてみましょう。