暗記のコツと「中心となる学びの本」〜学びの軸をしっかり・理解しながら知識を増強・応用問題や記述問題も解けるように・大量に覚えなければならない理科と社会〜|中学受験・社会

前回は「成績がアップする勉強法〜学んだことをしっかり復習・手で描いてまとめる・声に出す・有機的につながってゆく気持ち・坂本龍馬の事績と名前のイメージ〜」の話でした。

目次

大量に覚えなければならない理科と社会

新教育紀行
左上から時計回りに木戸孝允、坂本龍馬、西郷隆盛、中岡慎太郎(国立国会図書館)

今回は知識や暗記を、ただ覚えるのではなく、理解しながら覚えて確実にする話です。

社会も理科も知識・暗記は「ただ覚える」のは、まず「大変な苦痛」です。

まだまだ沢山
暗記しなきゃ!

テキストや参考書を
どんどん頭に入れなきゃ!

とにかく、社会も理科も「知れば知るほどが、テストの成績が上がる」傾向があります。

算数や理科の定量的問題(てこ・電気など)も、「ある程度解法を頭に入れる」必要があります。

算数・理科と比較すると、「何を知っているか」「どこまで知っているか」が大事な社会や理科の暗記分野。

暗記はどこまで
勉強すればいいんだろう・・・

「暗記はここまで!」という
範囲があればいいのだけれど・・・

テキストや参考書に記載されていることを「全て覚えれば絶対大丈夫」ということが「ない」のも問題です。

そう・・・
結局「どこまで」なの?

中学受験ならば、ある程度「小学校の学習指導要領」に適合する必要がありそうです。

ところが、中学受験の問題を大人が見れば分かりますが「適合している」とは到底思えません。

特に難関校〜最難関校の問題を見てみれば、

これは
一体なんだろう?

と感じる方が多い問題も多数あります。

筆者は理科なら物理・化学は得意だったので「ある程度分かる」のですが、中には、

これは
ちょっと分からないな・・・

一目見て「分からなそうな問題」もあります。

まして、中学生の時に早々に「合わない」と感じた生物に至っては、

この問題解いたら
0点かな・・・

全然分からない問題が多数あります。

とにかく「大量に覚えなければならない」のが、中学受験の理科や社会です。

そして、この「覚える必要がある程度ある」のは高校受験・大学受験・資格試験等でも同様です。

試験・テストである以上は、「ある程度は覚える・暗記する」ことが大事なのが現実です。

そこで、「うまく、着実に覚えてゆく」学び方が大事です。

「中心となる学びの本」:学びの軸をしっかり

新教育紀行
岩倉使節団(Wikipedia)

とにかく「暗記、暗記」の傾向が強いのが、現実の理科の一部と社会です。

さらに、とにかく分厚い参考書もあって、大人から見ても、

これを小学生が
勉強して、覚えるの?

それらの「分厚すぎる参考書」を見ると、ある意味「不思議な感覚」を感じることがあります。

とにかく、「膨大な量」を覚える必要がある暗記においては、

これを全部
暗記するの?

参考書にもよりますが、「分厚すぎる参考書を出来るだけ暗記」するのは誰しも大変です。

そこで、まずは「分量が多くない参考書」をしっかり学ぶことが大事です。

暗記の基本

・あまり分厚くない、分量が少なめの参考書を選ぶ

・ある一冊を中心にしっかり学ぶ

中学受験・高校受験・大学受験では、様々な方・出版社から大量の参考書・問題集が出ています。

それらを目にすると、

こっちの方が
良い参考書かな・・・

いや、やっぱりこれも
評判良さそうだな・・・

色々な評判があり、ネットなどの情報で、

この問題集が
一番良い!

などの声があると、色々と迷ってしまうのが人情です。

沢山の問題集・参考書に手を出してしまいがちですが、まずは「中心となる学びの本」を決めましょう。

ある程度評判が良い参考書や問題集を、実際に自分で見てみることが大事です。

本屋さんで読んでみるのも良いですし、実際に購入してみるのも良いでしょう。

購入すると「基本的に全部やらなければならない」気持ちになりますが、そう考えないことが大事です。

個性や思考性によって、「どの問題集・参考書が合うか」は人ぞれぞれだと思います。

実際に手に取ってみて、

あっ、
これは私に合うな・・・

とか、

これは、
ちょっと私には合わないかな・・・

という「自分だけのフィーリング」を大事にしましょう。

暗記の基本

・「中心となる学びの本」を決定

・個性と「自分だけのフィーリング」を大事に

例えば、参考書でも一般書でも、

ここが大事だから、
強調したい!

と著者が「大事と考える部分」が太字、あるいはアンダーラインが引かれていることがあります。

このような参考書に対しても「合う」か「合わないか」も個性だと考えます。

人によっては、

大事なところは、
自分でマーカーで色塗ったりする方がいいな・・・

だったり、

著者が「大事な部分」を
強調してくれれば、楽!

という人もいるでしょう。

そうした「ちょっとしたこと」も、学びの姿勢には大きく影響すると考えます。

ある程度評判が良く、自分に合う「あまり厚くない」参考書を早めに決定しましょう。

そして、その参考書を自分の「学びの軸」とするのが良いでしょう。

この「学びの軸」をしっかり作ることが、社会などの暗記でも大事です。

理解しながら知識を増強:応用問題や記述問題も解けるように

新教育紀行
幕末の徳川幕府重鎮:左上から時計回りに第十四代将軍 徳川家茂、第十五代将軍 徳川慶喜、老中 阿部正弘、大老 井伊直弼(WIkipedia)

今回は社会を対象に考えますが、歴史でも地理でも「暗記、暗記」の山です。

幕末に海外から
沢山の人が来て・・・

徳川幕府の将軍が
変わって・・・

そういえば、徳川将軍も
ある程度覚えなきゃ・・・

あとは明治維新になって、
色々人が登場して・・・

筆者のように「歴史が好き」な方は、「沢山の人物を知る・覚える」ことは楽しいことです。

一方で、それほど「歴史が好きでない」方にとって、大量の人物が一気に登場する幕末維新。

登場する人が
多すぎて、覚えるのが大変だよ・・・

まず、「ある程度覚える」だけでも大変ですが、「ただ覚える」と間違える可能性もあります。

ぜひ、「ただ覚える」ではなく「理解しながら覚える」ようにしましょう。

「理解しながら覚える」と記述式などの応用問題に対する学力もアップします。

そして、間違えずに覚えられるメリットがあります。

版籍奉還〜廃藩置県の流れの話を例にします。

1867年 大政奉還

1868年 明治維新

1869年 版籍奉還

1871年 廃藩置県

の年号は、いずれも大事です。

「維新」という「超変革期」であるため、「たった4年の間」に大事なことが沢山登場します。

そして、廃藩置県を実行した直後の1871年に「岩倉使節団」という大派遣団を欧米に派遣しました。

「ただ年号と出来事を丸暗記」だと、

版籍奉還と廃藩置県は
どっちが先だったっけ?

となるかも知れません。

さらに、

そもそも、版籍奉還って
なんだっけ?

となるかも知れません。

この意味では「1869年 版籍奉還」と「ただ暗記」することは、あまり意味がありません。

それは、問題を解く上でも同様であり、

版籍奉還が行われたのは
何年ですか?

という問題が中学受験で出題されることは、ほとんどありません。

版籍奉還・廃藩置県に関する問題であれば、それに関連する背景が文章題となることも多いです。

ここで、「版籍奉還→廃藩置県」の流れを理解しましょう。

明治維新の翌年に、エイヤっと大久保たちは版籍奉還を断行しました。

廃藩置県
断行!

本当は、その翌年の1870年にでも、

廃藩置県を
断行したいのだが・・・

ちょっと
難しいか・・・

これが、大久保たちの本音だったでしょう。

参議 西郷隆盛(国立国会図書館)

ところが、中心人物であった西郷が「嫌気がさして」下野していました。

政府内では、突然華美な生活するものなどいて、
ほとほと嫌気がさしたごわす・・・

さらに、各地で不穏な動きがあったため「版籍奉還2年後にやっと実現できた」のでしょう。

こうした「当時の状況を理解する」と、暗記も進みやすく、着実に増強されてゆきます。

そして、このように「しっかり理解して暗記を増やす」と応用問題や記述問題も解けるようになります。

少し時間がかかり「遠回り」にも感じられる、「理解しながら暗記」ですがおすすめです。

「一気に覚えよう」ではなく、少しずつ着実に覚える姿勢が大事です。

新教育紀行

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