前回は「質問ご回答 15 記述のコツ〜書き方と模範解答〜」の話でした。
男子難関校志望の小学校6年生Nさんの親御様から、ご質問を頂きました。
息子が東京都内難関校を志望しています。
理科や社会で、様々な暗記問題があって、「どこまで覚えるべきか」を悩んでいます。
塾のテキストに記載されていることは、全て覚える位でないと、合格は難しいのでしょうか。
ご質問頂き、有難う御座います。
「暗記の範囲」に関しては、誰しも非常に悩ましいです。
時々、非常に細かい知識を問う問題があることもあり、「どこまで覚えれば・・・」と不安になりますね。
開成中2020年社会では、非常に細かな知識が選択肢にあります。

この問4だけでも、租庸調、国司、平城京、朱雀大路と専門用語が並びます。
国司、平城京は「基本知識」として良いでしょう。
一方で、「租庸調の具体的内容」や「朱雀大路」をしっかり知っているのは、開成中志望者といえども困難なレベルです。
こういう時は、「絞ってゆく」考え方をご説明しました。

こういう過去問を解いていて、
調ではなく、
租だったんだ・・・
租庸調の知識が
中途半端だった・・・
と考えすぎない方が良いでしょう。
答えを読んで、「稲の約3%は租」とあったら、
そうなんだ。
位で良いでしょう。
この問題の正しい答えウの朱雀大路。

大極殿から羅城門へ通じる、平城京のメインストリートである朱雀大路は、有名です。

しかし、「小学生に問うべき問題か」は議論があるでしょう。
こういう暗記問題に取り組む時は、「全て覚えよう」と考えないことです。
時々、細かな知識が出てきたら、
出来れば
覚えておこう。
と考えて、単語だけでなく、テキスト・参考書などで、上のような地図を見ると良いでしょう。
上のような地図などの方がイメージが湧いて、頭に入りやすいです。
テキストでなかったら、ネットで探せば見つかることもあるので、自分で探すか、親に頼みましょう。
直前期となりましたから、親の方もぜひ、お子様と一緒に取り組んでみると良いでしょう。
「全部覚えよう!」と考えると、無理が出てきます。
実際には、試験では全部できる必要がなく「70%ほど出来れば合格」です。
その「合格者が70%ほど出来る対象の問題」は、「多くの方ができる問題」もあったり、バラバラであったり様々です。
子どもたちの得意・不得意もあり、それもまた個性でしょう。
「得意科目・分野」であれば、出来るだけ覚えるようにしましょう。
そして、「不得意科目・分野」は、
ここまでは
覚えるようにしよう。
と考えて、
ここまで覚えれば
大丈夫!
と前向きな姿勢の方が良いでしょう。