電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 4〜回路をイメージ・電池=電圧=ポンプ・矢印の大きさ・エジソン〜|中学受験・理科

前回は「電気・電流・抵抗のわかりやすい考え方・イメージ 3〜回路の基本・直流回路〜」の話でした。

目次

回路の基本:電圧を考える

電気・電流の考え方:オームの法則(新教育紀行)

電気・電流の問題では、基本的に回路があって、

豆電球の明るさ(電流)は、
どうなるか答えて下さい。

などの問題が多いです。

そこで、上記の「オームの法則」に従って(暗記して)、

回路のどんなパターンに
当てはまるだろう・・・

電池が直列(並列)で
〜個で・・・

こちらには、電球・抵抗が
並列で〜個あって、もう一つ別にあるから・・・

と考える方が多いかもしれません。

それら「回路のパターン」で、電気・電流の基本問題の多くは解ける様になります。

解ける様になりたいから、
「パターン」でも良いと思う・・・

と考える方もいるでしょうから、考え方はそれぞれの方次第で、個性にもよるでしょう。

「パターン」も良いですが、「基本的な仕組み」を理解しておくと、パターンの理解も進むでしょう。

電気・電流の考え方:オームの法則(新教育紀行)

電気は「電圧があって初めて発生する」(小学生の理科)ですから、電圧を主役で考えましょう。

電圧は、「電流をエイッと持ち上げて、回路に流す」ポンプのような役割です。

その電圧を発生させるのが電池です。

電池の役割

・回路に電圧を発生させる

・発生した電圧は、電流を持ち上げるポンプの様な役割を持つ

・「電池=電圧を発生=ポンプ」が回路にあるイメージ

電池=電圧=ポンプ・流れる電流のイメージ

基本的な回路に対して、電池が電圧を発生させ、電流を流します。

その電流を、具体的に描いてみましょう。

鉛筆でも良いですが、最初の頃は色鉛筆・マーカーで「好きな色で描く」と良いでしょう。

電池が電圧をかけて、発生した電流が一周して戻ってくるイメージを、しっかり持ちましょう。

「上がった高さ=電圧」と「同じ高さ=電圧」分下がって、電池に戻ってきます。

もし、「下がる高さが、電圧より小さいと、どうなるか」を具体的に考えてみましょう。

「電池がポンプみたい」と
習ったことがあるけど・・・

電流は一周して、
「上がった分下がる」のが当然だと思ってたよ・・・

「なぜ?」と考える姿勢から、学力アップへ:エジソン少年

トーマス・エジソン(Wikipedia)

好奇心が「旺盛すぎる」子だった、エジソン少年。

なぜ、「1+1=2」
なんですか?

うるさいな。

そう
「決まっている」んだ!

だから、
なんで?

もう、お前は
学校に来るな!

えっ?・・・

小学校で「なぜ?」を言いすぎて、小学校を退学することになってしまいました。

国家国民全体で「イノベーションを求める」姿勢の米国では考えられない事態です。

このエジソン少年のことは、時代もあるでしょう。

1847年生まれのエジソン。

エジソン少年が小学生一年の頃は、1853年です。

1853年って、
ひょっとして・・・

ペリー提督(Wikipedia)

Hello!
Japan(日本)の皆さん!

我がUnited States(米国)と
条約結びましょう!

ペリーが四隻の巨大な(当時)軍艦を率いて、東京湾に乗り込んできた時代です。

当時の米国は、高度成長期でしたが、まだまだ欧州よりは「遅れていた」存在でした。

「膨大な国土と資源」のある米国でしたが、まだ南北戦争前で、国家として未成熟だったのです。

そのため、エジソン少年の

だから、
なんで?

は、嫌がられたかもしれません。

「なぜ?」を考えると、エジソンのような発明王になれるかは別として、理解力が上がります。

その結果、成績も上がるでしょう。

「どうなるか?」を考えてみる姿勢

電流は一周して、
「上がった分下がる」のが当然だから・・・

そうでなかったら、
を考えるのは難しいよ・・・

算数(数学)・理科で「そうでなかったら、どうなるか?」は具体的に考えましょう。

問題13考え方(新教育紀行)

算数で「三点が一直線上にあること」を示すとき、どう「算数として説明するか」考えました。

問題13考え方(新教育紀行)

そして、具体的に「三点が一直線上になかったら」を考えました。

問題13考え方(新教育紀行)

その結果「三点が一直線上にある」理由・条件が、具体的に分かりました。

同様に、「下がる高さが、電圧より小さい場合」を考えてみましょう。

上がった高さ・下がった高さを矢印で書いて、イメージしてみましょう。

電池の部分だけ、取り出して考えてみましょう。

電圧を「矢印の大きさ」で考える

そして、「上がった高さ=電圧」と「電流が一周して下がった高さ」の矢印を足してみましょう。

算数で矢印の話をしました。

算数では、図形の位置を矢印で考えましたが、今回は「高さを矢印で考える」をやってみましょう。

この場合は、「真上を向く矢印」と「真下を向く矢印」と、「矢印の向きが逆」です。

大きく上がって、少し下がると、矢印がまだ残ります。

電流が一周して「少し上がっている」と、電流は短い時間で何周もするので、どうなるでしょうか?

少し上がって、
また少し上がるから・・・

電流が
高いところに行くのかな?

電圧で持ち上げられた電流は、「どんどん高いところ」に行きます。

なんか、
変だね・・・

ここで、「オカシイ」と気づきますね。

これは、「なぜ、おかしいか」というと、「もし・・・」と考えたことが、間違っていたからです。

今回、「もし、一周して、上がった高さより下がる高さが小さくなったら」を考えました。

「もし、一周して、上がった高さより下がる高さが大きくなったら」も同じように、おかしくなります。

考えてみましょう。

同じように電圧を
矢印で考えると・・・

電流が、どんどん下に
下がっていってしまう!

つまり、「回路は一周した電流が、電圧で上がった分の高さ下がる」となります。

このイメージをしっかり持ちましょう。

回路と電流

今回、電池の部分だけ取り出したので、電球・抵抗がどのような状況でも同じです。

電圧によって、最初持ち上げられた電流が、戻ってきます。

「上がった高さが下がって、電流が戻ってくる」です。

この「高さ=電圧が下がる(降下する)」を「電圧降下」と呼びます。

言葉は覚えなくても良いですが、イメージ出来ていると、「そのまま」ですね。

うん。
なんか回路が分かった気がする。

電圧を主役として、回路のイメージすると、
少し分かった気がする。

この「回路の基本」は「電気の基本」です。

このイメージをしっかり持って、回路を考えてみましょう。

「基本的な事=原理」をしっかり理解すると、電気・力・バネなどの問題は、一気に見えてきます。

問題をたくさん解くことも良いですが、基本をしっかり押さえれば、「1題が10題以上」になるでしょう。

しっかり理解した上で、出来なかったこと・問題をもう一度やってみると、学力はメキメキ上がります。

このように電流・電気・回路の基本をイメージした上で、回路を色々考えてみましょう。

きっと、電気が得意分野になるでしょう。

新教育紀行

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