図形を算数的に考えるコツ・ポイント〜異なる説明をする大事さ・自分で思考する学び・「〜ではない」状況を具体的に考える・角度に注目・図形を作る辺は「長さと角度」が大事・問題 13(3)解法〜|中学受験・算数実践90

前回は「算数的に「説明する」ことのコツ・ポイント〜特徴や性質を考える大事さ・点が「一直線上にある」こと・「〜であること」→「〜でなかったら」と考える・問題 13(3)解法〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

図形を算数的に考えるコツ・ポイント

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

「三点が一直線上にある」ことを説明する問題です。

「一直線上にある」のを説明って、
どうするの?

あること・性質を説明

・「あること・性質」は具体的にどういうことか、を考える

・何らかの根拠を明らかにして説明

「三点が一直線にある」ことが不明瞭だと、説明するのが難しそうです。

算数・理科の性質・特徴

・ある性質や特徴があることは、何らかの共通するポイントがある

・ある性質や特徴を理解する時、「〜でなかったら」を考える

「説明する」ためには、その「共通するポイント」を理解している必要があります。

そこで、「三点が一直線にある」こともう一度考えてみましょう。

でも、「一直線上」って、
「直線の上にある」くらいしか思いつかないけど・・・

「三つの点が全て直線の上にある」って
簡単だけど、算数で説明するのは難しいね・・・

この状況を考えるために、「三点が一直線上にない」状況を考えてみましょう。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

全然
違うね。

具体的に「何が違う」かを図形的に考えてみましょう。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

三点A,E,Gが「一直線上にある」とは「AGを結んだ直線上に、Eがある」ことです。

確かに改めて
考えるとそうだね!

それは
分かるよ。

これ以外に、三点A,E,Gが「一直線上にある」状況が説明できるでしょうか。

別に、一つあれば
良いんじゃないの?

異なる説明をする大事さ:自分で思考する学び

「何かの事・性質」などを説明するときに、「一通りで説明できれば良い」場合も多いです。

「説明できない」よりも「一通りでも、できる」方が遥かに良い事でしょう。

一方で、物事は必ずしも「一通りで説明」あるいは「一通りで捉えられる」ことでもないでしょう。

ある事を考えるとき、「違う説明を試みる」をやってみましょう。

それは、算数(数学)・理科などの勉強には大変役立つと思います。

そして、「記述問題への対策」にもなるでしょう。

「記述問題が難しい」方は、模範解答を「一例として書き写す」練習も大事です。

そのとき、

少し、
説明の仕方を変えてみよう・・・

と、文章の流れや構成を少し変えてみるのも良いでしょう。

あるいは、「自分が考えたこと」を書いてみるのも大事です。

ほんの少しでも良いので「異なる視点から考える」姿勢を身につけると良いでしょう。

「〜ではない」状況を具体的に考える

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

「三点A,E,Gが一直線上」は、「EとGを結んだ直線の延長上にAがある」とも言えます。

同様に、「AとEを結んだ直線の延長上に Gがある」など他の言い方も出来ます。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

「三点A,E,Gが一直線上」を二通りで表現しましたが、「算数的に説明」を考えましょう。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

ここでは、間にあるEがずれていて、「三点A,E,Gが一直線上ではない」ことを考えます。

なんか、
全然違うね!

先ほどと同様に、三点を直線で結んでみましょう。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

「折れ曲がっている」
から、見るからに違う・・・

一直線じゃないから、
全然違う。

「見るからに違う」のは大事ですが、算数なのでこの点をもう少し論理的に説明しましょう。

論理的って
難しそうだけど・・・

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

それでは、「一直線上にある」のと「一直線上にない」で、何が違うのでしょうか。

真っ直ぐではなくて、
折れ曲がっているよね・・・

「折れ曲がっている」では
算数的、論理的ではなさそうだね・・・

角度に注目:図形を作る辺は「長さと角度」が大事

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

ここで、角度に注目してみましょう。

あっ、
角度が全然違うね!

こういうことを「頭の中でイメージする」ことも大事です。

それも大事ですが、ノートでも紙でも良いので、どんどん描いてみましょう。

「考えても分からない」ことが「描くとすぐにわかる」ことも多いです。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

ここでは、「折れ曲がる」と「角度が違う」ことに気づきます。

「三点A,E,Gが一直線上」ならば、角AEGが180度となります。

一方で、「三点A,E,Gが一直線上でない」ならば、角AEGが180度以外の角度になります。

うん。
これは分かるよ!

改めて考えると
「当たり前」だけど・・・

こういう「当たり前のこと」が図形でも、何でも大事な場合が多いです。

長さ・面積などを考えることが多い、図形問題。

図形を構成するのは辺です。

今回考えている正方形は「四つの同じ長さの辺」が平行、あるいは直角につながっています。

図形を作る辺を考える

・辺は「長さと角度」で決まる

・それらの辺が「どのようにつながっているか」を考える

角度は「相似形などを考える」時に考えることが多いですが、「長さ主体」になりがちです。

「角度に注目する」姿勢を身につけると、図形問題の見通しが良くなるでしょう。

問題13:「三つの点が一直線上」の意味を考える(新教育紀行)

これで、「角AEG=180度」を説明すれば良いことがわかりました。

問題13:「三つの点が一直線上」を説明(新教育紀行)

「角AEG=180度」を説明するために、これまで分かっていることを整理します。

問題13:「三つの点が一直線上」を説明(新教育紀行)

点Eの周りで、直角が二つあります。

問題13:「三つの点が一直線上」を説明(新教育紀行)

直角を二つ合わせると180度になります。

これで、「三点A,E,Gが一直線上にある」ことを説明できました。

そういうこと
だったんだ!

「角度に注目する」って
新鮮味があるね!

ここから、とても面白いことが分かります。

「CF=3cm」という条件がありますが、その条件と「三点A,E,Gが一直線上にある」は無関係です。

「FG上のどこにCがあっても、同じように正方形ABCDを作る」ことを考えましょう。

その時、必ず「三点A,E,Gが一直線上にある」ことになります。

問題13:矢印で図形を考える(新教育紀行)

これは、以前ご紹介した「矢印」を考えても分かることです。

こういう図形の面白さを感じながら学ぶと、学力も上がるでしょう。

新教育紀行

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