算数の効果的勉強法〜「分かった気になる」ではなく「しっかり理解」・理解して「再現する」学び・「略して書く」勉強方法・思考の流れを整理〜|算数の基本的思考1・中学受験

前回は「効果的な算数・数学勉強法〜「成績が上がる」学び方・問題への取り組み方・しっかり理解・「分かったつもり」にならない〜」の話でした。

目次

算数の効果的勉強法:「分かった気になる」ではなく「しっかり理解」

東京の街(新教育紀行)

日常生活において、外を歩いていると実に多くのモノ・コトがあります。

住んでいる地域の地域性もありますが、歩いていれば車・建物が沢山あります。

そして、周囲を歩いている別の人も沢山います。

そういう目の前の景色や事柄を眺めていて、多くの方は「分かった」つもりで行動しています。

歩きながら、人間の脳は意識・無意識に実に様々な情報を処理しています。

小学生の方は特に信号に注意していて、

男子小学生

あ、信号が赤だから
横断歩道の手前で止まろう!

しっかりと周囲を見ながら歩いている方が多いでしょう。

この時、例えば、

質問者

今さっき目の前を通った
車の色は何色ですか?

このように「さっき見た車の色」に関する質問を唐突に受けた場合。

この「唐突な質問」に対しては、ほとんどの方は、

男子小学生

あれ?
何色だったっけ・・・

こういう時、「答えられない場合」が多いのが現実です。

あるいは、ある建物が気になって、

男子小学生

あの建物
かっこいいね!

受験生の父親

あの〜のところが
いいね!

このように、隣で歩いていたお父さんと話す子どももいるでしょう。

そのすぐ後に、

質問者

かっこいいと思った
建物の色はどんな色ですか?

このように「唐突な質問」を問われると、

男子小学生

あれ?そういえば
「形がかっこいい」と思ったけど・・・

男子小学生

色は何色だったかな、
白かな・・・茶色だったかな・・・

「かっこいい」と思った視点にもよりますが、人は「あることに意識が集中する」傾向があります。

自分が興味を持った対象は「ある程度理解している」のですが、他は「大して理解していない」のです。

多くの人は目の前のことを見て、

女子小学生

私はちゃんと
分かって歩いている!

自分では「分かったつもり」「理解したつもり」になりがちです。

色々な科目を勉強していると、色々覚える必要があります。

算数では、

男子小学生

あっ、この考え方は
ちょっと新鮮だな・・・

実に様々な考え方・解法がある算数。

算数では、「自分にとって新鮮味のある解法」をしっかり理解するのが大事です。

多くの方が知っていて、理解している「てんびん算」の考え方があります。

筆者は、「てんびん算の考え方」は非常に本質的で、算数と理科を同時に理解できるのでお勧めします。

上記リンクのように「3つの食塩水」が登場する問題では、

女子小学生

食塩水Aと食塩水Bと
食塩水Cがあって・・・

女子小学生

これとこれが混ざって、
う〜ん・・・

対象が3つになると「ちょっと分からなくなる」方も多いでしょう。

ここで、解答を読んで、

女子小学生

あっ、そうか、
そうなんだ・・・

女子小学生

ふ〜ん、
こう考えて、こうなんだ・・・

このように「解答を読んで終わりにしない」姿勢が大事です。

「解答を読む」だけでなく「理解して再現する」ことが大事です。

僕と同世代前後の方と、現代の子どもの学ぶ環境の大きな違いは「SNS・ネット環境」です。

動画(映像)が簡単に手に入り、見ることが出来ます。

男子小学生

動画は
分かりやすいよ!

映像は理科の実験や現象など、「動画の方が分かりやすい」ことはあります。

動画は非常に「わかりやすい」のですが、観たら「分かった気になってしまう」傾向もあります。

動画や画像を見てばかりではなく、「理解すること」を大事にしましょう。

筆者も動画を観ることがありますが、本を読んだ方が理解は深まります。

動画は「動画を観ることに視覚・聴覚が総動員されている」状態なので、「受け身」になります。

そのため、「観ている間は、その内容を理解することで精一杯」なのです。

動画も良いですが、テキスト・参考書を「読んでしっかり理解」を優先しましょう。

上記リンクでご紹介した通り、「紙の本の良さ」は沢山あります。

ぜひ、しっかり手を動かして学ぶようにしましょう。

理解して「再現する」学び

図形:補助線(新教育紀行)

社会人の方で仕事中にメモとる方が、いらっしゃると思います。

メモを取ると忘れにくく、それは「目の前に書いてあるから」です。

さらに、「一度手で書く・描く」と脳に記憶されやすくなります。

「メモを取る」と言うのは、具体的な日時等の情報の場合は「手を動かすこと」で脳に刻む感じです。

このプロセスで脳が働いているので、自分の中で整理されて記憶しやすくなります。

ですから、「書く・描くこと」は大事です。

図形問題では、補助線を見て、

男子小学生

こういう補助線を
引けば良いんだ・・・

女子小学生

今度から
この補助線引くようにしよう!

こう「思う」だけではなく、必ず「自分で補助線を引いてみる」ようにしましょう。

図形問題のコツを、上記リンクでご紹介しています。

その時、テキスト・問題集などの「与えられた図形」に補助線を引くだけでも良いでしょう。

出来れば、ノートや紙に「図形全体を描いて、補助線を引いてみる」ようにしてみましょう。

少し時間がかかりますが、そのように「図形全体を描く」と補助線の意味がわかるようになります。

これは図形問題に限らず、算数・理科では「図や絵を描く」ことを大事にしましょう。

算数・理科の学び方

・「図や絵を描く」ことを大事に

・上手くなくて良いので、丁寧に描く

・図形問題の場合、「図形全体と補助線」を描く

「略して書く」勉強方法:思考の流れを整理

新教育紀行
表を作って整理する考え方(新教育紀行)

受験勉強をしていると、

男子小学生

時間が
ない!

このように焦ってしまう傾向があります。

男子小学生

もっと、もっと
たくさんの問題を解かないと!

女子小学生

早くこの問題集を
終わらせないと!

「焦ってたくさん問題を解く」より、「しっかり一問一問身につける」方が大事です。

特に算数は「なんとなく」たくさん問題を解くより、「しっかり一題理解」の方が遥かに効果が高いです。

でもさ、
塾の宿題が沢山あるよ・・・

宿題等が沢山ある場合は「やらなければならない」ですが、一問を大事にしましょう。

「ただやる」よりも「しっかり習得する」姿勢が大事です。

大事なことは「入試当日に」「これからの模試で」しっかり問題を解けることです。

「急がば回れ」です。

算数が出来るようになる勉強

1. 問題に挑戦!少し考える(出来たらOK)

2. 解答を読んで、一部を書いてみる

3. 解答を閉じて、再度挑戦!出来なければ、2をもう一度

2で「ただ書く」のではなく、「考えながら書く」ようにしましょう。

新教育紀行
未知数設定と立式(新教育紀行)

問題5の解法Aとして、オーソドックスに未知数を設定する解法をご説明(上記リンク)しました。

比の問題で、最も大事なことは「未知数の設定」です。

①などの「未知数の設定」がきちんと出来ていれば、比を設定して解けます。

このような問題を学ぶ際は、略して書いても良いでしょう。

「Aの今年の勝ち数」=「A今勝」「Bの去年の勝ち数」=「B去勝」などです。

男子小学生

自分なりに
略していいの?

勉強する際は、「自分なり」や「自己流」で良いでしょう。

女子小学生

記述タイプだったら、
勝手に略したら、良くないの?

記述タイプでも「勝手に略して書く」のはOKです。

採点するのは、プロ先生方なので、

採点者

ああ、これはこういうことを
意味しているんだな・・・

一目で「何を意味しているか」が分かるので、こういう「略して書く」ことは全く問題ないでしょう。

計算も目で見るだけでなく、実際にやってみましょう。

このように「書いてしっかり理解」することで、大きく学力は向上します。

特に、ある程度基礎が出来た小学校6年生10月以降は「書いて、描いて理解」が大事です。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

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