前回は「朝の勉強時間を最大限活かす勉強法〜思考のトレーニング・筋肉トレーニングとは根本的に別・学校側が「ぜひ入って欲しい」と考える人間像を目指す学び〜」の話でした。
過去問に取り組むタイミング「いつからやるべきか?」
女子御三家志望の小学校6年生Kさんの親御様から、ご質問を頂きました。
娘が女子御三家を志望しています。
理科はコアプラスを大体終えました。
そろそろ、過去問に取り組んで大丈夫でしょうか。
知識は十分でしょうか。
ご意見お聞かせください。
ご質問頂き、有難う御座います。
過去問に取り組む時期等に関しては、「早い方が良い」です。
ですから、「すぐに過去問に取り組みましょう」が私の答えです。
今回は中学受験の方の話ですが、高校受験・大学受験も同様です。
中学受験生の理科の参考書を読むと、実に広範囲かつ非常に多い分量です。
大人の方が中学受験の問題をみると、
これ、
本当に小学生が覚えるの?
と大抵の方が感じるでしょう。
特に最難関校の問題をみると、
この問題を
小学生が出来るの?
と感じてしまうほど、高いレベルです。
どのレベルの学校を志望するにしても、過去問は早く取り組むのがベストです。
過去問は「受験当日に自分が出来るようになる問題」です。
そのため、一日でも早く取り組んで「明確な目標を意識する」ことが大事です。
過去問の出来具合と自信:「出来なくてもよい」くらいな気持ち
例えば、開成中学に合格するためには、上記のような問題が「ある程度出来る」必要があります。
この問6は難問ではありませんが、様々な人物・地名・単語が並びます。
・北条時宗、竹崎季長
・元寇、文永の役、弘安の役
・鎌倉幕府、執権、御家人
・モンゴル軍、肥後国、火薬、兵器、防塁(石塁)、絵巻物
北条時宗や元寇(文永の役、弘安の役)は、中学受験の「基本事項」でしょう。
ところが、他にも「竹崎季長、肥後国、火薬、兵器、防塁(石塁)、絵巻物」とたくさんの言葉が登場します。
やっぱり、
これ全部出来るようになるのは、直前期でしょ・・・
これら全ての人物、言葉を
知っていなければならないのかな・・・
選択肢の問題なので「たまたま当たる」こともありますが、やはりある程度は理解してないと正答には至らなそうです。
だから、もう少し勉強して、
暗記を増やしてから出ないと、過去問はちょっと・・・
あまり出来が悪いと、
自信を無くしそう・・・
このように考える方もいるかもしれません。
「70%程度できれば合格できる」ので、「出来なくてもよい」くらいな気持ちで過去問に取り組みましょう。
試験当日に大勢の受験生たちの合否を決定する試験です。
おこで、「数ヶ月前に出来たら、すごい!」という考えが良いでしょう。
過去問は大事な問題集:自分なりに出題傾向を習得
志望校がある程度「暗記力」をテストするのであれば、暗記するしかありません。
「どこまで暗記すれば良いのか」「どこまで覚えたら十分か」というのは、なかなか難しいです。
志望校によっては、「ここまで出すの?」という問題もあります。
それは、出題者側からの視点で考えると、
最近の志望者たちは、
よく知っている。
「志望者がたくさんの知識を蓄えてくるから、点差をつけるためには細かな知識を出題せざるを得ない」のです。
そういう「細かな知識」を知っている方は強いですが、その科目・分野をよほど好きか得意でないと難しいでしょう。
「どこが十分」というのは判断しかねる以上、「ある程度学んだら、すぐ過去問に取り組む」のがベストです。
過去問を、特別視する必要はありません。
問題集の問題と同じように取り組みましょう。
そして、できなかった問題を「しっかり学ぶ」「きちんと理解する」「じっくり覚える」姿勢が最も良いでしょう。
・志望校の過去問は「特別な問題」ではなく、問題集の一つ
・何度か取り組んで、過去問の出題傾向を自分なりに習得
早めに過去問に取り組む姿勢が、合格への道を切り開くでしょう。
算数に関しても、特に第一志望の学校の過去問は「解き方を覚えてしまうくらい」やると良いでしょう。
ここで大事なことは「解き方を覚えよう、丸暗記しよう」と思わないことです。
何度もやっているうちに、
もう解き方
覚えちゃったよ・・・
くらいな感じになると、その問題の類題も「大体の方向性が分かる」ようになるでしょう。
そして、
志望校の過去問は、
やり切ったよ!
くらいな気持ちになると自信が強くなるでしょう。
すると、
試験当日も
できると思うよ!
という自信が合格を勝ち取る一つの姿勢でしょう。
ご本人の志望校合格を心より願っております。