前回は「質問ご回答 11 朝の算数勉強と知識習得 2〜スケジュール〜」の話でした。
男子御三家志望の小学校6年生Jくんの親御様からご質問を頂きました。
息子が御三家を目指しています。
毎朝6時に起床して、主に算数と理科・社会の暗記を勉強しています。
算数は、計算問題や基礎を強化する問題をやるようにしています。
塾のテキストが応用問題が多くなってきたので、応用問題もやってもらおうと思います。
朝の時間に、基本問題と応用問題をどのように取り組むのが良いでしょうか。
ご意見お聞かせ下さい。
ご質問頂き、有難う御座います。
応用問題を解いて、途中になっても一日中「無意識に考えている」大きな効果の話でした。
試験は時間内に難しい問題が解ける「学力」は大事であり、それこそが「試験での点数の獲得につながる」のも事実です。
御三家・最難関校は「それ以外のことも見ている」ように感じます。
それが「記述式試験」なのです。
記述式試験では「思考の過程」が分かり、「分かっているところまで点数をきちんと上げる」ことができます。
さらには、受験者であるお子様が「何を考えているのか」が分かります。
毎日、多数の中高生と接している「教育のプロ」である各学校の「教員の方々=出題者の方々」は、ベテランです。
小学校6年生の書いていることを読めば
この子の思考性は、
このような感じだな。
や「どういう子供か」が手に取るようにわかるでしょう。

御三家・最難関校には、入学して欲しい子どもの像があるでしょう。
「入学試験の時に高い学力がある人物」よりも「しっかりした学ぶ姿勢が出来ていて、将来伸びうる人物」です。
小学校の時に優等生であっても、中高で優秀かどうかは分からないのです。
その意味では、中学受験時の学力の優劣は「大した意味がない」とも言えます。
多少学力が劣っていても、「伸びる人物」に入学して欲しいのです。
そのように考えた時、1日の始まりを「基礎訓練ばかり」に当てるのは、良くないと思います。
以前書きました通り、「瞬発力ばかり鍛えられる」ことになります。
基礎力を固めるのは良いのですが、思考の性質までも固まってしまいかねません。
その意味では、応用問題も適度に織り交ぜて「将来伸びる=応用力がある」ように学んでゆくのが良いでしょう。
読者の親御様は僕と同年代の方が多いですが、仕事においてはかなりのベテランになっていらっしゃるでしょう。
例えば新入社員が「一生懸命考えた書類」は、一瞥すれば「だいたい何を言いたいかわかる」と思います。
若手は「ちゃんと全部読んでくれよ!」と思いますが、ベテランは「全部読まなくても、言いたいことは分かる」のです。
同様に、中高の「教育のプロたち」が答案を見て
ああ、
この子はある程度の学力があるけど・・・
反復勉強ばかりやってきたな。
と感じたら、どうでしょうか。
「単純合算のみで合否判断をしているかどうか」は分からりません。
教育・カラーに特色ある学校は「なんらかの意図を持って採点している」と考えるのが妥当でしょう。
「学ぶことはトレーニング」という面もありますが、そればかりでは「新しい発想」には、とても結びつかないでしょう。
お子様に将来伸びてもらうためにも、各学校の採点者に
この子、いいね。
うちに入って欲しいね。
と好感を持ってもらうことは大事です。
そのためにも、トレーニング的学習ばかりではなく、応用力を養い、考える力を養う問題を朝こそやりましょう。
世界的に「暗記重視で低レベルな日本の教育」において、御三家・最難関校は「なんらかの対策」を考え続けています。
その結果、記述式試験は増加してゆくと考えます。
「考える力」「自分の意見を言える力」も伸ばしてゆきましょう。
以上は僕の個人的考え・推測であり、特定の学校等から具体的な話を聞いたりしていることではありません。
記述式がでない学校が志望校のお子様、中堅校〜難関校を志望のお子様は、朝は基礎を固めるのが良いと考えます。
息子様が第一志望校に合格されることを心より願っております。