朝の勉強時間を最大限活かす勉強法〜思考のトレーニング・筋肉トレーニングとは根本的に別・学校側が「ぜひ入って欲しい」と考える人間像を目指す学び〜|中学受験

前回は「テンポ良く考えるトレーニングに最適な「朝の勉強」〜最重視する基礎力と大事な応用力・育む「考える力」・受験と学校生活・メリハリある生活と健康〜」の話でした。

目次

朝の勉強時間を最大限活かす勉強法

てんびん算の考え方:「混ぜて半分」の算数的意味(新教育紀行)

男子御三家志望の小学校6年生Jくんの親からご質問を頂きました。

ご質問

息子が御三家を目指しています。

毎朝6時に起床して、主に算数と理科・社会の暗記を勉強しています。

算数は、計算問題や基礎を強化する問題をやるようにしています。

塾のテキストが応用問題が多くなってきたので、応用問題もやってもらおうと思います

朝の時間に、基本問題と応用問題をどのように取り組むのが良いでしょうか。

ご意見お聞かせ下さい。

ご質問頂き、有難う御座います。

朝の勉強は夜の勉強よりも制限があります。

一般的に22時頃に寝る方が多いと考えられる小学生。

僕は受験生だから
頑張る!

という受験生でも、遅くとも23時には就寝した方が良さそうです。

夜の勉強も「どんなに遅くとも、23時には寝る」となると制限がありますが、10分程度は、

ここではキリ悪いから、
もうちょっと頑張る!

ということもあるでしょう。

対して、朝の勉強は、

もう朝ごはん食べないと、
学校に遅れちゃう!

となるので、時間制限が強いです。

そのため、

もう少し
やりたかったけど、この問題は途中だ・・・

応用問題は考えるのに時間がかかるので、「途中で終わってしまう」可能性があります。

それでも、お昼に学校で過ごしている間に、

あのあと、
どう解こうかな・・・

など脳は無意識に考えているので、考えるトレーニングにはなるでしょう。

そこで、朝の勉強でも応用問題をやってみて、時間制限を活かしてテンポ良く解く要領を身につけましょう。

試験は時間内に難しい問題が解ける「学力」は大事であり、それこそが「試験での点数の獲得につながる」のも事実です。

御三家・最難関校は「それ以外のことも見ている」のが現実でしょう。

それが「記述式試験」なのです。

最難関校受験生の学び方

・基礎を最重視しながら、応用力を構築

・パターンや鉄則だけではなく、考える力を育てるように学ぶ

記述式試験では「思考の過程」が分かり、「分かっているところまで点数をきちんと上げる」ことができます。

途中で終わっているけど、
方針は良さそうだ・・・

途中までしっかり
図解して、表現する力は大事だ・・・

よし、ここは
部分点で5点あげよう!

「頭の中で分かっていること」は答案に書かない限り、採点者には「採点しようがない」のです。

そこで、朝の15〜20分程度を算数の応用問題などを解くのも良いでしょう。

そして、途中で終わってしまっても、

ここまでは、
分かっているから書けた!

日頃から「考えていること、分かることをしっかり書く」ことを実践していると、本番でもできるでしょう。

思考のトレーニング:筋肉トレーニングとは根本的に別

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

毎日、多数の中高生と接している「教育のプロ」である各学校の「教員の方々=出題者の方々」は、ベテランです。

さらには、受験者である子どもたちが「何を考えているのか」が分かります。

小学校6年生の書いていることを読めば、

この子の思考性は、
このような感じだな。

や「どういう子どもか」が手に取るようにわかるでしょう。

御三家・最難関校には、入学して欲しい子どもの像があるでしょう。

我が校には
こういう人物に入学して欲しい・・・

「入学試験の時に高い学力がある人物」よりも「しっかりした学ぶ姿勢が出来ていて、将来伸びうる人物」です。

小学校の時に優等生であっても、中高で優秀かどうかは分からないのです。

その意味では、中学受験時の学力の優劣は「大した意味がない」とも言えます。

多少学力が劣っていても、「伸びる人物」に入学して欲しいのでしょう。

そのように考えた時、1日の始まりを「基礎訓練ばかり」に当てるのは、良くないと思います。

筋肉トレーニングのように基礎力ばかりだと、「瞬発力ばかり鍛えられる」ことになります。

トレーニングや訓練は大事ですが、思考のトレーニングと筋肉トレーニングは根本的に異なると考えます。

思考のトレーニング

・「考える力・思考力」を増強することが大事

・ただ筋肉を鍛える筋肉トレーニングのような勉強法は、「固定化した解法パターン」ばかり身につく

・「筋肉トレーニング的勉強法」は、思考が固化して自由度が減少する傾向がある

基礎力を固めるのは良いのですが、思考の性質までも固まってしまいかねません。

その意味では、応用問題も適度に織り交ぜて「将来伸びる=応用力がある」ように学んでゆくのが良いでしょう。

学校側が「ぜひ入って欲しい」と考える人間像を目指す学び

東京(新教育紀行)

読者の親は僕と同年代の方が多いですが、仕事においてはかなりのベテランになっていらっしゃるでしょう。

例えば新入社員が「一生懸命考えた書類」は、一瞥すれば「だいたい何を言いたいかわかる」と思います。

ま、全部読まなくても、
言いたいことは分かる・・・

若手の側からすれば、

ちゃんと全部
読んでくれよ!

と思いますが、ベテランは

全部読まなくても、
言いたいことは分かるんだから、いいだろう・・・

こっちだって、やること沢山あるんだから、
全部読む必要はない・・・

同様に、中高の「教育のプロたち」が答案を見て

ああ、
この子はある程度の学力があるけど・・・

反復勉強ばかり
ってきたな・・・

と感じたら、どうでしょうか。

「単純合算のみで合否判断をしているかどうか」は分かりません。

教育・カラーに特色ある学校は「なんらかの意図を持って採点している」と考えるのが妥当でしょう。

「学ぶことはトレーニング」という面もありますが、そればかりでは「新しい発想」には、とても結びつかないでしょう。

子どもに将来伸びてもらうためにも、各学校の採点者に

この子、
いいね・・・

我が校に
入って欲しいな・・・

と好感を持ってもらうことは大事です。

そのためにも、トレーニング的学習ばかりではなく、応用力を養って考える力を養う問題を朝こそやりましょう。

世界的に「暗記重視で低レベルな日本の教育」において、御三家・最難関校は「なんらかの対策」を考え続けています。

その結果、記述式試験は増加してゆくと考えます。

「考える力」「自分の意見を言える力」も伸ばしてゆきましょう。

以上は僕の個人的考え・推測であり、特定の学校等から具体的な話を聞いたりしていることではありません。

記述式が一切出題されない学校が志望校の方、中堅校までを志望の方は、朝は基礎を固めるのが良いと考えます。

ご本人が第一志望校に合格されることを心より願っております。

新教育紀行

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