前回は「選択・暗記問題の解き方・コツ・ポイント 2〜「暗記できない」から「問題ができる」ように〜」の話でした。
「正しいもの」と「誤っているもの」の確認

開成中学校の2020年の社会第2問を取り上げ、「選択問題の合理的思考法」の話です。
次の問6を、考えてみてください。

文永・弘安の役の話です。
豊臣秀吉が実施した「文禄・慶長の役」とは違うことは、まず確認しましょう。

名前も似ていて、ややこしいです。
今回は、「誤っているもの」を選びます。
前回ご説明しましたが、まずここに下線かマークをつけましょう。
焦っていると、意外と勘違いします。
「誤っているもの」を選べばいいのに、逆の「正しいもの」を選ぶと勘違いしてしまうことがあります。
あれ、正しいものが、
いくつかある?
なぜ
だろう?
僕が
間違っているのかな?
と混乱して、時間が過ぎてしまうことがあります。
こういうことはないようにしましょう。

ポイント・鍵を探す姿勢
順に見てゆきましょう。
アは、文永・弘安は良さそうで、鎌倉幕府執権北条時宗がポイントです。

う〜ん・・・
○だと思う・・・
これはほぼ正しそうなので、○です。
ひょっとしたら、上記の「文永・慶長の役」などのひっかけ問題が出るかもしれません。
イは、戦闘の話ですが「火薬が発明されておらず」がポイントです。
前回同様「歴史上の事柄」で、完全否定することは大変困難なことです。
「発明されておらず」ということは、日本全国で「発明されておらず」です。
実際は、火薬による最新鋭兵器が登場したので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
もし、知らなくても「発明されておらず」は、絶対にあり得ません。
「発明されていた」かもしれないのです。
ですから、こういう「歴史で完全否定」は基本的に即xです。
あっ、これだ!
xだ!
試験場でこう気づいて、イと書いて、ウ・エを念の為、チラッと見て次へ行きます。
ウは、「防塁が役立った」話です。
う〜ん・・・
○だと思う・・・
これは主観的な話ですし、内容的にも正しそうですから、○です。
「役立った」か「役立たなかった」という主観的な話は、否定するのが困難ですから、xにはなりにくいです。
防塁って、
なんだろう・・・
と思うかもしれません。
かなり専門的な用語ですが、こういう知らない単語に出会っても慌てない姿勢が大事です。
防塁は「防ぐ」に「塁」だから、
なにか防備につかうことかな・・・
という感じで良いでしょう。

エは少し細かい内容で、肥後の竹崎季長が出てきますが、「絵巻物に描かせた。」のは正しそうです。
そして、これをxにするなら「描かせてない」と否定しなければならないです。
そういうことはあったんだろう・・・
○だと思う・・・
もし竹崎を知らなくても、「ほぼ○」になります。

上記の感じでメモします。
文章題の問題から暗記を増やす方法
ある程度、知識が固まった上で、こういう問題を解くと、暗記することが自然と増えます。
これも暗記、
それも暗記!
と勉強するのは、大変なことです。
暗記、暗記で
キリがない・・・
暗記する時は、参考書・テキストばかりに頼らずに、「問題を解いて暗記を増やす」ようにしましょう。
こういう問題を解いて、ただ○、xで、
出来た!
出来なかった!
ではなく、こういう文章題の文章・選択肢を学びながら、暗記を増やしてゆくことがポイントです。
今回は、イがxで比較的易しいですが、このように歴史の選択問題は、
知らない・・・
と思っても、焦らずに文章から読み取れる合理的思考法で解きましょう。
焦らずに、
知らないけど、
何かポイント・鍵はないかな。
と冷静に考えましょう。
竹崎季長は比較的有名な武将ですが、もし竹崎季長を知らないで、こういう問題に出会ったら、
元寇では、
竹崎季長が活躍したんだ!
と覚えるようにしましょう。
そして、選択問題も着実に得点してゆきましょう。