前回は「2023年の予想時事問題と対策〜ロシアとウクライナ〜」の話でした。

非常に痛ましい事態が続くロシアによるウクライナ侵攻。
日本にとっても極めて重大な事態ですが、やはりウクライナは遠い国です。
しかしヨーロッパ諸国にとっては、「すぐそこ」で大規模な戦争が行われているのが現実です。

今回は、中学入試〜大学入試に出題される可能性がある「時事+歴史」を考えてみましょう。
ある国とロシアの比較
ロシアとウクライナの戦力・国力を比較すると「巨人と少年」と形容される話をご紹介しました。

今回は、現代ではありませんが、過去にロシア(旧ソ連)と戦争した国のロシアとその国の戦力・国力比較です。
項目 | ある国 | ロシア | ロシア/ある国 |
人口(万人) | 4,600 | 12,000 | 2.6 |
現役兵力(万人) | 100 | 200 | 2.0 |
歳入(億円) | 2.5 | 20 | 8.0 |
火砲(門) | 636 | 2,260 | 3.6 |
艦船(トン) | 25 | 80 | 3.2 |
石油産出量(万バレル) | 200 | 44,500 | 222 |
情報源が様々で、数字の精度も少しバラツキがありますが、「およその目安」と考えてください。
上の表でロシアと比較した「ある国」は、ウクライナと同じような状況です。
少し昔なので、「歳入」は現代では「GDPと同等」と考えて良いでしょう。
ロシアが資金源が8倍、兵力が2倍、陸軍の兵器の火砲は3.6倍、海軍艦船は3.2倍あります。
大きな差は、石油の算出量でありロシアが222倍あり、これは事実上∞(無限大)と考えて良いレベルです。
ある国とウクライナの比較:ロシアに対して
前回考えてみたウクライナとロシアと比較してみましょう。
項目 | ウクライナ | ロシア | ロシア/ウクライナ |
現役兵力(万人) | 19.6 | 90 | 4.6 |
装甲車(両) | 90 | 200 | 24.8 |
航空機(機) | 3,309 | 15,827 | 10.5 |
ヘリコプター(機) | 132 | 1,391 | 17.2 |
潜水艦(隻) | 0 | 49 | ∞(無限大) |
防衛費(億ドル) | 4.7 | 45.8 | 9.7 |
項目 | ウクライナ | ロシア | ロシア/ウクライナ |
GDP(億ドル) | 112 | 1,578 | 14.1 |
原油産出量(億バレル) | 0.6 | 112.6 | 204.7 |
天然ガス生産量(km3) | 20 | 634 | 31.7 |
粗鋼生産量(千t) | 21,366 | 75,970 | 3.6 |
「ある国」とウクライナを比較すると、「ある国」はロシアに対して、資金源は同等です。
一方で兵力や兵器を比較すると、「ある国」はウクライナよりはるかに状況が良く、直接対峙する戦力は良い状況です。
資金源であるGDP(歳入)もウクライナより状況が良いですが、問題は物資面です。
原油生産量の状況はロシアと比較して似た状況で、戦争を継続するパワーの状況も類似しています。
そして、ウクライナは天然ガスを豊富に算出し、粗鋼生産量が非常に大きい状況です。
「ある国」とロシアが戦争した時代は、天然ガスがあまり算出されず、粗鋼生産量のデータはありません。
国力・戦力としては、ロシアに対して「ある国」とウクライナは「似ている状況」と言えます。
「ある国」はどこか?
それでは、ある国はどこの国でしょうか?
ここで、ほんの少しで良いので考えてみましょう。

ヒントは、下記の国旗の国です。

この国旗、
見たことないよ。
どこの国
かしら?
「見たことがない」方が多いかもしれません。
現在、この国旗の国家は存在しません。
えっ、ないの?
「昔、あった」
ということ?
この国旗は大日本帝国、つまり戦前までの日本です。
大日本帝国と日本

現代の日本の国旗が上の写真です。
「日の丸」ですね。
大日本帝国の国旗「旭日旗」と現代の日本の「日の丸」は、類似性があります。
いずれも「太陽」を示しますが、「旭日旗」は「日出る国」のイメージが非常に強いデザインです。
太陽が登ってきて、パアーっと太陽の光が四方八方に飛んで行くイメージです。

「新しい国家となり、欧米列強と伍する存在へ!」という明治維新の気概が非常に表れています。
上の「ある国」とは大日本帝国、かつての日本です。
日露戦争
120年前の1903年の日本を取り巻く状況は、非常に厳しいものでした。
もはやロシアとの戦争は
避けられないのでは・・・
しかし、ロシア相手に
勝てるの?
それは誰が
考えても難しい・・・
ロシアと大日本帝国では、
国力・戦力が違いすぎる・・・
という状況だった日本。
日露戦争は「過去の出来事」ですが、現代とも大きくつながる出来事です。
上記のような戦力・国力比較をもとに、出題される可能性はあるので、復習しておきましょう。
戦争という非常にセンシティブな内容だけに、出題はされにくいと思います。
上のような内容は「現代と歴史の接点」という意味では、大事なことなので、知っておくと良いでしょう。