前回は「時事問題と対策・ポイント〜ロシアとウクライナ・巨人と少年〜」の話でした。
ウクライナ戦争

非常に痛ましい事態が続くロシアによるウクライナ侵攻、ウクライナ戦争。
日本にとっても極めて重大な事態ですが、やはりウクライナは遠い国です。
ヨーロッパ諸国にとっては、「すぐそこ」で大規模な戦争が行われているのが現実です。

上の地図ではウクライナは「オ」の国です。
今回は、中学入試・高校入試・大学入試に出題される可能性がある「時事+歴史」を考えてみましょう。
ロシアとウクライナの戦力・国力を比較すると「巨人と少年」と形容される話をご紹介しました。

ある国とロシアの比較
項目 | ある国 | ロシア | ロシア/ある国 |
人口(万人) | 4,600 | 12,000 | 2.6 |
現役兵力(万人) | 100 | 200 | 2.0 |
歳入(億円) | 2.5 | 20 | 8.0 |
火砲(門) | 636 | 2,260 | 3.6 |
艦船(トン) | 25 | 80 | 3.2 |
石油産出量(万バレル) | 200 | 44,500 | 222 |
上の表は、現代ではありませんが、過去にロシア(旧ソ連)と戦争した国のロシアとその国の戦力・国力比較です。
情報源が様々で、数字の精度も少しバラツキがありますが、「およその目安」と考えてください。
上の表でロシアと比較した「ある国」は、ウクライナと同じような状況です。
少し昔なので、「歳入」は現代では「GDPと同等」と考えて良いでしょう。
ロシアが資金源が8倍、兵力が2倍、陸軍の兵器の火砲は3.6倍、海軍艦船は3.2倍あります。
大きな差は、石油の算出量でありロシアが222倍あり、これは事実上∞(無限大)と考えて良いレベルです。
ある国とウクライナの比較:ロシアに対して

前回考えてみたウクライナとロシアと比較してみましょう。
項目 | ウクライナ | ロシア | ロシア/ウクライナ |
現役兵力(万人) | 19.6 | 90 | 4.6 |
装甲車(両) | 90 | 200 | 24.8 |
航空機(機) | 3,309 | 15,827 | 10.5 |
ヘリコプター(機) | 132 | 1,391 | 17.2 |
潜水艦(隻) | 0 | 49 | ∞(無限大) |
防衛費(億ドル) | 4.7 | 45.8 | 9.7 |
項目 | ウクライナ | ロシア | ロシア/ウクライナ |
GDP(億ドル) | 112 | 1,578 | 14.1 |
原油産出量(億バレル) | 0.6 | 112.6 | 204.7 |
天然ガス生産量(km3) | 20 | 634 | 31.7 |
粗鋼生産量(千t) | 21,366 | 75,970 | 3.6 |
「ある国」とウクライナを比較すると、「ある国」はロシアに対して、資金源は似た状況です。
一方で兵力や兵器を比較すると、「ある国」はウクライナよりはるかに状況が良く、直接対峙する戦力は良い状況です。
資金源であるGDP(歳入)もウクライナより状況が良いですが、問題は物資面です。
原油生産量の状況はロシアと比較して似た状況で、戦争を継続するパワーの状況も類似しています。
そして、ウクライナは天然ガスを豊富に算出し、粗鋼生産量が非常に大きい状況です。
「ある国」とロシアが戦争した時代は、天然ガスがあまり算出されず、粗鋼生産量のデータはありません。
国力・戦力としては、ロシアに対して「ある国」とウクライナは「似ている状況」と言えます。
「ある国」とはどの国?
それでは、ある国はどこの国でしょうか?
ここで、ほんの少しで良いので考えてみましょう。

ヒントは、下記の国旗の国です。

この国旗、
見たことないよ。
どこの国
かしら?
「見たことがない」方が多いかもしれません。
現在、この国旗の国家は存在しません。
えっ、
ないの?
「昔、あった」
ということ?
この国旗は大日本帝国、つまり「戦前までの日本」です。
大日本帝国と日本:日露戦争でロシアと対峙した大日本帝国

現代の日本の国旗が上の写真です。
確かに
似ているね。
以前の旗をシンプルに
した感じかな。
「日の丸」です。
大日本帝国の国旗「旭日旗」と現代の日本の「日の丸」は、類似性があります。
いずれも「太陽」を示しますが、「旭日旗」は「日出る国」のイメージが非常に強いデザインです。
太陽が昇ってきて、パアーっと太陽の光が四方八方に飛んで行くイメージです。

「新しい国家となり、欧米列強と伍する存在へ!」という明治維新の気概が非常に表れています。
上の「ある国」とは大日本帝国、かつての日本です。

120年前の1903年の日本を取り巻く状況は、非常に厳しいものでした。
もはやロシアとの戦争は
避けられないのでは・・・
しかし、ロシア相手に
勝てるの?
それは誰が
考えても難しい・・・
ロシアと大日本帝国では、
国力・戦力が違いすぎる・・・
という状況だった日本。
日露戦争は「過去の出来事」ですが、現代とも大きくつながる出来事です。
上記のような戦力・国力比較をもとに、出題される可能性はあるので、復習しておきましょう。
戦争という非常にセンシティブな内容だけに、出題はされにくいと思います。
上のような内容は「現代と歴史の接点」という意味では、大事なことなので、知っておくと良いでしょう。