前回は「歴史の流れを知って、知識・記述問題対策しよう〜徳川幕府から新政府へ 3(廃藩置県の実態)〜」でした。
今回は日露戦争です。
近年、ロシアの動きが活発化しているので「日露関係を振り返る」問題として出題される可能性があります。
文章題として出る可能性はあるので、余話としてご覧ください。
20世紀初頭のロシアは中国や日本などの極東地域への進出を目論み、1891年にシベリア鉄道を着工します。

そしてこの10年前の日清戦争では、日本に苦い思い出があります。
1894年に朝鮮半島をめぐり日本と清国(中国)が衝突しました。
当時欧米から「眠れる獅子」と言われた清国に日本は快勝します。

下関条約を締結し、遼東半島を中国から日本へ割譲することが決まります
しかし、この地域への進出する意思を露骨に出していたロシア。
ロシア主導で、フランス・ドイツと一緒になって三国干渉を日本に行い、遼東半島割譲撤回を日本に求めます。
条約は日清間の事柄で、ロシア・フランス・ドイツはいずれも「関係ない」のです。
しかし、列強の圧力に屈した日本は三国干渉を受け入れ、遼東半島を返還します。
あべこべにロシアは旅順等に進出します。
三国干渉は、古来からの大国ロシアから、日本へのメッセージでもありました。

中国東北部へ進出するのは
我がロシアだ!
新興国の日本は引っ込んでろ!
条約で日本側全権であった伊藤博文内閣総理大臣、陸奥宗光外務大臣たちからすると苦渋の決断でした。



関係ないのに、いきなり出てきてなんなんだ!
悔しいが、我が日本はロシアと事を構える力はない・・・・・


その後、朝鮮半島・中国をめぐり、日本とロシアは衝突必至です。
しかし、ロシアと日本では「格が違う」ほど国力が違いました。
ロシアは日本に対して、兵力・軍備は5倍〜10倍で資金力も豊富です。



ロシアに勝てるはずがないだろう!
衝突必死ですが、ロシアとの戦争に反対の急先鋒は、政界最重鎮の伊藤博文。



だから、不満ながらも、三国干渉を受け入れたのだ


これに対して、児玉源太郎は反論します。



これから益々シベリア鉄道が強化される。
そして、極東地域にロシア軍がどんどん来るようになる。
そうなる前に戦うべき。
今なら勝てる可能性が、ほんの僅かでもある。
このタイミングを逃すと、ロシアには絶対に勝てなくなる。
反対派の伊藤らに強硬に主張します。


「ロシアに勝てるわけがない」と考えるのが多数の日本政府。
紆余曲折を経て、日本政府は「ロシアとの開戦やむなし」と決断します。
その直後、伊藤博文は明治天皇に呼び出されます。

