記述問題への対策〜コツ・勉強法と練習〜|中学受験の算数・理科・社会・国語

前回は「記述問題への対策〜「書けない」・苦手を克服〜」の話でした。

多くの方が「難しい」と感じる記述問題。

「難しい」と感じるのは、むしろ当然なのです。

「自分で書く」というのは、大変難しいことなのです。

「曲を作曲する」とか「建物を設計する」のは、ある程度の専門家でなければ出来ないでしょう。

しかし、「文章を書く」は誰でもできそうです。

とりあえず、日本人であって、日本語を適切に理解している小学校六年生の皆さんなら「書けるはず」です。

でも、「文章を書く」のは意外と難しいことなのです。

皆さんが色々な本を読む時、「ここはこうしたら、もっと良いと思う」と感じることはありませんか。

そういうことはあったよ。
「僕なら、こう書くかな」とか。

私も、好きな童話を読んで、
そういう風に感じたことがある。

「ある文章」に対して、「こうしたら良いのでは」と考えることは比較的容易です。

しかし、「その文章を一から書く」となるとどうでしょうか。

それは無理!

とても、出来ないわ。

なんでも「少し変更する」のは簡単でも、「最初から作る」のはとても大変なのです。

「まっさらな紙に自由に描いて・書いて下さい。」と言われたら、誰しも戸惑うのです。

記述に関しては、様々な勉強法やコツが提唱されています。

それらの勉強法も良いかと思いますが、直前期の今はノウハウ・勉強法に頼るよりも実践しましょう。

中学〜大学受験に関しては、実に様々な書籍・動画などの教材があります。

ネット社会となった今、あまりに情報が多すぎて受験生は、

どれをやったら
良いのだろう・・・

と途方に暮れてしまうのは、「誰しも同じ」でしょう。

図形問題でも、てんびん算でも「コツ・勉強法」があります。

特に図形問題では、「どのような補助線が良いのか?」という議論になりがちです。

そして、「この補助線を引くことが、問題解決の突破口」みたいに言われると、

この補助線に気づかなければ、
解けない。

と感じてしまいます。

そうだわ。
どうやったら、あの補助線に気づくのか、悩む。

確かに「良い補助線」や「考えやすい補助線」があり、「あまり効果がない補助線」もあります。

僕も中学受験生の時、僕より遥かに算数が得意な方々を見て、

どうやったら、この補助線に
気づくんだろう・・・

と思い悩んだ経験があります。

ですから、その気持ちはよく分かります。

この図形の補助線に関しては、「この補助線に気づくコツ」などよりも、「補助線を引いて考えてみる」のが良いです。

そして、「なぜ、この補助線の方が効果的なのか」を考えてみましょう。

直前期は、ノウハウ・勉強法に頼るよりも、ある程度「自分が学んできた型」を強化する方が良いでしょう。

記述問題の勉強法とコツの話に戻りましょう。

記述問題の採点基準は、「多くは出題者次第」である話を前回しました。

麻布中の移民問題がありましたが、移民問題に関して十分に知っている小学生は少ないでしょう。

そもそも、大人だって「よく知らない」ことなのです。

陸続きの欧州やアメリカ大陸と全く異なり、島国の日本。

日本人にとっては「移民」というのが、なかなか実感できないのです。

そこで、難しく考えずに、「自分が移民だったらどうするか、どんな気持ちか」を考えてみましょう。

難しいよ・・・

仮に、日本から脱出して米国に移民としてゆくとしましょう。

まず困ることはなんでしょう。

英語が分からない・・・

今は、翻訳機などがあるので便利ですが、やはり言語の障害は大きいです。

そして、風習・文化・食事などの違いの影響も極めて大きいでしょう。

さらに、「移民」ということは「当面、自分の立場が不明確」なのです。

これは、本人にとっては、非常に厳しい事態です。

そんな事態になったら、
すごく困りそう。

自分が移民だったら、
まず、どこに住むの?

みなさんは普通に「住む家」がありますが、移民は「住む家」にまず困ります。

知人や親戚が一時的に泊めてくれるかもしれませんが、各国は自国の居住者を管理しています。

しっかり管理しないと、犯罪など思わぬことが発生するかもしれないからです。

自分が移民だったら、
困ることがたくさんあるね。

親戚や知り合いが
いなかったら、とっても大変・・・

歴史など「知っていること」を元に記述で書くときは、ある程度の知識が必要です。

「年号並び替え・記述問題 6」では、「守護・地頭」に関して基本的知識がなければ答えられません。

これに対して、時事問題の記述では、ニュースや新聞でなんらかのことはご存じでしょう。

知っていることと、
知らないことがあるよ。

時事問題などの記述では「知っていることを元に」という場合があります。

出題者は、「知っていることを元に」として「答えやすくしている」のです。

そういう時、「知っていること」がなかったら、どうですか?

何も書けない・・・

そう考えるのが、普通だと思います。

じゃ、どうするの?

「知っていること」がもしなかったら、「知っていること」を自分で考えてみましょう。

でも、考えて間違っていたら、
どうするの?

世の中のことは「報道されていることが全てではない」のです。

新聞やニュースで「知っていること」があれば、それを書けば良いでしょう。

もし、「知っていること」がない場合は、「こういうことが考えられる」と思うことを書いてみましょう。

間違っているかもしれないから、
それがちょっと・・・

誰しも「間違ったら嫌」なのですが、「知らなかった」けど「考えて書いたこと」が「合っている」可能性もあります。

あまり考え過ぎずに、「知っていること」でも「考えたこと」「感じたこと」でも書いてみましょう。

そういう積極的姿勢が、記述問題では最も大事なことだと思います。

新教育紀行

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