記述問題の対策・コツと積極的な気持ち〜記述問題の「良い文章」とは何か・記述を「勉強する」とは考えない姿勢〜|記述への積極的姿勢1・中学受験

前回は「算数・理科の記述のコツと勉強法〜思考の流れを表現・メモ書きでも走り書きでも書く・採点者が考えていること・「書くこと」に慣れる姿勢〜」の話でした。

目次

記述問題の「良い文章」とは何か

新教育紀行
公園の桜(新教育紀行)

答えだけなら分かるけど、
記述は、取り組みづらい・・・

覚えたり、算数の解き方を勉強するのは
わかりやすいけど・・・

記述は、そもそも
どのように学んだらよいか分からない・・・

記述に対しては、様々な意見があり、どちらかというと「苦手に感じる」方が多いです。

それは、「試験で高得点を取る」視点に立つとき、

どうやったら、どう書いたら
良い点数をもらえるんだろう・・・

「点数をつけられる」受験生の立場を考えれば、このように考える気持ちはよく分かります。

この「どういう文章が良いか」と悩むのは、中学受験生だけではなく、大学受験生も同じでしょう。

あるいは、社会人にとっても「良い文章を書く」のは非常に難しいのです。

普通の人が書く文章と作家・ライターの方が書く文章では、全然違います。

この「全然レベルが違う」のは「読めば分かる」のですが、「良い文章とは何か」は難しい問いです。

この社会人・大人でも分からない「良い文章」を、中学受験生が追い求める必要はないでしょう。

記述問題の対策・コツと積極的な気持ち

富嶽三十六景:葛飾北斎(Wikipedia)

上手な・伝わりやすい文章はコツがあるかと思います。

そのコツを
知りたいんだけど・・・

何事もコツ・ポイント・ノウハウはありますが、「上手な文章」は中学受験では求めてないでしょう。

それよりも「小学生らしい文章が求められている」と考えます。

「浮世絵」に関する記述問題を具体的に考えてみました。

記述問題では、問題の文章が比較的長い傾向があります。

確かに、記述問題の文章って、
独特な感じで結構長いことが多いね・・・

「記述問題を課す」学校の先生は「記述が好き」な方です。

もし、「記述が嫌い」だったら、問題を作ることも採点することも「大きな負担」となります。

さらに、記述問題は学校のカラーが強く反映されるので、

我が校に入学する人には、
こういう問題に対して、しっかり書けてほしい・・・

と考えて、「記述が好き」だから記述問題を作っているのです。

比較的長い問題の文章は、担当の先生が練りに練った文章のはずです。

最初、問題作成の先生が文章を書くと、「書くのが好き」なので、

こう言うことも
書いてみたいな・・・

おっと、この視点も
面白そうだぞ・・・

こんな感じで、自分の専門分野周辺の事柄が次々に盛り込まれてゆき、

ちょっと、文章が長すぎるし、
多岐に渡り過ぎかな・・・

もうちょっと、
文章を整理して、問題を考えてみようか・・・

こんな感じで、一生懸命作成していると考えます。

そこで、過去問の記述問題も積極的な気持ちで、楽しみながら解きましょう。

こういう視点も
あるんだ・・・

ふ〜ん、
面白いな・・・

という感じで、問題文を読んでみて、「一つのまとめ」として学ぶ姿勢が良いでしょう。

記述問題攻略法

・出題された文章を「こういう視点もあるんだ」と楽しく読む

・自分の歴史・地理などの勉強の「一つのまとめ」として学ぶ

記述を「勉強する」とは考えない姿勢

新教育紀行
反射炉跡(仙巌園)(新教育紀行)

「明白な答えがない」社会などの記述式問題で、「勉強する」とは考えない方が良いでしょう。

えっ、なんで?
「勉強」じゃん!

受験生である以上、机に座ったら、

さあ、
勉強だ!

と力む気持ちは分かりますが、記述は「勉強して高得点取ろう!」と考え過ぎない方が良いでしょう。

記述を
勉強する!

記述を
理解して、点数を上げる!

よりも「まずは自分の感じたことを素直に書いてみよう!」と考えましょう。

「小学生らしい素直な姿勢」です。

記述問題のポイント

・問題文からキーワードを拾う

・問題文のテーマとキーワードを軸に考える

まずは、問題文からキーワードを拾って、それを軸に考えてみましょう。

キーワードなら、
分かりそうだね!

キーワードは、自然と何度も登場する傾向があります。

そこで、

ああ、これは、
これに関して、話を展開しているな・・・

と感じたら、そのキーワードを丸や下線でマークしましょう。

丸と下線の
どっちがいいのかな?

記述でも答え・選択問題でも、問題文に対しては、自分なりに何か書き込むと良いでしょう。

塾で教わった方法でも良いですし、自己流でも良いでしょう。

問題文のキーワード(一例)

・キーワード:丸で囲む

・キーワードに関する文や言葉:下線を引く

上の「丸と下線」は一例ですが、自分なりが一番良いでしょう。

問題文に対して、このように「何か能動的に取り組む」と文章がよく分かるようになるでしょう。

そして、「自分なりに素直な文章」を書いてみましょう。

その素直な文章は、ひょっとすると良い点がつくかもしれません。

塾や過去問題集の記述式の解答は「解答例」として書かれています。

その解答例は、実際には「どの程度、適切か」は不透明です。

出題している教育・採点者が読んでみたら、

まあまあいいけど、
これでは満点は上げられないな・・・

かもしれません。

記述式試験は、大学生でも、大人でも答えるのが難しい試験である場合があります。

それを「あえて小学生のあなた達」に求める学校の「出題者の目的」を考えてみましょう。

最も大きな理由として、

暗記などの学力だけでなく、
考える力を持つ生徒が欲しい・・・

が考えられます。

さらに、そういう問題を出すことによる学校側のメッセージでもあります。

丸暗記や
ちょっとした応用力による学力よりも・・・

考える力を身につけるような勉強を
して入学して欲しい・・・

ということでしょう。

中学・高校の教員は「入学時の学力が高い子ども」よりも、

「当校の教育理念に適合し、
中学入学後伸びる生徒」に入学して欲しい!

と考えています。

「正しい答えに至る」ことを最優先する前に、「自分の感じたこと・考え」を素直に書いてみましょう。

そして書いているうちに、「書くこと」に積極的な気持ちになるのが最も良い「勉強」なのでしょう。

新教育紀行

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