前回は「中学校側が考えていることを想像して、合格への道をつくり出そう!1」の話でした。
点数が「各科目の単純合算でない場合もある」話でした。
同様なことは、他の学部や大学もやっているかも知れないと思います。
「合格最低点」は公表され、それぞれの点数が明らかにされ、それによって合格・不合格が決まっています。
その場合は、「点数を補正」しているのでしょう。

入学試験は「学校が採用したい人を決めるため」の試験であり、試験を作っているのは学校で、試験の点数を決めるのは学校側の責任かと思います。
模試は「受験生の学力を測定する」と「学力偏差値に置き換えて、合格判定を出すための試験」です。
この二つの試験は、似ているようで全く異なるものです。
試験の点数が「飛び抜けたところ・非常に優れた才能が認められる」と加点されることは点数の単純合算だけではなく、それぞれの学校が考える「学生に対する理念」に適合する学生を「合格としたい」「入学して欲しい」と考えているでしょう。

各学校の「偏差値」があります。
偏差値は「その学校の難易度の具体的な数値」とも言えます。
「同じ試験」におけるお子様の成績もまた偏差値という「具体的数値」となります。
その数値同士を比較して「合格の可能性=判定」が出てきます。
この「偏差値=具体的数値」というのは「受けた試験」に対する数値であることです。
1. その試験が志望校の入試のカラーに適合しているか
2. 採点の仕方が志望校・特にカラーの強い有名校の採点の方法に適合しているか
の二点が適合していなければ、偏差値の意味合いは小さくなります。
1は、志望校型模試で各塾が研究を尽くして、ある程度整合性があるでしょう。
2は各校極秘の内容で、各塾は「推定する」しかありません。
推定ができるとしても、1のように「入試にほぼ近づける」のは、ほぼ無理なことです。
模試の採点は多くの方が行いますので、「同一の採点・審査基準」を採用するとなると、どうしても「学校ならではのカラー」は出せません。
政治や経済、あるいは実社会において、数字は「一人歩きしやすい」ものです。
ひょっとすると、目前の「数値=偏差値」はあまり意味がない数字かもしれません。
親御様が「この偏差値と判定は、我が子にとって、どのような意味があるのか?」を冷静に判断しましょう。
「模試の偏差値が入試本番の結果と異なる」理由には多くの理由が考えられますが、このことも原因の一つであります。
「偏差値を上げる」よりも大事なこと。
それは、お子様を「志望校に合格させる」ことをより深く考えることでしょう。