前回は「速さの話 2〜具体的イメージ〜」の話でした。

歩く・走る速さと電車の速さを秒速で考えて、「だいたいの計算」をしてみました。
自動車の速さ
電車の最高速度は結構早いです。
街中の車の速さは大体40km/h程度ですから、車の速さの2倍くらいです。

自動車が高速道路を走るときは、走るルートの制限速度によりますが、規制最高速度は最大100km/hです。
首都高速道路(首都高)はルートによって、規制最高速度が細かく設定されています。

首都高速道路は、都心部で概ね規制最高速度60km/h(上の図で青色ルート)です。
皇居付近の東京の中心部では、規制最高速度50km/h(上の図でピンクルート)となります。
さらにジャンクション付近では、規制最高速度40km/h(上の図で黄色ルート)となるルートもあります。
この速度を超えると、原則として「スピード違反」となり、罰金等の対象となります。
最高速度60km/h以下で、「高速道路なのか」という議論はあります。
首都高は複雑な道路でサーキット場のような箇所もあります。
そのため、「80km/h程度で走るには、一定以上の技量が必要」な道路です。
そのため、この「高速道路らしからぬ制限速度」もまた仕方ないでしょう。
在来線と新幹線
在来線の電車の速さを考えてみたので、新幹線の速さを考えてみましょう。
1964年の東京オリンピックの開会式に合わせて開業した新幹線。

今年(2023年)で約60年の歴史があります。

風の抵抗を弱めるためでもある優美な流線形のデザインは、子どもも大人も好きです。
新幹線の速さ

新幹線の最高速度(速さ)は、走る路線や新幹線の種類によります。
最も早い最高速度である東北新幹線「はやぶさ」の最高速度を考えてみましょう。
どのくらいの最高速度が出るでしょうか。
少し、イメージして考えてみましょう。
最高速度200km/は、
超えるよね。
最高速度300km/h
くらい?
新幹線の最高速度の秒速
新幹線「はやぶさ」の最高時速は約320km/hです。

速いね!
新幹線も時速だけではなく、秒速も考えてみましょう。
このように様々な計算をするときは、「ただ計算する」のではなく比較するようにしてみましょう。

「約320km/h=約80km/hの4倍」なので、在来線の最高速度「秒速:約22m/s」の4倍です。
そこで、22×4=88を計算すると、新幹線「はやぶさ」の最高速度「秒速:約88m/s」が分かります。
比較すると、
パッと出るね。
何度も細かい計算するより、
楽だし早い!
新幹線「はやぶさ」の速さをイメージ
とても早い新幹線「はやぶさ」の速さを身近にイメージしてみましょう。
最高速度「秒速:約88m/s」ということは、「1秒間で約100m走る」ことになります。
88mと100mでは、
だいぶ違うよ。
100/88=1.13だから、
1.1倍以上違うけど・・・
理科・サイエンスでは、厳密に考えることも大事です。
一方で、「だいたいどのくらい」というイメージを持つことも大事です。
「イメージする」ときは「だいたい、このくらい」という感じで考えてみましょう。

最高速度「秒速:約88m/s」は、校庭の100mトラックを1秒間でパッと走り切る速さです。
とっても
速いね。
こうして考えると、
新幹線の速さがイメージできる。
小さく・細かくして考えてみる

「時速320km/h」は数字では分かりますが、実感としては、なかなかイメージしにくいです。
それを「秒速88m/s」=「1秒間で約100m移動する」と考えると、イメージしやすくなります。
このように「小さな単位で考える」や「小さくする」「細かくする」と分かりやすいこともあります。
身近なことなど、色々と考えてみましょう。