前回は「算数実践 27 〜問題 9(整数)・硬貨の問題〜」の話でした。
今回は解き方です。
問題 9(再掲載)

解法A
入れ替える問題は、問題3でもありました。
わかりにくい時は、「枚数を逆にしたらどうなるのかな?」と実験してみましょう。
例えば、「10円玉10枚、50円玉20枚」だとしたら、合計1100円で、逆にしたら700円になります。
400円下がりますが、この計算の過程で「枚数の違いが問題」と気づきます。
実験する時は、暗算でも出来るくらい「簡単な数字」でやりましょう。
同じ枚数の10枚は関係なくて、20-10=10枚の違いが、「枚数を逆にした時の金額の違い」を生み出します。
今回は3種類の硬貨があり、逆にするパターンは3種類あります。

上記の通り、あ〜うでそれぞれ逆にした時の差が出ます。
ここからどう考えるか、です。
問題では4,260円から3,900円に変わったので「違い=差」を考えましょう。

差は「入れ替えた1枚あたり金額の差」の倍数になるはずですから、3パターンから2パターンに絞られます。
整数問題では、すぐに①などの未知数を置かないで、倍数や約数を考えましょう。
ここからどう1パターンに絞るかわかりません。
わからない時は、とりあえず①など未知数を設置してみましょう。

とりあえず、二つの場合で、各枚数が出てきました。
さあ、ここからは何がポイントでしょうか?
使ってない問題の条件はありませんか?
ありました。
「間違えた二種類ではない硬貨の枚数=奇数」です。
ここで、「あっ」と気づきます。
奇数は一つに絞られます。

穴埋め式だったら、「こっちだ!」と余白に○を書いて進めます。
記述式の場合もきちんと文章にせず、下記のように簡潔に表現しても良いでしょう。

「偶数-偶数=偶数」「奇数-偶数=奇数」と書くと丁寧で、採点者は「分かってるね」と感じてくれます。
「わかっていること」は走り書きでも、メモの形式でも良いですから、書きましょう。
ここまで来たら、あとは立式しましょう。

整数問題は差を考える
合計で4,260円、二種類入れ替えたら3,900円など「比較的大きな数字」が出てきている時は、差をとってみましょう。
整数問題で、和・差を取ることは本質的なことで、なんらかの特徴が出てきます。
この場合、4260-3900=360を考えると、考える対象が一桁小さくなるのが大事で、ずいぶん扱いやすくなります。
これで非常に問題が考えやすくなります。
そして、問題3と本問のように、「入れ替えたら」という問題が出たら、「あっ、差が大事!」と気づくようにしましょう。
いくつか整数問題取り上げましたが、これで大抵の整数問題は解けると思います。
「整数問題→倍数・約数・和・差を考える」をきちんと頭に入れておきましょう!