前回は「算数実践 5 〜問題 3(整数)〜」でした。
問題3(再掲載)
10g、20g、50gのおもりが合計50個あり、合計の重さは1570gです。
10gと50gのおもりの数を入れ替えたら、合計の重さは1210gになります。
それぞれのおもりの数はいくつずつか答えて下さい。(オリジナル問題)
実験する
分からないものが二つだと取り掛かりやすいですが、3つ以上になると、難易度が上がりますね。
少し手が止まるかもしれません。
すぐにパッと解く鍵が見つかる場合は良いですが、悩むときは自分で簡単な場合をつくって、考えてみましょう。
いわば、実験してみるのです。
10gと50gのおもりを入れ替えることがポイントなので、この二つだけ考えましょう。
例えば「10g:10個、50g:15個→850g」となります。
入れ替えると「10g:15個、50g:10個→650g」です。
200g減りました。
「数を入れ替えると言っても、共通する数(この場合10個)は影響がないな」と気付きます。
差の200gは50gと10gのおもりの差の40gが関わっていそうです。
ここで、「あっ、そうか」と気付きます。
実験する時は、暗算で出来るくらいな簡単な設定にしましょう。
よく分からない文章題や数列に出会った時、「実験してみる」のは本質的で、難問では有効な場合が多いです。
まずは状況をしっかり把握することから始まります。
解法に行く前に「試験において」の話です。
試験において
実際の試験において、上記のようなメモは問題文の余白にすることが多いでしょう。
答案用紙でやっても良いと思います。
例えば、答案用紙に下記のように簡単に書いてみましょう。

ここで実験したら、本題に入っても良いのです。
綺麗に描かなくても、走り書きでも良いのです。
「余計なことを書いたら減点されるのでは」と懸念される方がいらっしゃるかもしれません。
採点者の判断によりますが、記述式の問題では減点はしないと考えます。
不安でしたら、下記のように[ ]で閉じたり「草案ですよ」というマークをしても良いでしょう。

どんな問題でも、解法のポイントがあります。
「大事なこと・ポイントに気づくこと」は「きちんと解答に辿り着くこと」の大きな部分を占めると言えます。
大事なことに気づけば、ある程度の点数はもらえるでしょう。
大抵は、これらのメモを答案は試験用紙の余白に書きます。
記述式試験の場合、余白でなく小さく答案の端にちょっと書く感じでも良いでしょう。
「本題の答案を書く場所がなくなってしまった」とならないようにしましょう。
解法がすぐに思いつけば、すぐに本題の解法に入れば良いでしょう。
答案用紙に書くことの意味は、採点者に「一生懸命考えています」とアピールすることです。
大学生の時、塾のクラス分け試験やテストゼミの数学の採点をしたことがあります。
記述式の場合、必ず部分点があります。
部分点は「ここまで出来たら〜点」みたいな基準がありますが、採点者の裁量で多少は上下します。
そうすると、やはり「頑張ってポイントに気付こうとしている人」には点を上げたくなるのが人情です。
上記のような、メモがあるだけの答案を見た採点者はどう感じるでしょうか。
大事なことに気付こうと努力している姿は微笑ましいでしょう。
「あっ、ポイントに気付きかけているな。」と思えば、1点か2点、場合によってはもう少し点を上げることがあるでしょう。
白紙答案であれば、0点をつけるしか方法はないのです。
「解く何らかのキッカケを探そうと努力して、気付きかけている」ことをアピールする事は大事です。
特に、時間制限のある試験では大きな意味のある事だと思います。
解法A
先ほどの「実験」で、大事な事に気づきました。
総重量が減ることは「50gのおもりの方が多く」「差の40gがその差を生む」事です。
問題3では総重量が360g減少し、その原因は一つあたり50-10=40gですから、360/40=9個 50gのおもりが多いです。
これで、だいぶ見えて来ました。
分からない10gのおもりの数を①とおいて、下記の通り10gのおもり15個と分かります。
答えは、10g:15個、20g:11個 50g:24個です。

最初の「360gの差」が問題の本質的部分ですが、その後は少し違った見方が出来ます。
近々お知らせしますので、少し考えてみて下さい。
ヒントは「平均」です。