前回は「算数実践 28 〜問題 9(整数)解き方・奇数と偶数〜」の話でした。
今回は解き方Bです。
問題 9(再掲載)

解法B
少し異なる視点で考えてみましょう。
途中まで前回と同一で、「あ、い」の2パターンに絞られます。

前回はここから未知数を設置して解きましたが、未知数を設置しないで解いてみましょう。
以前、問題3の解法で、二つのおもりの平均をとって「まとめる」解法をご案内しました。
同様な考え方で、いの場合から考えます。
棒グラフを書きます。
この時、「100円玉の方が10円玉より4枚多い」以外に、50円玉の枚数がわかりません。
「棒の長さをどうするか?」を考えてしまうかもしれませんが、わからないので、適当な長さで良いです。
時には「適当に考えて進む」事も大事です。
分かりやすくするように、「差の4枚」をカットして、枚数と総額を減らします。

前回同様に、「10円玉と100円玉の個数が同一」になったので、これらの平均をとれば、一つにまとめられます。

55円玉はありませんが、10円玉と100円玉の分が、55円にまとめられました。
対象が3つから2つになると、あとは鶴亀算です。

50円玉が31枚と分かり、確かに奇数ですからOKです。
すると、55円は残り42枚ですから、10円玉は21枚となりますね。
3つあると考えるのが難しいです。
このように「平均をとる」ことで、「2つを1つにまとめる」ことは非常に本質的な考え方です。
同様に、あを考えましょう。

あの場合、鶴亀算で考えると「整数であるべき枚数」が整数になりませんから、ここでxとなります。
結果的には、「入れ替えていない硬貨の枚数が奇数」は条件としてなくても、解けることになります。
これは、僕が前回の解法のように考えて、奇数か偶数かを考えた結果でした。
前回の考え方も大事ですから、押さえておきましょう。
平均を考えること
平均を取ることで、「2つ以上の対象をまとめる」考え方は非常に有効だと思います。
前回の解法のように「未知数を設定する」ことは、整数問題では決定打にはなりにくい場合が多いです。
そのため、この解法Bの方が良い面があります。
問題3でも書きましたが、対象が2つであれば易しいのです。
しかし、対象が2つから3つになると「変化するものが3つ」となり、途端に扱いづらくなります。
「平均を考える」ことは対象を絞ることになり、スッと解きやすくなる場合が多いです。
例えば「1から10の整数の和」を考える時、
最初の1と最後の10の
平均は5.5だから、
5.5を個数分10かけて、
5.5×10=55
と考える時も使います。
整数問題に限らず、「まとめられないかな」と平均を取るのは、効果的な場合が多いので、お勧めします。