独自試験による「校風に合う生徒」選抜のメリット〜東京大学入学試験における推薦入試・東京大学における異常に低い女子の割合〜|中学入試と中学高校の教育2・中学受験

前回は「独自の入試問題と学校独自の採点基準〜「独自の試験方法」の学校と「大学合格者ランキング」・筆記試験主体の日本の大学受験と各中学高校の考え〜」の話でした。

目次

独自試験による「校風に合う生徒」選抜のメリット

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

特に2000年代以降から、「多様性の大事さ」が言われるようになりました。

そして、近年は中学入試においても「単なる筆記試験ではない独自試験」で選抜する学校が増えています。

ところが、そうした「独自試験」を課す学校には、いわゆる「大学進学実績ランキング上位校」は少ないです。

大学進学実績ランキング上位校が、カラー・独自性ある中学入試試験を実施しない理由。

それは、大学進学実績と大学受験の試験内容によるのでしょう。

「独自試験を課す」ことは、採点方法も「独自基準」となるでしょう。

そして、より「校風に合う生徒」が選抜できます。

それは、学校側にとっても、生徒側にとっても非常に好ましいことだと考えます。

大学にも様々なカラーや特色があって、全然違いますが、大学生の時は個性は確立されています。

それに対して、思春期を迎える中学生・高校生が長い時間過ごす中学校・高校。

僕はA中学の雰囲気が
いいな!

と受験生の頃、A中学入学を熱望していて、いざ合格できたのに、

ちょっと思っていた雰囲気と
違うけど・・・

と感じるようになることは、本人にとっては好ましいことではないでしょう。

この意味では、「独自試験と独自の採点基準による選抜」が増えることを期待したいと思います。

東京大学入学試験における推薦入試

新教育紀行
東京大学(Wikipedia)

大学受験では推薦入試が増えてきています。

東京大学で推薦入試が実施されたのは、2016年からです。

推薦入試創設のきっかけは、後期入試の廃止でした。

この時、同大学は「学部学生の多様化を図る」のが目的と話しています。

後期試験廃止は良い方向で、筆記試験ばかり何度もやるよりも異なる選抜方法が良いでしょう。

ところが、推薦入試合格者数が全体に占める人数は、3%に満たないです。

この人数は、「もともとが後期入試枠」であることが、その理由です。

この人数をもう少し増やして、推薦入試合格者数を10〜20%にすれば、大学受験は変わると考えます。

2022年度の推薦入試合格者数88名中、女子は38名で、占める割合は43.2%となりました。

これは大変好ましい状況と考えます。

東京大学における異常に低い女子の割合

新教育紀行
空と雲(新教育紀行)

実は東京大学では、昔から女子が20%を下回る状況が続いています。

威人紀行で取り上げた山崎直子さんも、「非常に女子が少ない」状況に驚いた話をしています。

なんで、こんなに女性が
少ないのかな?

この事実は、東大に入学した後に男女共に感じる「強烈な違和感」です。

違和感を感じるのは女子だけではありません。

異常に少ない女子の数に対して、男子生徒は、

いくらなんでも、
もう少し女子が増えて欲しい・・・

と感じるのが当然であり、特に中高男子校から入学した男子は、

一生懸命勉強して、
久しぶりに共学なのにさ・・・

なあ、ガッカリだよな・・・
大学ってもっと女の子が多いんじゃないの?

と感じるでしょう。

海外のハーバード大学・ケンブリッジ大学などの大学では、学生における女子の比率は50%程度です。

これは、海外の方から考えれば「当然のこと」でしょう。

人間の半分は
女性だからね。

対する東大などの、20%を下回る女子率。

えっ?
なんで?

海外の方から見れば、日本国内大学の状況が「異常」なのでしょう。

東京大学も「男女共同参画室」などで、しきりに女子の東大受験を推進しています。

ところが、ほとんど状況は変わりません。

「男女共同参画室」が「女子の比率アップ」を推進している以上、その達成は同大にとっては悲願です。

推薦入試枠での「女子率の高さ」は同大の方針でしょう。

それによって、「合格基準に多少の差異」が生じていると考えます。

それは「大学ごとの判断」であると考えます。

東大等の大学における、非常に低い女子率。

この状況は、どう考えても異常で、不健全です。

科類女子比率(%)
文科I類30.5
文科II類20.4
文科III類40.6
理科I類8.3
理科II類27.1
理科III類24.7
全体22.3
東京大学の各科類合格者の女子比率(2023年)(Y-SAPIX)

「男女共同参画室」が、

東大の女子率を
上げたい!

と言っても、ここ30年大きな変化がないのですから、今後も大きくは変わらないでしょう。

そして、日本では少子化が異常な速度で進行し、人口がどんどん減少してゆきます。

この異常で不健全な状況を変えるためにも、「推薦入試枠の拡大」は一つの選択肢でしょう。

試験の方法を大きく変えることも、選択肢に入るでしょう。

それは大学受験業界に大きな変化を与え、中学受験の状況も大きく変わると考えます。

次回は、中学受験の方向性を考えます。

次回は下記リンクです。

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