日本で2人目の女性宇宙飛行士・山崎直子〜道を切り拓いた理系女子の鑑・「女の子だから」の遠慮はナシ・異常に女性が少ない東大理I・大切なチームワーク・自衛隊の父から学んだ協調性〜|山崎直子1・学生時代・人物像

前回は「医師の道から大政治家になった後藤新平〜予防の未来を切り開く・「銃弾・砲弾より怖い」伝染病・児玉源太郎との名コンビ誕生へ・西南戦争から日清戦争へ〜」の話でした。

宇宙飛行士 山崎 直子(Wikipedia)
目次

日本で2人目の女性宇宙飛行士・山崎直子:道を切り拓いた理系女子の鑑

「宇宙飛行士になる勉強法」山崎直子著 中公文庫

威人紀行4人目は、宇宙飛行士 山崎直子さんです。

威人紀行初の女性です。

現役バリバリの方をご紹介したいと考え、山崎さんが一番良いと思いました。

多くの方がご存じかと思いますが、向井千秋さんに続き、日本で2人目の女性宇宙飛行士です。

東京大学理科一類から、東大工学部航空宇宙工学専攻へ進んだ才媛の山崎直子さん。

専門は異なりますが同じ「理科I類→工学部」の僕から見ると正に「直属の大先輩」です。

大先輩なだけに、ちょっと語りにくい面がありますが、彼女の本を参考に僕なりにご紹介します。

ここからは、山崎と呼ばせていただきます。

実は、女性を呼び捨てにするのは本意ではないのです。

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明治維新の立役者たち:左上から時計回りに木戸孝允、岩倉具視、大久保利通、西郷隆盛(国立国会図書館)

一方で、歴史上の大人物に対して

織田(信長)さんが
〜年に〜して・・・

大久保(利通)さんは、
〜の後に〜して・・・

とは言わないです。

そこで、「歴史上の大人物と同格」という意味において、山崎さんを「山崎」と呼んで、以下ご紹介します。

「女の子だから」の遠慮はナシ:異常に女性が少ない東大理I

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1970年の大阪万博(Wikipedia)

1970年生まれの山崎。

この年は、大阪万博がありました。

高度成長期を続ける日本が活気付いていた頃です。

地元の中学校から、高校受験でお茶の水女子大学附属高等学校(お茶高)へ進みます。

かなり有名なお茶高は、難易度がかなり高く、中学時代から優等生だったのでしょう。

タイトルは、上記の本に書いてあった内容です。

「私は女の子だから・・・・・」と遠慮する風潮が全くなかったのが「良かった」と言っています。

頑張ることは決して泥臭いことではなく、
楽しいことなんだ。

高校では硬式テニス部に入り、続いてジャズダンス同好会を友人と立ち上げて、活動しました。

この「女の子だから」は、いまだに日本では根強い意識があると考えます。

世界的に見て、女性の社会進出は日本は「まだまだ」のレベルです。

東大理Iで「女子が少なかった」話が紹介されています。

これは僕が大学生の時も、実感したことです。

なんで、
理Iはこんなに女の子が少ないの・・・

東大における女子率の最近のデータを見ても、大して変わっていません。

理Iは女子が多い2020年は10.0%、少ない2012年は5.5%です。

「多い時で10%」というのは、異常な状況です。

最近は少し増加傾向にあるので、山崎が学生だった1990年頃は、もっと少なかったでしょう。

この「少数派」の中で頑張る女子たちは、男子には分からない「数多くの苦労」があるでしょう。

全科類で比較すると「女子が異常に少ない」理I。

科類女子比率(%)
文科I類30.5
文科II類20.4
文科III類40.6
理科I類8.3
理科II類27.1
理科III類24.7
全体22.3
東京大学の各科類合格者の女子比率(2023年)(Y-SAPIX)

「数学・物理大好きなバリバリの理系女子」というのが、日本の風土と合わないのか、なぜなのか?

これはよく分からないですが、21世紀になってだいぶ経つ現在において大きな問題です。

2023年度で比較してみましょう。

最も多い文IIIの女子約40%、全体の女子約22%と比較して、際立って少ない理科I類の女子。

文IIIでは「男子3人に対して、女子2人」で比較的健全な状況です。

理Iでは「男子9人に対して、女子が1人以下」という以上事態です。

「日本的な女の子らしさ」を求められながらも、「数学や物理に励みたい」という心理的葛藤は、かなり大きいでしょう。

いくらなんでも、
もう少し女子が増えて欲しい・・・

一生懸命勉強して、
久しぶりに共学なのにさ・・・

なあ、ガッカリだよな・・・
ここは東大じゃなくて、東京男子大学か?

全くだ・・・
はぁ・・・

というのが、理I男子全員の「本音」でしたが、今もそうでしょう。

大切なチームワーク:自衛隊の父から学んだ協調性

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陸上自衛隊(Wikipedia)

宇宙飛行士の仕事は、
チームワーク!

他の職業は、なかなか想像できないことが多いです。

中でも、「宇宙飛行士」は「自分がなったら」という実感が湧かないです。

ですから、イメージしにくいのですが、山崎の言う通り「チームワークはすごく重要」なのでしょう。

そもそも、あの小さな空間で長期間一緒にいるためには「協調性」がなければ無理です。

人間誰しも「合う」「合わない」があります。

「合わない」人間と狭い空間で一緒にずっといることは、苦痛以外の何者でもないでしょう。

宇宙飛行士は、優秀で身体能力が高いだけでなく、協調性に非常に長けた方々だと思います。

自衛官の父から
学んだチームワーク!

陸上自衛隊第一空挺団の自衛官のお父様から、チームワークを学んだようです。

友人に自衛官がおらず、ご両親が自衛官という友人がいないため、少し遠く感じてしまう自衛官。

本当は、もっと身近に感じられるべき存在です。

自衛官という仕事は、本当に立派だと思います。

いわば命をかけて仕事に取り組んでいる方を「親として」間近で見てきた山崎。

小さい頃から、学ぶことが多々あったのでしょう。

次回は、どのように将来の方針を考え、勉強したかを考えてみます。

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