中学入試の新潮流と教育 1〜ペーパーテスト主体の日本の受験界・中高一貫校の大きな意義:お兄さんお姉さんと接すること・校風とカラーを鮮明に打ち出す学校たち・江戸川学園取手中学校〜|中学受験

前回は「中学校・高校という組織・期間〜思春期を過ごす場・空間・中学・高校受験=学校の「入口」と大学受験=学校の「出口」・「大学進学実績ランキング」と「中学受験のランキング」の強い相関性〜」の話でした。

目次

ペーパーテスト主体の日本の受験界

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日の丸:日本の国旗(Wikipedia)

長らく「ペーパーテストの能力だけで、学力を判断するのが良いのか?」という議論が続く日本。

僕が中高生だった30年ほど前も、この議論はありました。

その後、ゆとり教育が事実上失敗し、揺り戻しがあって、最近は大学共通テストの「記述式」も中止となりました。

そして、この30年間での大学受験における大きな変化は「推薦入試・AO入試の大きな広がり」です。

一般入試は試験内容など、中学〜大学受験は「たいして変わっていない」状況と考えます。

欧米、特に米国の大学は、入試に「エッセイを課す」のが有名です。

この「エッセイ」には、入試である以上「エッセイ対策」があります。

これに対してもまた「なんらかの対策する機関・塾」があるでしょう。

そういう「対策」が存在するとしても、「自分の意見を、自分の言葉で書く」ことは非常に大事なことです。

こういう「自ら人生を切り開く」姿勢を重視する体制が「教育の中にあるのか、ないのか」が大きな差です。

この30年間の「米国と日本の発展の著しい違い」にもつながっているように思います。

大学入試における大きな変化=「AO入試」「推薦入試」拡大の具体的成果は、少しずつ現れてきているのでしょう。

興味深い記事がありました。

記事によると首都圏の中学受験者数は、8年連続で増加を続けて昨年最多となり、5万1100名となりました。

少子化傾向が続く中、実質的な「中学受験する子の比率」は、かなりの勢いで伸びている状況です。

中高一貫校の大きな意義:お兄さん・お姉さんと接すること

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武蔵中学・高校内のすすぎ川(新教育紀行)

「中学入試するか、しないか」は、各家庭の考え方次第で、どちらでも良いと思います。

どちらでも良いのですが、僕は「中高一貫校が良い」と思います。

中学から高校の多感な成長する時期に、中高バラバラではなく「中高一貫」しかできないことがあります。

その頃に、少し歳の離れた「お兄さん・お姉さん」や「弟・妹」と接することは大きな意義があるでしょう。

そして、本人たちにとって非常に大きな経験になるからです。

それぞれの校風に合わせて、「中学生〜高校生の時にしかできないこと」を追求しているのでしょう。

様々な個性を持つ子どもたちが、様々なカラー・校風を持つ学校を志望して受験すること。

そして、その中から選抜されて、それぞれが目指すカラー・校風を持つ学校にゆくことは、とても良いことだと思います。

そして、様々な学校の中で成長してゆき、多様性が生まれてゆくのでしょう。

校風とカラーを鮮明に打ち出す学校たち:江戸川学園取手中学校

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空と雲(新教育紀行)

記事には、興味深いことが書かれており、中学入試において「新しい試み」を行う学校が、いくつか取り上げられています。

例えば、江戸川学園取手中学校・高校では2022年から英語を試験科目に加え、5科目にしました。

英語をよく理解して、
世界で活躍する人材を育てたい・・・

という学校側の意思が垣間見目ます。

「自ら人生を切り開く人物を育てたい」と、この学校側は考えているのでしょう。

英語導入には賛否両論あるかと思いますが、一つの試みとしては面白いことです。

「英語力と日本語力、どちらを重視すべきか」は、様々な意見があります。

この中、英語重視を鮮明に打ち出した江戸川学園取手中学校・高校。

これは非常に大事なことです。

教育の方針は考え方様々で「正しい答え」は存在しないでしょうし、また求めるものではないでしょう。

それぞれが「自分の、私たちの考え」を打ち出し、「それに共感する人たち」が加われば良いでしょう。

「明確に方針を打ち出す」ことは非常に大事です。

世界の中で、いつも

Japanは
何を考えているか分からない・・・

と言われる日本。

日本の首相の発言が海外報道に載ることは、ほとんどなく大抵「玉虫色」か「米国追従」です。

「当校は英語を重視しています」と「旗幟を鮮明にする」姿勢は、非常に大事です。

それは「単に英語重視」にとどまらず、「明確な方針を持つことの大事さ」を生徒たちが感じるでしょう。

「英語重視に共感する」方々は、このような学校を目指すのも良いでしょう。

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