小学校低学年の教育の方向性〜子どもたちの幅広い興味と学び・受験界で絶大な力を持つ偏差値・誤った偏差値の認識〜|中学受験と子どもの教育

前回は「偏差値と小学校低学年の教育〜低年齢化する中学受験の通塾開始学年・過熱化する中学受験界と小学生たち・小学校低学年の学びと本質的な学力・幅広い興味と好奇心〜」の話でした。

目次

小学校低学年の教育の方向性:子どもたちの幅広い興味と学び

新教育紀行
キンケシ(新教育紀行)

子どもが低学年の間は、「テストで点数を上げる」ことよりも幅広い興味を喚起するのが良いでしょう。

これ、
面白い!

僕が小さい頃にあったガチャガチャは、今や大変な人気です。

昔は、ガチャガチャと言ったら「小学生〜中学生の男子」でした。

ところが、今や大人や女性も、

これ、
かわいいね!

ガチャガチャを楽しむ時代になりました。

「たかがガチャガチャ」かもしれませんが、そこから学ぶことがあると考えます。

少子化にも関わらず、中学受験は過熱化の傾向が明確となり、入塾時期は低年齢化しています。

子どもはとにかく勉強させれば、ある程度のところまでは成績が上がることが多いです。

受験する場合、難関校〜最難関校合格に必要である「ある程度から先」も大事ですが、

早めに中学受験の
準備をする者が合格するのだ!

という考え方になるのが一般的です。

僕は中学受験をしましたが、小学校4年の12月から日曜教室に、週に一回通いました。

その後、G塾の講習会などに行った後に、小学校5年の2月に正式に通塾を開始しました。

つまり「前の年の6年生が受験する時期」から本格的に塾に通いました。

当時でも、「少し遅め」であったのは子どもなりに理解していたので、

頑張って、
周囲の子に追いつこう!

と考えたものです。

スタートを早くすれば、勉強は先に進む傾向が強いですが、「他の選択肢」をなくすことになります。

子どもにとって、「とにかくテスト」の勉強が良いかどうかは、様々な考えがあるでしょう。

受験界で絶大な力を持つ偏差値

偏差値は「母集団による」相対的な数値ですが、偏差値によって受験界は完全に序列化されます。

ところが、この「偏差値」が一人歩きして絶大な力を持っているのが現状です。

あたかも学力の「絶対評価」であるかのような「誤解」をもたらしているように感じます。

上の記事内では、「偏差値という数字で親が右往左往してしまう」ことを指摘しています。

うちの子の偏差値は
55だから、あまり高くない・・・

偏差値60の子と偏差値55の子を比較するとき、明確に「偏差値60の子の方が上」となります。

「低学年と高学年の偏差値は別」という話があり、それはその通りだと思います。

小学校2年生の子どもの「偏差値が50なのか60」なのか、というのは大して重要ではないでしょう。

むしろ小学校2年生は「全く重要ではない」のです。

小学校低学年での偏差値は「ほとんど意味がない」と言っても良いでしょう。

誤った偏差値の認識

新教育紀行
武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

本記事では気になる内容がありました。

それは「ハイレベルなS塾の模試で偏差値50が高校受験における70以上」と紹介していることです。

これには全く共感できない、というよりも誤りだと思います。

確かに、中学受験生は「中学受験する生徒が非常に限られている」実態があります。

そして、中学受験生が全体的にハイレベルにあるのは事実です。

ところが、中学受験と高校受験は全く違うでしょう。

また、「中学受験をする小学生」と「高校受験をする中学生」は「比較できない」対象です。

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てんびん算の考え方(新教育紀行)

てんびん算は「同じ食塩水」を比較するから、「どちらがモーメントが大きいか」を比較できます。

比較対象が異なるものは、「比較できない」のが現実です。

この発想は、あたかも「重さと長さを比較する」如く、全く意味をなさない比較と考えます。

大手塾の「中学受験の平均的な学力保有者」=「高校受験のハイレベルな学力保有者」という解釈。

これはどう考えてもおかしいです。

中学受験をせずに小学校の勉強を一生懸命やっている子どももいます。

その子どもの中には、しっかりした学力を持った優秀な子どももいらっしゃるのです。

僕の同級生にも、そういう「受験しないけど、優秀な子」はいました。

こういう「偏差値の誤った解釈」に惑わされず、「偏差値は受験の合格に向けての参考値」が正しい認識です。

そう考えて、子ども・受験生には着実な努力を続けて欲しいと思います。

それが最終的に志望校合格に結びつくでしょう。

新教育紀行

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