実験・観察問題・思考力を問う問題〜暗記問題・性質・グループの意味・物質のイメージと実社会・水酸化ナトリウム・シンプルに考える〜|中学受験・理科

前回は「理科・暗記の勉強法〜毎日少しずつ・コツコツと・語呂合わせ・自分の好みを大事に・何度か繰り返して少しずつ覚える・イメージする・紙に書いて覚える・対象を捉える姿勢〜」でした。

目次

暗記問題〜性質・グループの意味〜

水溶液の性質(新教育紀行)

たくさんのことを暗記する必要がある、中学受験の理科。

水溶液の性質は、アルカリ性・酸性・中性などが問われることが多く、「知らないと解けない」です。

水溶液の性質(新教育紀行)

これらの性質などの「グループ分け」に関しては、「グループがお友達」のイメージです。

「語呂合わせ」などで暗記するのも良いですが、「グループに分ける」イメージを持つことが大事です。

「同じグループ」は、「似た性質がある」ということです。

水溶液の性質などのグループ

・「同じグループ」は友達同士

・「同じグループ」に入るのは、「似た性質がある」から

これらは「当然のこと」かも知れませんが、「暗記すること」に気を取られると、忘れがちです。

中学・高校の化学ならば、化学式と合わせて「理解」することが多い、これらの性質。

酸性・アルカリ性・中性の性質(新教育紀行)

「酸性・アルカリ性・中性とは何か?」という問題は、中学受験では出題されても少ないでしょう。

「化学的な性質」は、「小学校の理科」というよりも「化学」の分野になります。

「酸性とは何か?」は「化学的に定義(決まり事)」がありますが、中学・高校の範囲となります。

本来は、ただ「水酸化ナトリウム:アルカリ性」とか暗記するよりも、その性質が大事です。

そもそも、
アルカリ性とは何か?

というのは、小学生では「PH試験紙」を実験で使うでしょう。

そのPHの数値も大事ですが、「性質に対するイメージ」も大事です。

酸性・アルカリ性・中性

・酸性:PH<7・少し危険なイメージ

・アルカリ性:PH>14・少し穏やかなイメージ

・中性:PH=7・どちらでもない(中間的)イメージ

「化学式」を学ばない小学生は、「性質を暗記するしかない」のが現実です。

塩酸とか石けん水とかは、
なんとなく分かるよ・・・

そもそもさ、ホウ酸とか
水酸化ナトリウムって、分からないけど・・・

物質のイメージと実社会:水酸化ナトリウム

水酸化ナトリウム(Wikipedia)

ただ「水酸化ナトリウム」と言われても、イメージしにくいです。

水酸化ナトリウムは、上の写真のように、白い粒状・フレーク状の物質です。

「穏やかなイメージ」のアルカリ性である水酸化ナトリウムですが、実は危険な薬品です。

非常に強いアルカリ性であり、水と反応すると大きな熱を発し、爆発的な反応をする可能性があります。

「苛性ソーダ」とも呼ばれる水酸化ナトリウムは、基礎化学薬品・化学産業の基幹原料です。

つまり、現代社会を支える「非常に大事な、重要な物質」です。

世界中で堅調に需要が高まっている「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」は生産量も上がっています。

苛性ソーダ・水酸化ナトリウム国内生産量(化学工学会)

世界で需要も生産量も伸びていますが、日本の生産量は減少傾向にあります。

作り方は、2000年頃から
全部赤い「イオン交換膜法」になっているんだね。

このような「理科の物質と社会情勢」は、現代社会において非常に大事なことです。

社会の問題としても出題される可能性があるので、こういうことも興味を持つと良いでしょう。

算数と同様に理科の暗記項目も、「紙に書いて、自分なりに簡単にまとめてみる」のが良いでしょう。

「上手くまとめられている資料・絵」などを見ても良いですが、そういう資料を眺めても、

あれ?
結局、〜は酸性だっけ?

なかなか「頭に入らない」傾向があります。

紙に書いてみれば、「なんとなく、少しずつ」頭に入ってゆくでしょう。

思考力を問う問題・実験・観察問題:シンプルに考える

実験問題(新教育紀行)

実験や観察問題で理科の思考力を問う問題があります。

グラフの問題は「思考力を問う」には最適です。

そのため、理科の先生が、

単なる暗記ではなく、
こういう現象に対する理解力があるかな?

と考え、出題したくなる気持ちがあります。

中学・高校以降の物理や化学では、「グラフを書く」ことは最も基本的・最も大事なことだからです。

大学生の実験・研究になると、対象とするデータが極めて多く、複雑になります。

そのため、ほとんどの場合、グラフは手描きではなくパソコンで描きます。

中高生は「手を使ってグラフを描く」ことが現象を理解するのには最適です。

暗記項目も大事ですが、暗記は「知っているに留まる」という見方もあります。

学校側は「よく知っている方」と「思考力がある方」のどちらを採用したいか、というと後者でしょう。

「思考力を問う」問題は、ぜひ解いて「得点出来る」ようにしましょう。

実験・観察の問題は「シンプルに考える」と分かりやすいです。

様々な問題がありますが、本質的な事はある程度限られています。

実験問題が出題されたら、

何が
ポイントかな?

シンプルに考えてみるようにしましょう。

どこかで、「大きく現象の変化がある」などの「変化するところ」をしっかり考えましょう。

実験問題(新教育紀行)

暗記項目は「知らなかったら、分からない」ことが多いです。

「知らないこと」が出たら、社会の選択問題同様、合理的発想で出来るだけ出来るようにしましょう。

「何かを知っているかどうか」は、あまり問われない「思考力を問う問題」。

「考えれば出来る」あるいは「問題文に答えが書いてある」とも言えます。

しっかり考えて「出来るようにする」と、理科の成績が上がるでしょう。

新教育紀行

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