前回は「記述式問題は積極的に 4」 の話でした。

算数実践71で、「斜辺の長さと6cmを比較」しました。
こういう問題は、記述式で出題される可能性が高いです。
「2回掛けて」→「大小比較して」→「答え」でも良いですが、出来るだけ理由を書きましょう。
上の回答例では「長さを2回掛けた大小と長さの大小は同じだから」と書いています。
当たり前だから、
書かなくてもいいんじゃない。
時間がもったいないわ。
「時間が大事」ですが、記述式では、こういうことを表現すると採点者が
分かっているね。
と好感を持ちます。
小学校の算数の範囲では「2回かけた大小」と「その数の大小」は同じですが、数学では「必ずしもそうではない」のです。
え?なぜ?
これは、算数の範囲を逸脱するので、中学以降の数学でのお楽しみとしてください。
採点しているのは、中学・高校の数学教師です。
「数学のプロ」から見て、「当たり前ではないこと」には敏感になる傾向があります。

そこで、解答例では「長さを2回かけた」と具体的に書いています。
ここで「長さ」に触れずに「2回かけた・・・」と表現すると、数学的にはバツになってしまいます。
算数としては、この部分は表現しなくてもバツにはならないと考えます。
この意味では、「書かなくてもよいこと」ですが、「書いた方が、論理的」です。
時間が惜しいようでしたら、「もっと短く、端的に」でも良いでしょう。
「記述式」の形式にする理由は様々ありますが、最も大事なことは「思考力をみたい」ことです。
記述式を課す学校にとって、「丸暗記」ではなく、「考える思考性を持つ」子どもの方が望ましいでしょう。
この「ほんの少し」の配慮で、採点者は
しっかり理解している子だね。
きちんと考えているね。
と考えるでしょう。
受験者側の立場からすると、「一点でも・・・」という気持ちになります。
実際に、「一点差」で当落が起こるのが試験・受験です。
一方で、こうしたことを「きちんと表現する」ことは、採点上有利になると考えます。
「時間制限がある」ので、文字が少し雑でも良いでしょう。
「走り書き」でも良いので、どんどん「考える姿勢」を表現しましょう。