前回は「記述式問題の対策とコツ〜記述問題で思考力を増強・「思考力を判断したい」という記述問題出題者の考え・出来るだけ「考えていること」を簡潔に書く〜」の話でした。
採点基準をハッキリ公開する武蔵中:武蔵志望者必須の過去問集
![](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/h07Musashi01m-742x1024.jpg)
武蔵中・麻布中などでは、記述に非常に重点が置かれた問題が出題されます。
「答えだけ」を問う問題であれば、「何はともあれ解けること」が大事です。
一方で、記述問題は「明確な解答(模範解答)」がありますが、採点基準の詳細は不明であることが多いです。
そのため、「何が正解なのか」が不明瞭であることに対して、
結局、何を書けば
良い点が貰えるんだろう・・・
当事者である「受験生の立場」から考えると、不安を感じる方もいらっしゃるかも知れません。
![新教育紀行](https://www.e-voyage.net/wp-content/uploads/110706Musashi118m.jpg)
例えば、武蔵中学校では学校側が「過去問・模範解答・採点者の考え」をまとめた過去問集を販売しています。
武蔵中学校を志望する方は、必ずこの「武蔵発行の過去問集」を買いましょう。
この「学校側が解答を明確に示す」姿勢は「試験を課す学校側の姿勢」としては大変好ましいことです。
この「好ましい」という感情は、僕が武蔵中高出身であることもあります。
それもありますが、公平に見ても「堂々としている」と誰しも感じるのではないでしょうか。
現実問題として、
武蔵中の入学試験は
このような基準で採点しています・・・
とハッキリと世間に伝えることは、「方針を明確にする」点で極めて重要なことです。
中学受験・高校受験・大学受験では、「採点基準や採点方法」は非公開が多いです。
それは、大学生〜大人が受験する資格試験においても同様の傾向があります。
その中、
武蔵中では、入学試験を
このように考えています・・・
と「堂々と公開する」ことの意義は大きいです。
昔と大きく異なり、東大合格者が激減した武蔵中高に対しては、
武蔵は
凋落した!
もう武蔵は
終わりよ!
という声も多数聞かれ、現に筆者も「それと近いことを言われた」経験があります。
こういう「武蔵凋落」の声を聞くとき、筆者は、
武蔵凋落など、
「余計なお世話」だ・・・
東大合格者が多いのは良いことかも
しれないが、だから何だ?
と感じております。
現実として、武蔵高校の東大合格者数が「著しく減少」した事実は、OBとして大変残念であります。
一方で、このように「解答例をハッキリと受験界・世間に提示する」姿勢。
この姿勢は武蔵中学校の教育理念を明確にし、堂々としている点で「別格」と言えるでしょう。
自分なりのメモを書いて理解を深める
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問5を考える時に、下記のような「まとめを書く」話をしました。
戦前(旧制):複線型(専門学校・大学、男女別)
現代(学校教育法):単線型(小学校〜大学)
このようにまとめることは、問5の後半で役立ちます。
後半がなくても、直前期は書いてまとめるようにしましょう。
そして、試験当日は「問題文を読んでいるうちに、まとめが頭の中に浮かぶ」のが良いでしょう。
当日も、簡単にこのようなまとめを書いた方が「問題に取り組みやすい」方もいるでしょう。
その場合は、余白に書いても良いでしょう。
そして、メモをもとに考えると記述でも選択問題でも「考えやすくなる」傾向がります。
「自分なりのメモ」を書いてみると理解が深まるので、学力も上がるでしょう。
単線型 = 進路が幅広い中から選べる
複線型 = 専門性が高く、選べる進路が限定される
特に武蔵中は、このような「欄外のメモ」があると、
よく考えていて、
とても良いね・・・
と評価してくれる可能性があります。
そして、解答欄内の解答次第ですが「部分点として追加」してくれる可能性があります。
この「メモなどを評価する姿勢」は、記述式を課す麻布中などの学校も、そういう可能性があります。
1.東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
2.世界に雄飛するにたえる人物
3.自ら調べ自ら考える力ある人物
武蔵中には、3つの教育理念があります。
旧制の頃に作成されたため、最初の二つの「東西文化〜」と「世界に雄飛〜」とあります。
これらは、1922年大正時代に設立された時、「外国が非常に遠かった」時代の名残があります。
少し古典的な言い回しですが、やはり「世界を見る視点」は大事です。
中高の基本理念において、最も大事にしている「自ら考えることの出来る人物」が欲しい武蔵。
「考えていること」は、どんどんアピールしましょう。
採点者が待っている答案:自分の考えを堂々と表現
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でも、間違っていたら
どうしよう・・・
「間違っている」ことは「考えない」より「遥かに良い」のが武蔵中学の理念です。
まだ小学生で、これから中学・高校・大学・大学院・・・と学んでゆくのです。
だから、「間違っていても良い」のです。
それは、麻布中などの学校も同様と考えられます。
「まとめ」を頭に思い描いても良いですし、ササッと走り書きでも余白に書いても良いでしょう。
そして、問5の後半では、「どのような書き方をするか」の話をしました。
「限定的」とややネガティブな書き方をするか、「早期の専門性高い学び」をポジティブに書くか。
問題文に対する素直な姿勢:専門性が高く、選べる進路が限定される
やや自分の主観を入れた姿勢:早期に方向性を決めて高い専門性を学び、その中から進路を選ぶ
これは、正解というのはなく、各個人の考え方となります。
じゃ、どうやって
採点するの?
結局は、武蔵中なら「武蔵中の社会科教員の考え方次第」となります。
麻布中なら「麻布中の社会科教員の考え方次第」と考えられます。
それでは、先生次第で
採点が変わるの?
基本的には「先生・教員次第」となるでしょう。
これが「試験の平等性を保つか否か」は、様々な意見があるでしょう。
一方で、この「採点の方向性」もまた各校のカラーや教育理念を示しています。
「採点基準や方向性」は「各校の教育理念」と同一方向であると考えられるので、「教員次第」が正しい方向と考えます。
点数は気になりますが、採点基準を気にしても採点者が分からない以上、現実としては「不明」です。
とにかく、自分の意見をはっきり書きましょう。
すると、採点者は採点しながら、
うん・・・
なるほどね・・・
と考えて、相応の点数を与えます。
これは・・・
なかなか良いかもね・・・
採点者は、そういう答案を待っているのです。
次回は下記リンクです。