前回は「理科の学び方〜大きく描くとだんだん分かる〜」の話でした。
描いて理解する理科
理科の勉強をする時は、算数と同様に「眺めて理解」ではなく、出来るだけ「描きながら理解」してみましょう。
人体などの生物系は、描くのが難しかったり、時間がかかるので、「見て理解」でも良いでしょう。
「かっ車」「ばね」などの(力学的)問題は、必ず手で描いて、考えましょう。
電気の問題も同様で、「力・物の動き・電気」の分野は、イメージしながら描くと良いでしょう。
力や物の動きは、日常生活で馴染みがあるから、想像しやすいでしょう。
配達された段ボールを横から押すと、その力 と荷物の重さに応じて、動きますね。
その様子を頭に思い浮かべながら、様々イメージしてみましょう。
電気は「目に見えない」ですが、「電流が流れているイメージ」を大事にしましょう。
定かっ車・動かっ車
今回は、小学生〜中学受験生向けに「かっ車の基本」の話です。
下図のような「定かっ車」を考えてみましょう。
かっ車には「定かっ車」と「動かっ車」があります。
「定かっ車」は、かっ車の動きが「定まっていて動かない」かっ車です。
「動かっ車」は、かっ車の動きが「自由に動く」かっ車です。
今回は下図のような「定かっ車」を考えましょう。
右側のひもを下に「引っ張る力」と「引っ張る長さ」を考えましょう。

これは
簡単だよ。
もう分かっているから、
描かなくてもいいよ・・・
丸暗記ではなくて、きちんと説明できますか。
定かっ車:力を矢印で描く
「完全に理解している」自信がある方以外は、あらためて描いてみて下さい。

算数で矢印(ベクトル)の話をしました。
矢印は算数でも理科でも、非常に大事な考え方です。
中学生・高校生の方は矢印(ベクトル)をよく使います。
「ベクトル」というと難しく感じられますが、ただの「矢印」だと思って、描いてみましょう。
・向き:力のかかる向き
・長さ:力の大きさ
をイメージして、小学生の方も「矢印」で力を表現してみましょう。
100gのおもりが吊り下がっていると、下向きに重さがかかります(重力)。
その重さと同じ力で、引っ張る必要があります。

これで、「力=重さ」が分かりました。
定かっ車:移動距離を描く
次は、「引っ張る長さ」を考えてみましょう。
右側のひもを引っ張ると、右側のおもりが上がります。
「上がる感じ」を実際に描いてみましょう。

「水色の線の長さ分上がった」としましょう。
すると、右側のひもは同じ「水色の線の長さ分」下がります。
これは分かるよ。
上に上がる分、下がるよね。
感覚的に「当たり前」ですが、きちんと考えてみましょう。
糸の長さは、引っ張っても変わらないですね。

赤色で描いた「糸の長さ」が変わらないので、下図のように「左右の水色の部分の長さは同じ」と分かります。

「基本中の基本」とも言える内容ですが、ここをきちんと理解して下さい。
理科の力・電気の問題は、基本をしっかり理解して考えることが最重要です。
基本をしっかり理解せずに、あやふやなままで、応用問題の解答を読んでも「わかった気持ちになる」ことが多いです。
逆に「基本をしっかり理解して、描く」事が出来るようになると、応用問題も次々に出来るようになります。
僕は分かりやすいようにマーカーで描いていますが、色鉛筆で描いても良いでしょう。
でも、テストでは
色鉛筆使えないけど・・・
色鉛筆を使って学んだら、イメージできるようになります。
しっかりイメージできるようになると、普通の鉛筆でも大丈夫になるでしょう。
そうなんだ。
ちょっと、色鉛筆で描いて、
考えてみよう。
ぜひ、「描いてしっかり理解」をやってみましょう。