実験問題攻略法 9〜コツと解き方:現象を写す鏡=グラフ〜|開成中2020年理科・中学受験

前回は「理科の実験問題攻略法 8〜グラフをしっかり理解しよう〜」でした。

開成中学校の2019年理科の問題4の補足問題です。

「実験棒4と実験棒5のどちらが熱を伝えやすいですか。理由も書いて下さい。」

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グラフをよく見てみましょう。

まずは金属棒4です。

グラフは「現象を写す鏡」です。

中学校に入ったら、グラフをたくさん描くのを楽しみにして下さい。

グラフは情報が多いですね。

横軸に0.2m単位で線が引かれている箇所だけでも、0〜5mで26箇所、縦軸は50℃単位で同様に0〜600℃で13箇所あります。

「その間も読める」ので、非常に多くの情報が詰まっています。

「何らかの特徴」を考える場合は、グラフの左端、中央、右端に注目しましょう。

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金属棒4では、0→5秒後の間に、左端=0mで約240℃下がり、中央=2.5mで約80℃上がり、右端=5mではほとんど温度変化がありません。

金属棒5を見てみましょう。

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金属棒5は0→5秒後の間に左端=0mで約410℃下がり、中央=2.5mで約100℃上がり、右端=5mでは約15℃上がっています。

これでイメージ出来ますね。

金属棒5は、金属棒4よりも左から右にスッーっと熱が移動しているのが分かります。

答えは「金属棒5の方が熱が伝わりやすい」です。

理由は上記の中から、自分なりにまとめて見ましょう。

こういう問題の解答欄が小さく、簡潔に書くことが求めれている場合は、「大きな変化」に注目しましょう。

最も状況変化の大きい、左端か右端の温度変化を書くとよいでしょう。

「熱が伝わっている状況」を、最もよく表しているのは、右端です。

「温度がほとんど変化しない」と「温度が15℃上がっている」のは大きな違いです。

また右端は、最初は低い温度なので「熱が伝わってくる側」として、最もわかりやすいです。

このように、グラフの問題を解く時は、問題だけでなく、色々と考えてみましょう。

「現象を写し出す鏡=グラフを読んで、理解する」ことをしてみると理解力が大きく高まります。

算数の問題で、いくつかの補助線を考えることは理解力が上がる話をしました。

直前期は時間に追われてしまいますが、ほんの少し「より深く考えてみる」と学力が大きく上がるでしょう。

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