模試の判定に対する姿勢・おすすめ活用法〜模試と受験生・合格判定と偏差値・「全校共通型」と「志望校特化型」・模試を受ける際の大事なポイント・自分のスタイルを確定〜|合格判定と中学受験1

前回は「成績アップ・記述問題のポイント〜「解けない」から「解ける」へ・記述問題で「書くべき」こと〜」の話でした。

目次

模試と受験生:合格判定と偏差値

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

今回は模試・模擬試験の話です。

受験生は中盤から模試の連続で、子どもも親も大変な時期だと思います。

受験生本人は「スイッチオン」になった状態が続き、大変な苦労をしていると思います。

模試、模試、模試
・・・

先週も模試で、
また模試があるよ・・・

ちょっと
疲れたかな・・・

大人になると、国家試験等以外は「試験を受ける機会」が非常に少なくなります。

中学受験生〜大学受験生にとって、「避けて通れない」模試。

算数の偏差値が
上がらない・・・

と悩む方もいるでしょう。

模試の成績が良ければ、

合格判定が80%以上だから、
安心!

とテンションが上がりますが、良くなければ、

合格判定は60%くらいで、
80%以上(A判定)がない・・・

テンションが下がってしまいます。

読者の親・子どもの方には、模試をうまく活用して、志望校合格につなげて欲しいです。

大学受験生の高校生くらいになると、模試・試験に対する耐性が出てきます。

それだけ、「成長してくる」のが高校生ですが、小学生は大変でしょう。

そもそも、「大学受験」はエスカレーター式の学校以外の方は、「ほぼ全員通る道」です。

対して、「別に通る必要がないのに、わざわざ通る」困難な道である中学受験。

模試に対して、子どもたちは、

今度こそ
頑張るぞ!

と「心中、意を決している」方が多いでしょう。

成績が思わしくないと、親はついつい

とにかく、
頑張りなさい!

と子どもに言ってしまいます。

これは、「言ってしまう」のですが、「立て続けに言う」ことは避けたいものです。

僕、張って
いるんだけど・・・

大抵の子どもは「すでに頑張っている」のです。

頑張っているんだけど、
成績が上がらないんだ・・・

僕、頭が
良くないのかな・・・

子どもは子どもなりに「頑張り続けている」状況の中、

頑張れ!

と言われることは、必ずしも嬉しいことではなく、「プレッシャーになるだけ」になりかねません。

「全校共通型」と「志望校特化型」

公園の樹木と太陽(新教育紀行)

模試には大きく二種類あって、「全校共通型」と「志望校特化型」があります。

四谷大塚の「合不合判定テスト」は昔から有名ですが、「全校共通型」です。

「全校共通型」である一方、「母体が多い」ため「合格判定に対する信頼性が高い」と評価されます。

志望校の出題カラー・形式によりますが、

僕は「全校共通型」の判定はいまいちだけど、
志望する「A中学模試」の成績は良いよ!

という方は、結果が良い「A中学模試」の判定を意識しましょう。

でもさ、「全校共通型」は大勢受験するから、
合格判定が当たりやすいんじゃない?

合格判定をどのように出すのか、どのようなシステムなのか、は塾・機関によるでしょう。

様々な過去のデータをもとに「合格判定」を出すのでしょう。

そのため、統計学上は「数が多い=受ける受験生が多い」ほど「精度が上がる」傾向があるはずです。

基本的な学力を測定するには、「合不合判定テスト」などは、ちょうど良いでしょう。

「合不合判定テスト」と「志望校特化型テスト」では、後者の方が比較的精度が高いでしょう。

やっぱり、
そうなんだ・・・

じゃ、やっぱり「全校共通型」の
模試の成績も、もっと上げないと・・・

「数が多い」と「精度が上がる」のですが、それは出題校の問題・受験生にも大きくよります。

記述が多い麻布・武蔵などの受験生にとって、「答えのみ」の試験であれば、状況は大きく異なります。

試験の形式が大きく違う以上、精度が高いはずがなく、「あまり当てにならない」面もあります。

一方で、

私は「全校共通型」の判定は良いけど、
志望する「B中学模試」の成績は「もう少し」なんだけど・・・

という方もいらっしゃるでしょう。

この場合も、志望校の出題形式が大きく影響しますが、「良い方」を意識しましょう。

「悪い方」を意識しすぎると、自己の学力を低く考えてしまい、

私、試験当日
大丈夫かな・・・

不安ばかり募ってしまいます。

受験期中盤くらいまでは良いですが、終盤にかけては、誰しもプレッシャーが強くなる中、

合格
できないかも・・・

とネガティブな思考を持つことは、出来るだけ避けましょう。

模試の成績は、誰しも気になるものです。

この間の
模試は成績よかった!

前回の模試の
成績の判定が良くなかった・・・

子どもと一緒に親も一喜一憂する「模試の判定」ですが、

最後に合格できれば
良いんだ!

と「思いきる」姿勢も大事でしょう。

実際、「模試の判定が、ほぼ全て良かったのに、当日は不合格」という方が必ずいます。

一方で、「模試の判定が、ほぼ全て今ひとつだったのに、当日は合格」という方もいらっしゃいます。

これは、「統計上の精度のズレ」と言えなくもない事象かもしれません。

現実としては、最後は「本人の頑張りと強い気持ち」で学力を上げたのでしょう。

模試を受ける際の大事なポイント:自分のスタイルを確定

種子島の海(新教育紀行)

とにかく「結果・判定が気になる」模試。

模試・テストを受ける際には、下記二つを心掛けて欲しいと思います。

模試を受ける際のポイント

1. 全力を出し切る事

2. 解く問題を上手く選ぶ事

「1. 全力を出し切る事」は「当然のこと」なのですが、この「当然のこと」は意外と難しいです。

「持っている力を全て出し切る」ことが、大事だと思います。

もし試験中になんらかの問題で難航したり、「うまく行ってない」気がしても、

上手く
いかないかも・・・

とは思わず、行きたい学校をイメージしましょう。

そして、

もう少し、
もう少し頑張ってみよう!

と考えるようにしましょう。

「2. 解く問題を上手く選ぶ事」も、試験である以上、大事です。

特に算数は、まずは「落ち着いて、全体を見渡す」ことが大事です。

はじめ!

と言われたら、まず落ち着いて「スッと」整然とページを開いて、全体を見渡すようにしましょう。

この「整然とページを開く」のが大事です。

小学生は難しいかもしれませんが、中学生・高校生は「悠然と、泰然と」くらいが良いでしょう。

中学受験生では少ないですが、大学受験生の高校生の場合、

はじめ!

と言われてから、「0.1秒でも早く」と言わんばかりに、

よしっ!

と、「猛烈な勢い」でガバッとページをめくる方がいます。

「ページが破れそうな勢い」で問題を開いても、実際には大きな効果はないでしょう。

「勢い」は大事なことかもしれませんが、「意気込みすぎる」のは避けて落ち着くのが大事です。

これは「個性による」と思いますが、

少しでも早く問題を
見るんだ!

と、焦らないようにしましょう。

算数・数学では「ちょっと行き詰まる」と、すぐに5分くらい経過してしまいます。

そこで、ゆったりとした気分で問題文全体を眺めて、時間内で、

どの問題から
解いてゆくか・・・

という自分の方向性を明確にしましょう。

算数(数学)の最初の一問が、小問の集まりである場合。

その場合は、第一問から解いてゆきますが、すぐに解き始めないようにしましょう。

気持ちが
焦るけど・・・

焦る気持ちは分かりますが、試験中は益々焦る傾向があります。

「自分のスタイル」を決めるのも良いでしょう。

例えば「試験時間が50分」の場合、「最初の30秒〜1分を目安に全体を眺める」など。

30秒から
1分間か・・・

ちょっともったいないから、
僕は30秒を目安!

という考え方も良いでしょう。

あるいは、

私は得意分野があるから、
1分までなら、全体を眺めても良いかも!

という方もいらっしゃるでしょう。

慣れると、「大問4題に対して30秒眺める」だけでも、大体の方向が見えるでしょう。

これは「その方次第」であって、「こうすべき」という定型はないと考えます。

試験開始直後の、まだ比較的精神が安定している状況で、全体を見渡すことが大事でしょう。

「判定・偏差値」ばかりが気になる模試。

模試の最も良い活用は、「試験当日のイメージトレーニング」です。

そして、自分の苦手分野が見つかったら、しっかり復習しましょう。

読者の皆さまが、模試をうまく活用して、合格することを願っています。

新教育紀行

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