直角二等辺三角形の辺の長さの求め方〜図形を分割・「直角二等辺三角形が次々と生まれる」性質・直角二等辺三角形の「斜辺しか分からない」とき・問題 11(3)解法A〜|中学受験・算数実践69

前回は「図形の性質を理解と解き方〜直角二等辺三角形の性質・正方形と直角二等辺三角形・図形の性質と最大・最小の面積・問題11(3)(4)(5)〜」の話でした。

目次

問題11(3)(再掲載)

直角二等辺三角形の辺の長さ

正方形の作り方(新教育紀行)
正方形の作り方(新教育紀行)

基本的な図形は、三角形と四角形です。

特殊な四角形は長方形で、さらに「全ての辺の長さが等しい」のが正方形で「かなり特殊」です。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さの四角形

・全ての角が同じで直角の四角形

三角形の中で特殊なのは、二等辺三角形と直角三角形、そして正三角形です。

正三角形は「全ての辺の長さが等しい」と「全ての角度が等しい(60度)」非常に特殊な三角形です。

正三角形の作り方(新教育紀行)
正三角形の作り方(新教育紀行)

「全ての辺の長さが等しい」と正三角形になり、「全ての角度が等しい(60度)」と正三角形になります。

正三角形の性質

・全ての辺の長さが同じ三角形

・全ての角度が等しい(60度)三角形

この条件は「どちらかを満たすと正三角形」となります。

この性質は大切なので、しっかり押さえておきましょう。

直角二等辺三角形の性質

・直角を挟む辺の長さが同じ三角形

・直角以外の角度は45度(直角の半分)の三角形

二等辺三角形と直角三角形は別の条件です。

「二等辺三角形だけど、直角三角形ではない」三角形はたくさんあります。

「直角三角形だけど、二等辺三角形ではない」三角形もたくさんあります。

その中、「直角二等辺三角形」は非常に特殊です。

三角定規(新教育紀行)

三角定規の
片方だよね!

皆さんが三角定規をつかっているので、馴染みがあると思います。

ところが、直角二等辺三角形の斜辺の長さは「算数では分からない」長さです。

そのため、直角二等辺三角形の「斜辺しか分からない」図形問題は、難問になる傾向があります。

図形を分割:「直角二等辺三角形が次々と生まれる」性質

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

直角二等辺三角形は、正三角形と同様に「特殊な三角形」です。

直角二等辺三角形からは、「直角二等辺三角形が次々と生まれる」性質があります。

直角二等辺三角形の頂点にA,B,Cと名前をつけて、Aから辺BCに垂線(BCに垂直な直線)を引きます。

すると、どのような三角形が出てくるか、考えてみましょう。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

二つに等しく分割された三角形は、両方が直角二等辺三角形になります。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

直角二等辺三角形は、「直角を挟む辺の長さが同じ」なので先ほど引いた垂線の長さが分かります。

直角二等辺三角形ABCの面積を、二通りの方法で表してみましょう。

底辺と高さを考えると、

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

赤色の「底辺・高さ」で考えて、△ABCの面積が求まります。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

青色の「底辺・高さ」で考えて、△ABCの面積が求まります。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

考え方は異なっていても、「面積は同じ」ですから、二つの式は等しいはずです。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

これで、両辺を比較すると答えが求まります。

図形の面積のコツ

・図形の形を三角形・四角形に分割

・底辺と斜辺の見方を変えて、面積を計算

斜辺の長さが分かったけど、
「かけて2」じゃ分からないよ・・・

同じ数字をかけると、
4とか9になるはずだけど・・・

中学以降の数学では、この時「①=ルート2 」と習いますが、ここでは「かけて2」が答えです。

(3)の答え

・①x①=2

直角二等辺三角形の「斜辺しか分からない」とき

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

今回の考え方は、「図形の中で相似形を作る」考え方でした。

次は、図形の外に出てみましょう。

「図形の外に出る」考え方は、下記が基本となります。

図形の外に出て考える

・線を延長して、平行な直線と組み合わせて相似形を作る

・図形を折り返して、同じ図形をもう一つ作成

直角二等辺三角形を、折り返して考えてみましょう。

この考え方は次回ご紹介します。

直角二等辺三角形の「斜辺しか分からない」時は、

斜辺をかけたら、
元の直角二等辺三角形の面積の4倍!

という公式を習った方もいるでしょう。

直角二等辺三角形の「斜辺しか分からない」時は、この考え方で大体出来ます。

直角二等辺三角形の考え方(新教育紀行)

今回の「図形を分割する」考え方でも、その理由が分かると思います。

次回の「図形を外に展開する」考え方だと、より「斜辺と面積の関係」が分かるでしょう。

新教育紀行

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