前回は「算数実践51〜問題 10(4)解き方・掛け算と図形〜」の話でした。
問題10(4)再掲載


対称性を考えよう
今回は「正三角形の大事な性質」を考えましょう。
以前、「正三角形の描き方」の話をしました。
正三角形は「全ての辺の長さが等しい」と「全ての角度(内角)が等しい」です。
これは、正方形・正五角形・正六角形・・・・・など正〜角形に共通する基本的性質です。
そして、もう一つ大事な性質があります。
それは「対称性を持つ」です。
「対称性」とは「ある線で折り返すと、きれいに折り返せる」ことです。
「対称性」って言葉は、
数学みたいで、難しいよ
言葉が難しく感じるようでしたら、「折り返したら同じ」という考え方で良いです。
こういう言葉が分かるかどうか、というのは算数の能力とは大して関係ありませんので、安心して下さい。
正三角形の対称性を考えよう
具体的に、正三角形の対称性を考えてみましょう。
まず、下の図のような「折り返したら同じ線」が見えますね。

頂点Aを通る「対照となる軸の直線」は辺BCの中点(真ん中の点)Mを通ります。
この時、大事な性質がありますね。

それは、「角AMB=角AMC=直角」となることです。
他に「対照となる軸の直線」はありますか?


他に2本の「対照となる軸の直線」があります。
正三角形も、これら「対照となる軸の直線」も「正三角形の中心で回転して同じ」になります。
対称性から分かる大事なこと
対称性というのは、算数では非常に大事な性質です。
「対称な図形」が出てきたら、必ず「対称となる軸・中心」を考えましょう。
(4)で、対称性を具体的に「考えてみましょう。

頂点CからABの中点Mを結んだ「直線CM」を考えます。
この直線CMは、三角形ABCの「対照となる軸の直線」ですね。
あれ、ひょっとしたら対称だから・・・
対称だと「折り返したら同じ」ですね。
「折り返したら同じ」だから、
点Fが頂点Bから頂点Aに移動していくと・・・
あ、そうか!
点Fが辺AMと辺BMにある時で
同じように考えられる!
これが、この問題の最も大事なポイントです。
これでかなり答えに近づきましたので、もう少し考えてみましょう。
でも、なぜABの中点Mが、
でてくるのかしら?
これが分からないと、
先に進まないのかしら?
「中線AMという補助線」が、この問題の最大のポイントです。
それは「対称性」から考えたことです。
このように図形問題では、「平行」「対称=折り返して同じ」などを考えると「大事な補助線」が見えてくるでしょう。