「横道にそれる」を楽しんで図形を得意に〜相似形を小さく分割・分割の数を考える・代数と幾何の接点・問題10(4)ポイント〜|中学受験・算数実践51

前回は「面積比を描いて理解して図形を得意に〜方眼紙のイメージ〜・面積比を計算して理解・四角形の相似形の面積比・大きい対象は小さく分割・問題10(4)ポイント〜」の話でした。

目次

問題10(4)再掲載

相似形を小さく分割

図形の比と面積比(新教育紀行)

前回、「相似形の面積比=(辺の比)x(辺の比)」の具体的な説明の話をしました。

これは、辺の比が整数でなくても、小数でも分数でも成立します。

問題10は正三角形ですから、相似比=1 : 3 の正三角形を描いてみましょう。

大きい方の正三角形を、小さな正三角形で分割してみましょう。

同じ正三角形がタイルのように、びっしり割れました。

これで「大きな正三角形=小さな正三角形 x 9」が分かります。

整数比の四角形等も、同じように分割できます。

ぜひ、自分で考えて描いてみましょう。

あっ、本当だ!
きれいに元の図形で分割できるね!

こうして考えてみると、
「相似比=辺の比 x 辺の比」がわかるね!

対象を小さく分割してゆくと、大事な性質が分かることがあります。

対象を小さく分割

・大きい対象を小さくすると分かりやすくなる

・小さくすると「見えてくる大事な性質」がある

図形問題を解く時は、「大事な補助線を引く」ことばかりでなく、自分で色々と線を引いてみましょう。

図形:補助線(新教育紀行)

補助線が「図形の外に出てゆく」場合もありますが、「どちらかの相似形は元の図形の一部分」であることが多いです。

「図形を分けてみること」は、問題を解く鍵が見つかることがあるでしょう。

分割の数を考える:代数と幾何の接点

小さな正三角形で分割してみた、上の段から順に個数を数えてみましょう。

図形は中学以降は幾何(きか)と呼びます。

入れ替えの問題(新教育紀行)

対して、「未知数を置いて解く」などの考え方は代数(だいすう)と呼びます。

「きか」と
「だいすう」?

中学になると、
難しそうな言葉になるのね。

今回は、「図形的な幾何」と「分析的な代数」の接点の話です。

1段目から順に1,3,5個と奇数が、順番に並びました。

上の段から足してみましょう。

1+3+5と奇数を順に足してゆくと、9になります。

そして、この9は相似比で考えた「3×3」です。

不思議
だね・・・・・

合計すると相似比に
なるのは分かるけど・・・

上から「1,3,5と奇数が並ぶところ」が不思議です。

「横道にそれる」を楽しんで図形を得意に

中学受験で、累乗の問題が出題されることがあります。

「累乗」は中学の範囲ですが、一部の試験で見受けられます。

例えば、3×3は「3の自乗(じじょう)」あるいは「3の2乗(にじょう)」と言います。

と言うことは、相似比が4とかだと
同じようになるの?

相似比「1 : 4」や「1 : 5」の時も描いてみましょう。

自分で
描いてみる!

方眼紙(Wikipedia)

方眼紙使えば
楽に描けるね!

相似比「1 : 4」の時は、上と同様に考えて、

「1 + 3 + 5 + 7 = 16」となります。

また、
奇数だけが並んで、4の自乗になったね!

この話は、今回の問題を解くことには無関係です。

算数って、
楽しいかも!

受験生は、まだ時間に余裕があります。

たくさん
問題やらなきゃ!

と焦る気持ちも分かります。

今は、このように算数の楽しさ、不思議なところも感じてみて下さい。

解けないと悔しい算数ですが、色々と考えてみるのは楽しいですね。

楽しくなって、好きになると、もっと出来るようになります。

本当?

楽しくなると、「自分から、どんどんやる」から、ますます出来るようになるのです。

そうかも。

楽しむ気持ちを持ってみましょう。

新教育紀行

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