思春期を過ごす中学高校での生活〜年齢差が生み出す違いを体験・部活のメリット・「何かに打ち込む」体験・「異質な存在」と接する経験と人間性〜|中学高校での成長3・中学高校の学校生活

前回は「様々なことへの興味を育む姿勢〜部活の選択・部活に入る・なりたい職業・先輩と後輩授業以外の世界へ飛び込む・違う世界を知る経験〜」の話でした。

目次

思春期を過ごす中学・高校での生活:年齢差が生み出す違いを体験

武蔵中学・高校のかつての校舎(新教育紀行)

人生において最も大事とも言える思春期を過ごす、中学・高校。

最近、中高一貫校への方向が強まっていますが、「一貫」は非常に良いことだと思います。

中学・高校が繋がっていることで、部活で「中一が高二と触れる機会」が持てます。

小学校でも「小学校6年生と1年生が直接接する」ことはなくても、「6年生と5年生」は接します。

各種部活や委員会などで、「一学年の差」の触れ合いがあり、5年生からすると

わっ、6年生の
お兄ちゃんだ・・・

であり、6年生からすると

5年生に
負けられないぞ・・・

という感じで、小学生にとっては「一学年の差」は非常に大きく感じられます。

そして、中高一貫では「一学年の差」が一気に「四学年の差」へ発展します。

中一=12〜13歳と高二=16〜17歳という「4歳の年齢差のある青少年が接する」機会があります。

西郷隆盛の郷中教育における「8歳〜20歳の自治教育」とは、ほど遠いです。

「12歳の差がある青少年が切磋琢磨する」郷中教育と「4歳の年齢差のある青少年が接する」中高一貫。

この年齢差・学びへの姿勢の違いは、非常に大きいでしょう。

それでも、「4歳の年齢差のあるお兄さん・お姉さんと弟・妹の触れ合い」は大事です。

郷中教育は時代が違い、さらに「薩摩藩という一種特殊な環境」が生み出した異質な教育です。

「異質な」というよりも、ある面から見ると「異常な面」もある郷中教育。

現代との単純比較は困難であり、現代の学校制度の中で考えると「異なる年齢の触れ合い」は大事です。

部活のメリット:「何かに打ち込む」体験

武蔵中学・高校のかつての校舎・物理実験室(新教育紀行)

本来は高三もいるので、「高三とも触れられる」となります。

ところが、大学へのエスカレーター(自動進学)がある学校は別として、

A大学に合格できるように、
一生懸命頑張らなきゃ!

医学部に合格できるように
成績上げなきゃ・・・

高三は大学受験で手一杯です。

部活で活動するメリットは、運動部・音楽部などは最も分かりやすいでしょう。

運動部なら野球部やサッカー部など、「自分の好きな運動」に取り組む経験は大事です。

なんでも「実体験に勝ること」は、少ないのが現実です。

とにかく「実体験してみる」ことが最も大事でしょう。

例えば、「野球が好きな方」が野球に打ち込むことは非常に大事です。

それによって、新しい技能が得られるでしょうし、何よりも「一生懸命取り組んだ」経験が大事です。

物理学者 Albert Einstein(Wikipedia)

一時、音楽に打ち込んだ体験をもっていたアインシュタイン。

バイオリン(Wikipedia)

バイオリンは
大好き!

バイオリンを演奏すると
心が落ち着くんだ!

あるいは音楽部ならば、演奏したり、歌うことが好きな方が、その技量を磨きます。

そして、「同じ趣味の方」と触れ合う機会は、非常に貴重でしょう。

「異質な存在」と接する経験と人間性

薩摩藩出身の政治家・軍人:左上から時計回りに、西郷隆盛、大久保利通、西郷従道、桐野利秋(Wikipedia)

郷中教育においては、「ワイワイガヤガヤ」と「和気あいあい学んでいた」わけではなかったでしょう。

時には喧嘩したり、険悪になったり、言い争ったり、様々な経験があったでしょう。

特に「薩摩隼人」と言われる、薩摩出身の方々。

当時の一般的な日本人よりも、はるかに激情的で、武に訴える傾向が強いです。

おいっ、
なんだお前は!

なんだと、
ふざけんな!

郷中教育の場では「殴り合い」や「格闘」などは日常茶飯事であったでしょう。

ある群れが出来ると、その中で必ず「仲が良い人」と「仲が良くない人」が出てきます。

それもまた「個性の一つ」でしょう。

男の子であっても、喧嘩は出来るだけ避けてほしいですが「多少のいざこざ」は仕方ないでしょう。

そういう「いざこざ・トラブルを経験する」こともまた、人間の成長につながると考えます。

国立科学博物館(新教育紀行)

塾に行って「ひたすら勉強して成績を上げる」のも良いかもしれません。

ところが、その時に思春期だからこそ育てられる「大事な何か」が育たない可能性があるでしょう。

部活で先輩と一緒に博物館や映画館に行くのも良いでしょう。

おい!
ちょっと一緒にX図書館へ行くぞ!

X図書館は行ったことが
ないです・・・

あそこにはな、
数学や物理の本が沢山あるんだ!

あと、読書スペースも
読みやすくて、いいところだぞ!

一緒に
行きます!

僕も中学生の時に、先輩方からいろいろな場所などを教えてもらいました。

中学〜高校においては、同級生の「気の合う友人」が誰しも出来ます。

「気の合う」同級生と様々語り合う経験も大事です。

少し歳の離れた「お兄さん・お姉さん」と話すことは、「同級生とは異なる」様々な発見があります。

「年齢が異なる」だけでも、「十分異質な存在」であるお兄さん・お姉さん。

あるいは「お兄さん・お姉さん」にとって、歳が下の弟・妹と接することから発見があるでしょう。

「異質な存在」と接する経験は、人間性を大きく伸ばすでしょう。

短い期間でも部活に入ってみることを、ぜひお勧めしたいと思います。

新教育紀行

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