斜めの正方形と相似形攻略のポイント〜「なんとしても相似形を見つける!」姿勢・相似形とは何か・直角の性質・相似形を見つけたら辺の比・直角三角形の辺の長さ・問題 13(1)解法〜|中学受験・武蔵中・算数実践83

前回は「二つの正方形と相似形が得意になるコツ・ポイント〜学力を高める姿勢・テクニックやパターンと「考え方の骨格」・しっかり理解して一題から多くを学ぶ・応用力構築・相似形を探す・「分かっていること」を描いて視覚化・問題 13(1)解法〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

斜めの正方形と相似形攻略のポイント

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

二つの正方形が登場する問題13では、「よく分かっている正方形をしっかり描いて理解」が大事です。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さ

・全ての角が同じで直角

幼稚園〜小学校低学年で、方眼紙でたくさんの工作をした方が多いと思います。

方眼紙(Wikipedia)

方眼紙のマスは全て正方形です。

大抵は「1cm(10mm)角の正方形」で、工作するときに「切るのが簡単」です。

それだけに、「みんなが馴染み深い」正方形という図形。

正三角形の対称性(新教育紀行)

正三角形も基本的図形ですが、「日常生活で正三角形に出会う」ことはほとんどありません。

日常生活の周りを見渡してみると、長方形がたくさんあります。

「厳密な正方形」は少なくても、「特殊な長方形」である正方形も馴染み深い図形です。

長方形と正方形

・長方形の中で「辺の長さが全て等しい」特殊な図形が正方形

・長方形と正方形は同じグループで友達

とても分かりやすい正方形ですが、実は「最も奥が深い図形」とも言えます。

そして、「長方形と正方形は同じグループで友達」という認識を持ちましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

問題の状況を全て図形に描きこみました。

確かに、こうして
描きこんだ方が分かる気がする・・・

「全部わかっていること」なのに、
描いた方が分かるね!

「斜めの正方形」が登場すると、難しく感じられます。

「斜め」というのは日常生活であまり馴染みがないので、「ちょっと変な感じ」があるからです。

「ちょっと変」な斜めの図形ですが、正方形には変わりありません。

斜めの図形

・斜めの図形も性質は同じ

・具体的な性質を描きこんで、図形の特徴を探す

慣れるまでは「難しく感じられる」斜めの図形ですが、「斜めと水平(垂直)の図形」には共通点があります。

(1)は、難関校〜最難関校志望の方にとっては、それほど難しい問題ではありません。

この問題は
出来たよ!

という方も、

ちょっと、
よく分からない・・・

という方もいらっしゃると思います。

後者の方向けに、少し丁寧に話を進めてみましょう。

様々な分野の中でも、中学受験算数の平面図形は「基本をしっかり」すれば全部解けるようになります。

高校以降の平面図形も「基本をしっかり」ですが、様々な法則や性質が登場して難しくなります。

「法則と性質が限られている」のに「難問が多い」中学受験算数の平面図形。

様々な図形に対して、解法もまた様々です。

「解法を一つ一つ習得」するのも一つの手段です。

そして、「共通する基本的考え方」を身につけることがさらに重要です。

出来たよ!

という方も、確認のためにぜひご覧ください。

「なんとしても相似形を見つける!」姿勢

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

まずは「描いて状況をしっかり理解」しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「まずは相似形」の図形問題。

しっかりと状況を理解したら、相似形を探してみましょう。

この「相似形を探す過程」で、「適切な補助線」が見つかることがあります。

「なんとしても合格する!」という気持ち同様「なんとしても相似形を見つける!」と考えましょう。

相似形とは何か:直角の性質

相似形とその条件

・ある形AとBが「相似」

→片方の図形を拡大・縮小すれば、もう一方の図形となる

・相似の条件

←→対応する角度が同一

←→対応する辺の比が同一

「相似形」というと算数(数学)の専門用語となりますが、難しくはありません。

「相似形とその条件」を、もう一度復習しておきましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「対応する辺の比が同一」の条件を見つけるのは、なかなか難しいです。

対して「対応する角度が同一」は、角度を一つ一つ検討してゆけば出来そうです。

「同じ角度」を探しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

直角がたくさんあるので、たくさんの「同じ角度」が見つかりました。

「180度から直角(90°)を引くと直角(90°)(180-90=90)」です。

「直角は同一角度が見つけやすい」と考えましょう。

図形問題と直角

・180度から直角を引くと直角:180-90=90

・直角は同一角度が見つけやすい→相似形が見つかりやすい

相似形を見つけたら辺の比:直角三角形の辺の長さ

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「同一の角度」が沢山見つかり、相似形が見つかります。

図形問題が解ける姿勢

・問題の条件を全て描きこむ:同じ長さ・同じ角度など

・図形の性質などを描く過程で、条件を頭で整理するので解きやすくなる

まずは「相似形を一組見つける」を心がけましょう。

一組以上見つかるかもしれませんが、「まず一つ(一組)」という気持ちが大事です。

確かに一つ見つかると、
調子が良くなって、解けやすくなる・・・

まずは「最初のキッカケが大事」
なんだね!

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

黄色の三角形同士が「対応する角の角度が同一」なので、相似形となります。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

相似形が見つかれば、図形問題は一気に見通しが良くなります。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

二つの黄色の三角形の「対応する辺の長さ」が分かっているのがポイントです。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

これで、双方の黄色の三角形の「対応する辺の長さの比」=3.0 : 1.8と分かりました。

「相似比」の元となる「辺の長さの比」には公約数(少数含む)があることが多いです。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

黄色の三角形同士の「相似比=5 : 3」と分かりました。

これで、問題の図形のポイントが分かりました。

一つ相似形を見つけたら、

これで、一つ
ポイントをつかんだ!

と考えて、

問題を解く山を
一つ乗り越えた!

と考えましょう。

そういう「前向きな気持ち・姿勢」を持つことも大事です。

出来なかった方も、ここからもう一度図形を見直して、解いてみましょう。

次回は(1)を求めます。

新教育紀行

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