二つの正方形と相似形が得意になるコツ・ポイント〜学力を高める姿勢・テクニックやパターンと「考え方の骨格」・しっかり理解して一題から多くを学ぶ・応用力構築・相似形を探す・「分かっていること」を描いて視覚化・問題 13(1)解法〜|中学受験・武蔵中・算数実践82

前回は「二つの正方形と図形問題を得意になるコツ・ポイント〜図形の性質を理解・早めに過去問と入試問題と向き合う大事さ・目標を理解して合格へ大きく前進・問題 13〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

学力を高める姿勢:テクニックやパターンと「考え方の骨格」

正方形は分かりやすいけど、
二つあって、斜めだから・・・

形はわかるけど、
なんとなく難しい・・・

正方形は「辺が水平・垂直」だと理解しやすいです。

問題13では「一つの正方形が斜め」になっているのが、難しく感じる理由かもしれません。

そのため、難しく感じる方が多いかもしれません。

「問題の解き方」と共に「学力を高める」学び方の具体的姿勢の話をご紹介します。

中学受験の図形問題ですが、考え方は高校受験・大学受験の数学も共通する点があります。

中学受験〜大学受験の算数・数学において、非常に多岐にわたる分野があります。

中学受験では、図形(平面・立体)・てんびん算・旅人算・ニュートン算・つるかめ算・・・・・

主だった分野・単元だけで、数え方によりますが20〜30程度になるでしょう。

ニュートン算とか
面積算は得意だけど・・・

さらにそれぞれの分野において、「考え方」や「テクニック」があります。

これを全部
学ばなければならない・・・

解法やテクニックは
全部頭に入れなきゃならないんだね・・・

受験生は、とても大変です。

それぞれの分野では、非常に多くの「考え方」や「テクニック」があります。

戦後、日本が高度成長を続け、中学受験〜大学受験が加熱してきたのが1970年代〜1980年代。

それから40年以上の時間が経過しました。

その間、実に多種多様な問題が出題されました。

近い未来に受験する中学受験生〜大学受験生で「1980年代の過去問をやる」方は極めて少ないでしょう。

そもそも、

どこで、そんな昔の
過去問を手に入れられるの?

僕も知りませんが、神保町などの古書店には「昔の過去問」があるかもしれません。

過去問は早めにやったほうが良いですが、「数多くやれば良い」わけでもないでしょう。

それよりも大事なことは、一題一題をしっかり理解しましょう。

この40年以上の膨大な蓄積がある中、出題者側も一生懸命に工夫してきました。

この問題面白そうだけど、
類似した問題が他で出題されていないか・・・

これは新しい視点の問題で、良さそうだけど
どうだろう?

その「様々な工夫」が、「解法」と「テクニック」の多様性をもたらしているのです。

しっかり理解して一題から多くを学ぶ:応用力構築

そこで、「しっかり理解して一題を解く効果を高める」のがベストです。

図形問題は、非常にたくさんの問題があります。

高校受験〜大学受験は数多くの定理が出てくるので、一定の数の定理を頭に入れる必要があります。

対して、中学受験では「数多くの定理」は範囲外となります。

それにも関わらず、多様な問題が出題されます。

算数の全分野に共通することは「基本姿勢」をしっかり身につければ一気に解けるようになるです。

算数の応用力構築の学び方

・各分野の基本的手法・考え方:問題を解きながら実践的に身につける

・各分野の応用的手法・考え方:一題一題しっかり学び、一題から多くを習得

今回の話は基本的姿勢で「算数が得意な方」は、

もう分かって
いるよ!

という方もいらっしゃるでしょう。

問題13ではじっくりと考えてゆきます。

中堅校〜最難関校志望の幅広い方に、「しっかりした基本」を身につける参考にして下さい。

図形問題の基本的姿勢:相似形を探す

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

具体的に問題を考えてゆき、解いてゆきましょう。

ポイントは「二つの図形は正方形」です。

そこで、「まず相似形」を考えます。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

その前に、しっかりと条件を整理・理解することが最重要です。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

図形問題では、上記の通り図形・記号だけ描かれて「長さ等の情報は文章内」であることがあります。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

今回の問題は「長さが記入されている」状態ですが、「まずは条件・状況を整理・把握」しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

この問題では「長さの条件」が描きこまれています。

こういう「長さ・角度などの条件」を勘違いして、「自分で問題を難しくしてしまう」ことがあります。

そういえば、前の模試で
勘違いしたことある・・・

「勘違いで勝手に難しくする」はしないように、落ち着いて「しっかり理解」しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

この問題は「長さが描きこまれている」ので、勘違いがない分「良心的」です。

そして、大きな条件である「二つの四角形が正方形」です。

ここで、「正方形」という図形は、「誰でも知っている簡単でシンプルな図形」です。

そこで、

正方形なら
分かっている!

という方が多いかもしれません。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「よく分かっているから、大丈夫」は、よほど学力が上がるまではやめましょう。

特に算数の基礎を固めて、応用力を磨いてゆく段階で大事なこと。

それは「しっかり状況を描く」です。

「分かっていること」を描いて視覚化

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

そこで、「正方形の条件」を図形内に描きこみましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「正方形とは?」をしっかり考えましょう。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さ

・全ての角が同じで直角

これは
分かるよ!

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

正方形は「二つの大事な性質」がある非常にシンプルな四角形です。

方眼紙(Wikipedia)

工作で使う方眼紙は「多数の正方形でできている」用紙です。

いわば「正方形は全ての図形の基本となる図形」です。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「基本的図形」である正方形。

改めて見ると、非常に美しいです、

まず「全ての辺の長さが同じ」と「全ての角が直角」の条件を上の図のように描いてみましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

この時、Bの周辺のように「直角マーク」などが「重なって見えずらい」時があります。

これに対しては「描く」「描かない」は本人次第です。

僕は「描いた方が良い」と考えます。

これで、問題の条件が「全て視覚化された」状況になりました。

図形問題が解ける姿勢

・問題の条件を全て描きこむ:同じ長さ・同じ角度など

・図形の性質などを描く過程で、条件を頭で整理するので解きやすくなる

確かに、こうして
描きこんだ方が分かる気がする・・・

「全部わかっていること」なのに、
「描いた方が分かる」って不思議・・・

本問を「考えても、出来なかった」方はこの「条件を視覚化した」状況で再度トライしてみましょう。

出来た方も「図形問題への基本姿勢」をしっかり固めましょう。

算数の学力を上げるためには、こうした「基本姿勢」をしっかり身につけることが非常に大事です。

新教育紀行

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