斜めの正方形と相似形と長さのポイント〜「一組の相似形」発見・問題の条件を振り返る姿勢・直角三角形の辺の長さ・描いた条件から発見・条件を組み合わせて立式・問題 13(1)解法〜|中学受験・武蔵中・算数実践84

前回は「斜めの正方形と相似形攻略のポイント〜「なんとしても相似形を見つける!」姿勢・相似形とは何か・直角の性質・相似形を見つけたら辺の比・直角三角形の辺の長さ・問題 13(1)解法〜」の話でした。

目次

問題 13

問題13:二つの正方形(新教育紀行)
問題13:二つの正方形(新教育紀行)

「一組の相似形」発見:問題の条件を振り返る姿勢

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

相似形が一組見つかり、さらに相似比が分かりました。

相似比が分かる相似形を一組見つけたら、

解法の糸口が
見つかっているはず!

と考えるようにしましょう。

相似形とその条件

・ある形AとBが「相似」

→片方の図形を拡大・縮小すれば、もう一方の図形となる

・相似の条件

←→対応する角度が同一

←→対応する辺の比が同一

「見つけた相似比の分かる相似形」が、「必ず解法に至るか」は、問題によります。

「相似形がポイントであることが多い」図形問題。

一組の「相似比の分かる相似形」が決定的であることが多いです。

一つ・一組の条件が分かることは、算数・数学では「とても大きな前進」であると考えましょう。

「二組以上の相似比が分かる相似形がある」場合は、図形の構成が分かりやすい場合です。

パッとみて分かりにくいような図形問題は、まずは「相似比の分かる一組の相似形」発見を目指しましょう。

直角三角形の辺の長さ

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「一組の相似形」を見つけたら、手をどんどん動かすことが大事です。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「一組の相似形」を見つけたら、相似比を描きこみましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

黄色の二つの三角形の斜辺も同じ相似比(=5 : 3)になります。

斜辺は長さが分かりにくいことが多いので、直角三角形ではまずは直角を挟む二辺がポイントです。

ここまで手を動かして、少し悩むことがあります。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

手が止まってしまった時は、

他に、何か使ってない
条件はないかな?

と探してみましょう。

ここで、図形をもう一度じっと眺めてみましょう。

こういう時は、多くの場合に「同じ長さの辺」や「長さの比が分かる辺」などがあります。

図形問題で「手が止まった」時

・「何か使っていない条件」を探す

・分かったことと「問題の条件」を組み合わせる

描いた条件から発見:条件を組み合わせて立式

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

ここで、最初に「状況を整理」していたことが役立ちます。

「正方形の条件」です。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

「正方形=四つの辺の長さが同一」という条件は、非常に強い条件です。

正方形の性質

・全ての辺が同じ長さ

・全ての角が同じで直角

非常に特殊な正方形という条件が出てきた時は、「辺の長さが同じ」と考えるようにしましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

図形のポイントが掴めたら、立式(式を立てる)しましょう。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

ここまでくると、図形問題から数式の問題になります。

「分からない辺の長さ」の基本的長さ①が分かりました。

問題13:図形問題の考え方(新教育紀行)

これで解答に至りました。

今回は「相似比の分かる一組の相似形」発見が大きなポイントでした。

そして、問題を解く鍵は「相似形の相似比と正方形」でした。

「相似比」は自分で求めたことで、「正方形」は問題の条件です。

図形問題に限らず、文章題などでも「問題の条件」は非常に大事です。

「問題の条件が大事」なのは、
分かっているんだけど・・・

どの条件が大事で、
「解くために使うか」が分からないことがある・・・

問題の難易度によりますが、「問題の条件をどう活かすか」が難しいこともあります。

文章題では多くの場合「数字や量・長さ」で表現されている「問題の条件」。

対して、図形問題では正方形・正三角形・正六角形・・・など条件が「隠れている」こともあります。

上の「正方形だから辺の長さが同じ」は「言われれば当然のこと」ですが、気づかないことがあります。

このように「図形の基本性質」が「問題を解く鍵」であることがあります。

図形問題が解ける姿勢

・問題の条件を全て描きこむ:同じ長さ・同じ角度など

・図形の性質などを描く過程で、条件を頭で整理するので解きやすくなる

算数・数学は、「何か大事なポイント」が分かると一気に見通しが良くなります。

特に図形問題は「相似比の分かる一組の相似形」などが分かったら、

これで、
解法に大きく近づいているはず!

と考えて、

解けるはず!

と考えるようにしましょう。

(1)の答え

・BF=7.5cm

(1)はこの考え方が基本ですが、もう一つ考え方があります。

別の機会に、ご紹介します。

新教育紀行

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