中学受験に出題される可能性がある「空飛ぶクルマ」の原理〜実験や工作などの実体験を重ねる大事さ・キットの付録本の内容を少しでも理解する姿勢〜|空飛ぶクルマ1・学研の科学

前回は「自宅でロケット飛ばす体験 8〜万全期す姿勢・失敗から成功へ・再度発射・「出来なかった理由」を明らかにして次へ活かす〜」の話でした。

目次

実験や工作などの実体験を重ねる大事さ

新教育紀行
学研「空飛ぶクルマ」(新教育紀行)

昭和の子どもたちを夢中にさせた「学研の科学」。

一時は大ブームとなり、

今回の
学研の科学、もうやった?

来てすぐにやったよ!
すごく面白かったね!

子どもたちにとっては「何かをつくる」ことはとても楽しいものです。

「つくりながら、科学を学べる」という「親の目線から見てもバッチリ」だった「学研の科学」。

1980年代は売れに売れていましたが、時代が移り変わり、廃刊に追い込まれてしまいました。

最も大きな影響は少子化でした。

そもそも「子どもの数が大きく減少」した中、「子どもがお客様」のビジネスは困難な面があります。

そして、スマホなどが隆盛となり、動画があまりに簡単に見れるようになったことが大きいでしょう。

別にわざわざ作らなくても、
動画見ればわかるし・・・

子どもたちはこう感じるかもしれません。

そして、親たちから見たら、

別に工作とか実験は、
You Tubeとかでタダで見れるし・・・

わざわざお金払わなくても
良いなら、動画でいいんじゃない?

という感じになったことが大きな転機でしょう。

その「学研の科学」が満を持して、2022年に復刊して「広いターゲット」を目標にしています。

新教育紀行
学研の科学:ロケットと電気分解(学習研究社)

復刊第一弾の「水素エネルギーロケット」は、とても面白かったです。

こういう「何かをつくる」のは、「実際にやる」のと「動画を見る」では全然違います。

動画が手軽に見れるのは「とても良いこと」ですが、その反面、動画は受け身になる傾向が強いです。

動画を見ることは楽しいですが、動く映像と音声を受け止めるだけで手一杯になりがちです。

そして、動画は「見て分かる」なら良いですが、「見て、分かった気になる」傾向が非常に強いです。

タブレットで読書するのも、とても良い面がありますが、紙の本も良い面がたくさんあります。

便利になってゆく中で、子どもたちには良い面をしっかり理解して思考力を育てて欲しいと思います。

読書で広がる「知らない世界」:想像力と創造力

・実際見ることが出来ない顕微鏡の拡大写真や遠い地域の写真で想像力を上げる

・空想の世界で様々考えて、創造力を上げる

図や絵を「見て分かった」気にならずに、描いてみる姿勢も大事です。

描いてみると、

あれ?
ここはこうだったんだ・・・

見ていた時は、
気づかなかった・・・

という「ちょっとした気づき」があるでしょう。

算数・理科の学び方

・「図や絵を描く」ことを大事に

・上手くなくて良いので、丁寧に描く

・図形問題の場合、「図形全体と補助線」を描く

そして、出来れば、ちょっとした実験や工作などで実体験を重ねることが大事です。

それを飛ばして、ひたすら「机の上で学ぶ」と理科は暗記科目になってしまいそうです。

暗記しなければならないことが多い理科ですが、「理解すること」が非常に大事です。

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ばね・てこの考え方(新教育紀行)

てこの問題で「おもりの重さと長さは逆比」と暗記すれば、問題はある程度解けます。

ところが、その「逆比」をきちんと理解していないと、応用問題が出来ない可能性があります。

「逆比」は、かなり基本的なことですが、こうした「公式を理解」する姿勢も大事です。

キットの付録本の内容を少しでも理解する姿勢

新教育紀行
学研「空飛ぶクルマ」(新教育紀行)

今年2023年の7月に発売された、「空飛ぶクルマ」。

発売されてすぐに購入しましたが、夏休みは旅行に行ったり、外での活動が多い時期です。

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延暦寺:大講堂(新教育紀行)

延暦寺に行ったり、釣りに行ったりして、子どもたちは宿題もやらなければなりません。

その意味では、実は「やることがたくさんあって大変」な子どもたち。

そして、「学研の科学」は買ったまま、しばらく本棚にしまったままでした。

「空飛ぶクルマ」かぁ・・・
本当に飛ぶのかな?

最初は「本当に飛ぶのかな」と思ったのが、本音です。

「飛ばす」というのは、かなり大変なことで、「走る」とは全然異なります。

「走る」ならば、ミニ四駆など大量に作った経験がありますが、

「飛ばす」おもちゃは
あまり作ったことがない・・・

「飛ばす」おもちゃや工作は、そもそも非常に少ないです。

そこに目をつけた学研は「流石の眼力」であると感じました。

ねえ・・・
あれ(学研)作ろうよ!

と子どもは「何か作る」のは、とってもやりたがりますが、親としては

「ただ作って終わり」ではなくて、
出来れば、理解して欲しいな・・・

と考えます。

そのため「満を持して作りたい」ので、のびのびになっていた「学研の科学」。

僕が子どもの頃の「毎月来る学研」のとは全然違って、密度が濃い分少し慎重になってしまいます。

そろそろ、
学研の工作をしようかな・・・

じゃ、「空飛ぶクルマ」作るから、
箱を開けてみよう!

やったー!

新教育紀行
学研「空飛ぶクルマ」(新教育紀行)

中には工作キットと、説明書を含めた二冊の本が入っています。

ちょっと
待ってね・・・

子どもをちょっと待たせて、本をパラパラめくってみると、

これは実に良い
内容だな・・・

さすが学研だけに、驚くほど良い内容がしっかりと盛り込まれているのが一目で分かります。

学研などの工作は、「小学校1,2年生くらいまで」なら「作って終わり」で良いでしょう。

一方で、小学校3年生くらいからは「少しでも理解」するようにして欲しいです。

これはぜひ、
読んで欲しい・・・

と考えました。

子どもたちは、こういう「キット+本」は「作って、すぐ遊んで本のことは忘れる」傾向があります。

そこで、

作る前に、
この本を読んでみて。

と子どもに言うと、

え〜!
なんで〜!

と子どもは反論してきますが、

分からなくても良いから、
先に読んでみて。

そうしたら、作り方も
よく分かるから・・・

「作り方が良くわかるから」と言う理由で、工作の前に本を読んでもらいました。

中学受験に出題される可能性がある「空飛ぶクルマ」の原理

新教育紀行
学研「空飛ぶクルマ」(新教育紀行)

上の写真は完成後に子どもが遊んでいる写真です。

案の定、完成したらひたすらクルマを飛ばして、付属の本のことは忘れている感じです。

こうした科学や社会などの「子ども向けの本」によくありますが、大事なことが平易に描かれています。

分からなくても良いから、
分かるところだけでも読んでみて。

と子どもに制作前に二冊の付属の本を読んでもらいました。

この本には、空飛ぶクルマやヘリコプターの原理が描かれています。

そもそも、「空を飛ぶ」のは本来は「非常に不思議なこと」です。

「トルク」は小学生の理科の範囲外ですが、なんとなくイメージできる内容です。

また、「羽が回るから空を飛ぶ」理由は聞けば「当たり前」かもしれませんが、とても面白いです。

20分ほどの間、ざっと読んだ子どもは、

本、
読んだよ・・・

というので、大きな本の中程にあるクイズを考えてもらいました。

新教育紀行
学研「空飛ぶクルマ」(新教育紀行)

この本の中程に3つあるクイズは、非常に理科の本質的内容です。

それらを読んでみて、

これは
こうかな?

と思ったら、一題間違えてしまいました。

答えの解説を読んで、

ああ、そうか・・・
そういうことか・・・

とよく分かりましたが、とても面白いです。

このクイズはわかりやすいので、

確かに
面白いね・・・

という感じでした。

この「空飛ぶクルマとヘリコプターの原理」は中学受験にも出題される可能性があると思います。

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回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

中学受験で頻出の電気・電流の問題では、モーターやコイルの問題があります。

モーターやコイルは「電磁誘導」の内容なので、高校物理の範囲だと思いますが「中学受験範囲内」です。

モーターは非常に身近な存在ですが、工作する時以外は一般的に「モーターを見る機会」はありません。

対して、飛行機に乗った経験がある小学生は大勢いるでしょう。

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ヘリコプター(Wikipedia)

ヘリコプターに「乗ったこと」はなくても、ほとんどの小学生は「見たこと」はあるはずです。

この意味では、「ヘリコプターが飛ぶ原理」は非常に身近な存在で、試験の題材にもしやすいです。

受験に関係ない方には、ぜひこの工作を「出来るだけ理解して」作成して、楽しみましょう。

受験生の方は、工作キットは「受験が終わった後のお楽しみ」にして本を読むことをお勧めします。

勉強が大変すぎて、
本を読む暇ないよ・・・

という方は、サラッと読むと気晴らしにもなるでしょう。

この本の内容を「少し知っている」だけでも、大きな違いがあるでしょう。

そして、ヘリコプターの原理・空気の流れに関する問題が解きやすくなるでしょう。

先日、ジュンク堂へ行きましたが、7月発売のこの「空飛ぶクルマ」は在庫がありました。

Amazonなどのネットでも在庫がありますので、中学受験生・高校受験生の方はぜひ本だけ一読して下さい。

理科の他の分野とも関係があるので、理解が進み、学力も上がるでしょう。

新教育紀行

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