電気・回路の実戦的考え方 3〜対称軸と中心・重心・モノの最も重要な性質・地道に計算して考える姿勢・電流から電圧を考える・点から点で下がる電圧・回路全体を考える・部分から全体へ・性質と計算〜|中学受験・理科

前回は「電気・回路の実戦的考え方 2〜回路の形と電球の配置・算数の問題と理科の問題は友達・対称性があること・形・図形に安定感がある・対称性から分かること・点から点の下がる電圧・状況を整理する姿勢〜」の話でした。

目次

対称軸と中心・重心:モノの最も重要な性質

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

前回は、対称性から「同じ電流の大きさ」が分かりました。

このように「対称性を考える」と、算数や理科は非常に見通しが良くなります。

対称性って、
大事な性質なんだね!

これからは、対称な形や図形が
あったら、気にするようにする!

太さが一様ではない棒:重心(新教育紀行)

重心もまた、「対称となる点」の一つです。

重心は、物理的・数学的に「定義(決まりごと)」がありますが、「中心」というイメージで良いです。

モノの重心

・モノの重さが一点に集まっている点

・重心一点に、モノの重さが全部集まっている

・モノの中心

モノ・物事の中心・重心は、極めて大事で「モノ・物事の最重要な部分」と言っても良いでしょう。

京都が中心・重心の日本列島(新教育紀行)

現代とは異なり、京・山城が「日本の精神的中心」であり続けました。

「昔の国の名前」にも、「中心・重心である京の影響力」がありました。

東京が中心であり「東京一極集中」と言われる現代日本。

その現代日本においても、私たち日本人にとって「京都は特別な、格別な場所」です。

私、前に京都に家族旅行で行ったけど、
なんだか他の街とは違うように感じた・・・

京都の街って、
他の街とは別格だよね!

モノの最も重要な性質である対称軸と、中心・重心に気づいたら、

対称性を考えたり、
「同じもの」がないか、考えよう!

地道に計算して考える姿勢

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

今回は、「対称性に気づかなかった」とします。

対称性に気づかなかったら、
解けないんじゃないの?

理科・算数では「何かに気づく」ことが「問題を解く鍵」であることが多いです。

「問題を解く鍵」は非常に大事なポイントですが、「それが分からなくても解ける」場合があります。

「解く鍵」が分からなくても、
「解ける」なら、嬉しいかも!

「ポイントに気づかない」と「時間がかかる」ことが多いですが、「解ける」ことも多いです。

今回は、地道に計算して考えましょう。

上の図のように、分からない電流を二つ設定します。

この設定する電流は、この二つではなく、他の二つでも良いでしょう。

中学入試では、大抵の回路は「分からない電流」を一つ、または二つ考えれば出来ます。

高校入試・大学入試では、「分からない電流」が3つ以上になることもあります。

それでも、「3つ未知数を設定」すれば、大抵の問題は解けるはずです。

この後、「合流する電流」「別れる電流」「電圧(降下)」の三つを考えます。

電気・電流・抵抗・回路の考え方

・電流が合流する点で、電流を足す

・電流が分かれる点で、電流を引く

・二つの点で下がる電圧(電圧降下)を「電流x抵抗(1)」で合計する

この三つが基本ですが、まずは「合流する電流」を考えます。

雑木林の中の水流の合流(新教育紀行)

電流の流れは「水の流れ」と同様に、「合流したり、別れたり(分流)」します。

「電流が合流するところ」では、川の流れと同じように「電流は和」になります。

このイメージをしっかり持ちましょう。

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

上の図のように、合流する点で電流を合計・足します。

電圧が主役だから、
「電流は後回し」じゃないの?

「電圧が主役」ですが、「主役の電圧を考えるために、電流を考える」が一つのポイントです。

電流から電圧を考える:点から点で下がる電圧

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

次に「電流が別れる点」を考えることもありますが、ここでは電圧を考えます。

「電圧が主役」だね!

上の図で、青色と緑色で「下がる電圧(電圧降下)」は同じです。

それぞれ「抵抗は1」と考えて、「電流x抵抗」である電圧(降下)が同じになります。

そこで、左下の電球を流れる電流が求まります。

少しずつ、何かを解明するように
分かってきたね!

回路の途中まで考えたので、その後を考えてみましょう。

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

最後に、右下の電球を流れる電流は、電流が分かれます。

そこで、流れる電流を「電流の差:引き算して」求めます。

回路を流れる電流が、
だいぶ分かってきたね!

回路全体を考える:部分から全体へ

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

ここで、「分かった電流を一度整理」しましょう。

ここまでは「回路を部分的に考える」方法で、少しずつ電流を求めました。

そして、上の図のように、各電球を流れる電流が全て計算できました。

ここまで分かったら、最後に電流を求める時は、「回路全体を考える」方法にしましょう。

理科・算数のポイント

・部分的に考えて、少しずつ解明する

・部分で分かったことを活用して、全体で考えてみる

理科・算数では「部分を考える」ことと「全体を考える」ことを意識しましょう。

すると、考えが整理されるでしょう。

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

まずは、青色の経路の下がる電圧(電圧降下)を計算しましょう。(抵抗=1)

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

次に、緑色の経路の電圧降下を計算します。

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

これらの電圧降下は等しいはずです。

そもそも、「電池一つで、エイッと電流を持ち上げている(電圧をかけている)」イメージです。

回路を流れる電流:回路の対称性(新教育紀行)

アに流れる電流の大きさは、0となるので、アの電球は光りません。

アの電球が光らない理由

・計算した結果、アに流れる電流が0だから

性質と計算

今回は、「対称性」という大事な性質を考えずに、ひたすら計算して考えてみました。

ちょっと
遠回りな気がする。

やっぱり、
対称性に気づいた方が良いわ。

確かに「対称性」に気づくことは大事なことです。

そして、理科では、「対称とするモノ・コトの性質」を理解することが非常に大事です。

この「ひたすら計算して解く」のは、

ちょっと、
センスが悪いのかな?

と感じるかもしれません。

この考え方は、様々な方の意見があると思います。

僕は、この様に「性質に気づかなくても、ひたすら計算して答えにたどり着く」力も大事と思います。

それもまた、理科や算数の一つの大事な力だと考えます。

問題文を見て、

あっ、
あれだ!

と分かることも大事ですが、手を動かして進むことも大事です。

色々な考え方を、しっかりと学んで、理解しておきましょう。

理科・算数の学力を上げるためには、特にこのように「しっかりやる」ことが大事です。

すると、総合的に力が伸びて、学力が上がるでしょう。

次回は下記リンクです。

新教育紀行

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次