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山口多聞 15〜ゴリ押しする山本長官〜|威人紀行

前回は「山口多聞 14〜先輩と後輩〜」の話でした。

山口多聞 司令官(Wikipedia)
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強行する山本長官

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

とにかく、ミッドウェー島攻略を
承認していただきたい!

伊藤整一 軍令部次長(Wikipedia)

それは出来ません!

山本長官、山口司令官同様に、「優等生肌」の伊藤次長。

ここで、折れては日本海軍の
基本戦略が狂ってしまう。

山本長官ならぬ山本先輩に、必死で抵抗します。

伊藤次長、というか伊藤くんが
妙に頑固だ。

しかし山本長官、伊藤次長、双方が折れません。

米海軍兵学校と米海軍

実は、米海軍も似たような状況もありました。

海軍士官のほぼ全員が、アナポリス海軍兵学校を出ています。

Chester Nimitz米太平洋艦隊司令長官(Wikipedia)

新たに米太平洋艦隊司令長官となったニミッツ。

兼ねてから優秀なニミッツは、以前に一度すでに米太平洋艦隊司令長官就任を打診されています。

しかし、先輩を気遣ったニミッツ。

まだ若輩者ゆえ・・・

一度断り、アナポリス先輩のキンメルが太平洋艦隊司令長官となりました。

しかし、真珠湾奇襲攻撃の責任を取らされ、キンメルは更迭されます。

同じ兵学校卒業生が多かった米海軍ですが、日本と異なり「ほぼ全員が卒業生」ではありませんでした。

例えば、当時のノックス海軍長官(大臣)。

Frank Knox海軍長官(Wikipedia)

ノックス海軍長官は、大学卒業後に米西戦争に従軍し、新聞記者となります。

その後、新聞社を所有する実業家を経て、海軍長官となります。

あるいは、ヘンリー・スチムソン陸軍長官。

Henry Stimson 陸軍長官(Wikipedia)

イエール・ハーバード卒のヘンリー・スチムソン陸軍長官は、弁護士出身です。

この「一部の幹部は、同じ兵学校卒業でない」ところが、米国らしいところです。

日本海軍の人事

以前ご紹介した通り、日本海軍は「年功序列」が明文化された組織でした。

海軍兵学校の成績という「学校の成績」を、その後の人事において最重視するのが日本だったのです。

対して、米海軍は日本海軍に比べて、非常に柔軟に人事を決定していました。

「学校の成績は良いに越したことがないが、大事なのは、実務能力」という「当然の姿勢」でした。

成績が良いことは、
努力した証でもあるが・・・

学校の成績が最優先されるのは、
おかしいのではないか・・・

そして、人事・作戦に「先輩・後輩」が
影響しすぎるのも、おかしい・・・

何から何まで、大問題だ!

山口司令官は「日本海軍(陸軍)の弱点」を、はっきり理解していたのでした。

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