前回は「山崎直子 1〜道を切り開いて、女性宇宙飛行士へ〜」の話でした。
威人紀行5人目は初めての海外の方、ヘンリー・スチムソンです。

おそらく、大多数の方が「誰?」と、お感じでしょう。
自身の強い思いを、ハッキリ表現
米政府の要職を歴任した共和党のHenry Stimsonは、民主党のルーズベルト大統領に注目されます。

当時、ルーズベルトは異例の3選を果たしていました。
強烈な人気者だったルーズベルト大統領は、根っからの民主党です。
1939年9月に第二次世界大戦が勃発しました。
1939年9月1日に、ヒトラー率いるドイツがポーランドに突如侵攻し、9月3日に英仏が対独宣戦布告。
ヨーロッパ全土を巻き込む大戦争が、起きてしまったのです。


ドイツが強すぎる。



このままでは、ヨーロッパ全土がドイツと枢軸国になってしまう。
我が米国も参戦せざるを得まい。





そのためには、民主党だけでなく
共和党の方々にも政府の要職に
入ってもらおう!



米国挙げた超党派体制を
早期に築くのだ!
しかし、「米国の参戦」には、大きな障壁がありました。
ルーズベルト大統領は、「米国の若者を戦場に送らない」という公約で、大統領選挙に勝利していたのです。
それまでに国務長官などの要職を歴任し、思想はバリバリの共和党で、さらに共和党重鎮だったHenry Stimson。
ドイツと英独の戦いに関して、



米国は英仏を救うべき。
ドイツと戦うべきだ!
とラジオ演説します。
これは、「思っていても、なかなか公に言えない」ことです。
当時の米国民の大多数には「ヨーロッパの戦場に、なぜ米国の若者が戦いに行かねばならないのか?」という厭戦気分が漂っていました。
米陸軍長官へ
スチムソンのラジオ演説を聞いたルーズベルト大統領。



そうだ!
Henryに陸軍長官になってもらおう!



彼は陸軍長官経験者で、共和党重鎮。
うってつけだ!
ラジオ演説の翌日には、



Henry、陸軍長官に就任して欲しい。



承知しました。
陸軍は私にお任せを。
スチムソンに陸軍長官就任の要請して、承諾を得ます。
ルーズベルト大統領は「信念を強く持つ男」に陸軍を任せます。
自らの眼力に自信を持つ
スチムソン陸軍長官をご存知ない方が多い中、こちらの方は大抵の方がご存じでしょう。


あのGHQのマッカーサーです。
自らの信念を貫く男は、マッカーサーと大きな関わりを持ち、日本とも深い関係を持つことになります。