前回は「受験算数実践 28 〜問題 9(文章題)解法〜」でした。
今回は「倍数・約数を押さえよう」の話です。
整数問題必勝法 1〜まずは倍数を考えよう〜
問題6解法Aの話をしました。
この時、大きな要素として「生徒数・学年数・バスの台数」が出てきます。
生徒数は男子生徒数と女子生徒数に分かれます。
未知数を設定すると、なかなかうまく行かないです。

ここでは、まず男子:女子=16:15に着目することが大事でした。
男子生徒数は16の倍数、女子生徒数は15の倍数にならなければなりません。
ここで、それぞれ分けて考えても解けます。
15=3×5で、16=2x2x2x2ですから、15も16も比較的「馴染みのある数字」ですね。
男子、女子を分けて考えても良いですが「大枠を考えて」みましょう。
男子:女子=16:15から全校生徒数が16+15=31の倍数となることが、ポイントでした。

整数問題必勝法 2〜公倍数を考えよう〜
全校生徒数は、31の倍数で21の倍数である必要があります。
21=3×7ですから、馴染みのある数字ですね。
仮に先ほどの和が3か7の倍数ですと、21とその数字に公約数があるので、対象が絞りにくくなります。
今回は、31が素数(約数のない整数)であることがポイントです。
全校生徒数は、21と31の倍数=21×31の倍数であります。
これでかなり絞ることができ、全校生徒数は3パターンになります。

ここから先は、各学年の人数がポイントとなります。
学年数=6に着目しますが、これは問題文に「6学年」とは書いていないので、気づきにくいところがポイントです。
このように「小学校の生徒数」などの身近な問題が出てきたら、問題文ばかりに気を取られず、その小学校をイメージしましょう。
「マンションができたら、地域の家族が増えて、子どもも増えるね」とイメージを持って考えると、「あ、そうか小学校は6学年だ」と気づきやすいです。
整数問題で、いくつかの数字が出てきたら「倍数・約数を考える」は基本です。
さらに「関係のある数字はどれかな」と考えてみることは大事です。
もし手が進まない場合は、「学校があって、バスがあって・・・」と簡単な絵を描いてみるのも良いでしょう。
バスを書く時間はもったいないので、単純な長方形でも良いでしょう。
描いているうちに、「あっ、6学年だ」と気づくかもしれません。
算数でも理科でも「イメージしてみる」「簡単な絵を描いてみる」は、かなり考えやすくなり、解きやすくなるでしょう。