前回は「ヘンリー・スティムソン 7〜天皇と陸軍・大元帥・大本営・昭和天皇・東條英機〜|陸軍長官」の話でした。

曖昧な日本の組織

米国は情報を非常に重視しており、他国の動きや「国家元首の考えを読む」ことに全力を挙げていました。

ヒトラーは今、
何を考えているんだ?



あるいは、イタリアのムッソリーニは
何を求めているんだ?





スターリンは、
何をしようとしている?
「相手の考えていること」や「相手の出方」を暗号を解読して、「事前に読む」ことを重視していました。



Japanは、
誰が意思決定をしているんだ?



総理ですが、
Japanは天皇制で・・・



だから、誰が
最高意思決定者なのだ?



そういえば、最近、
Japanの総理大臣が変わったな。



この間まで、
Konoeが総理だったが・・・



今は、
陸軍のボスのTojoです。



ああ、ドイツと仲良しの
日本陸軍のボスか・・・



Tojoか・・・
まあ、また変わるかもしれんが・・・



で、最高意思決定者は
Tojoなのか、エンペラー(天皇)なのか?



エンペラーが、陣頭指揮を
取っているようにも見えません。



Tojoか?



誰なんだ?



どうも、Tojoの権限も
限定的なようです・・・



Japanは、どうやって
国を動かしているんだ?
「玉虫色」の日本の政治。
それは、戦時中も同様でした。
明確な権限と責任


対して、米国は権限と責任が明確でした。
戦時中であることもあり、「最高司令官」である大統領が全ての権限を持ちます。
そして、陸軍は基本的にはスティムソン長官次第で、意思決定がなされます。



私が、
陸軍を仕切っているのだ!



米軍の最高指揮官は大統領だが、
陸軍は、私が全て統括する!
ルーズベルト大統領のカラー


ヒトラーやスターリンのような、強烈な個性・カラーを持つ指導者が大勢いた当時。
「独裁者の王道」をゆくヒトラー。
ヒトラーは、最前線の戦車部隊の戦闘指揮まで口を出します。



前進!
突き進め!



ちょっと待て。
ここで待機!
前線指揮にまで、
口を出されては困る・・・
前線司令官は困ってしまうものの、「逆らうことは絶対できない」存在です。
総統に逆らったら、
大変なことになる・・・
絶対独裁者であったヒトラーに逆らったら、「即クビ」です。
下手をしたら「クビ」ではすまず、本当に「首から上が胴体から離れる」可能性があります。
いかにも個性的なヒトラー達に比べると、ルックスが良いものの「普通の顔つき」に見えるルーズベルト大統領。
ところが、彼は非常に個性が強い存在でした。



最高指揮官は
俺!
この非常に強い個性のルーズベルトに「仕える立場」のスチムソン長官。



欧州戦線で、
ヒトラーを退治する!



それが最優先だ!
スティムソン長官もまた、強い個性を持っていました。