てこのつり合いの考え方 3〜回転する力(モーメント)〜|中学受験の理科

前回は「てこのつり合いの考え方 2〜つり合いのイメージ〜」の話でした。

「回転する力」を、描いて、イメージする大事さの話でした。

今回は、「てこは何に役立つか」を考えてみましょう。

えっ。
「何に役立つか」は、あまり考えたことないよ。

そうだわ。
問題解くのばかりだから、考えないわ。

てこのポイントは、「重さだけではない」ことです。

「重さ」だけでは、解決できないことでも、「長さ」が加わると解決できるかもしれないのです。

重い石を運ぶことを、考えてみましょう。

大きな石を運ぶことは、普通ありませんが、歴史的にもずっとやってきたことです。

以前、「実際に行ってみる」話で、織田信長が最後に築いた安土城趾の話をしました。

安土城趾(新教育紀行)

安土城は、本能寺の変直後に焼け落ちてしまった(真相は不明です)ので、跡しか残っていません。

石垣の一部が残っていますが、これらは安土山に、もともとあった石もあるでしょう。

あるいは、下から運んだ石もあるでしょう。

安土城は巨大な城でしたから、全ての石垣を作るには、下から運んだ石があったはずです。

重い石は、力もちの大人が何人かかっても、全然動きません。

でも「動かさなければならない」時、どうするか?です。

そこで、「回転する力(モーメント)」を活用しよう!という考えになります。

「回転する力」を最も有効に使うには、「重い石の近くに支点を置く」ことです。

そして、力をかけるところ(作用点)を、支点から出来るだけ遠くにすることが大事です。

すると、重い石の重量よりも、はるかに小さな力でも、「回転する力(モーメント)」なら上回る可能性があります。

「回転する力(モーメント)=(重さ=力)x長さ」なので、長さは非常に大事です。

この実例をイメージして、「回転する力」を描くようにしましょう。

「回転する力」は、「支点に対して、重さや力がかかる方向」にグルッと掛かります。

この「回転する力」を、しっかりイメージして、次回以降に「てこ・バネ」を考えてゆきましょう。

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