前回は「ばねの伸びの考え方 3〜並列の伸びを描こう〜」の話でした。
今回からは、てこの話もします。
前回の問題を考えましょう。

この問題は、おもりが「棒の中心にある」から「対称性がある」ので簡単です。
少し寄って、たとえば「棒を2 : 3」に分割する点に、おもりがある場合もあります。
知ってるよ。
棒の長さの比の
「逆比の重さ」が、かかるよね。
そうですね。
今回は、この問題で「応用問題の基礎」を考えてゆきましょう。

バネが伸びて、おもりを支えて「力が釣り合っている」状況です。
この「力が釣り合っている」のは、「棒がてこ」であると考えても「釣り合っている」はずです。

例えば、バネAと棒のつながっている部分(接点)を、支点と考えましょう。
でも、支点はないわ。
ないのに、「ある」と考えて良いのかしら。
支点は「ない」のですが、「釣り合っている」状況を考える「仮想的支点」と考えて下さい。
「仮想的」って
難しいよ・・・
そうですね。
それでは、「支点」あるいは「釣り合いが取れている点」と考えてみましょう。
「新たに力を加える支点」では、状況が変わってしまうので、そうではありません。

棒には、緑丸で囲った三つの力が、かかっています。
A、Bのバネの下にかかっている赤い矢印は、「おもりの重さを分けた場合」なので、この場合はありません。

てこで考えてみましょう。
支点に対して、バネAが引っ張る力は同じ点なので、「てこの原理」には関係ないですね。
そして、「おもりが棒の中心」にあるので、バネBの力・おもりの重さと支点の距離は2 :1 です。
「てこの原理」を考えると、力は 1 : 2になります。

これで、前回と同じ結果になりました。
本当だ。
この考え方なら、おもりがどこにあっても
分かるわ。
大事なことに気づきましたね。
「おもりがどこにあっても分かる」ような考え方が、理科では特に大事です。
「状況をパターン化して、問題を解く」やり方もあります。
「基本をしっかり理解」していると、「状況が変わっても分かる」のです。
なんだか、不思議だわ。
バネが伸びて「釣り合っている」(物理的)状況は、色々と考えられます。
今回は、バネAと棒のつながっている部分(接点)を、支点と考えました。
同様に「バネBと棒のつながっている部分(接点)を、支点」と考えてみましょう。
他の点でも良いです。
自分で「釣り合っている状況」をイメージしてみましょう。
「釣り合っている」って大事なんだね。
バネ・てこの話って、面白い。
(物理)現象は、面白いことが多いので、「勉強しなきゃ」だけではなく、イメージして楽しみましょう。
「イメージして楽しむ」姿勢が「応用力も上げる」大事なポイントです。