かっ車の考え方・コツ・ポイント 3〜動かっ車・図を描いて理解・基本的考え方・大事な「ひも」〜|中学受験・理科

前回は「かっ車の考え方・コツ・ポイント 2〜斜めの定かっ車・図を描いて理解・基本的考え方・複雑な問題〜」の話でした。

目次

力学:かっ車、電気、てこ・ばね:暗記と理解すること

今回は、動かっ車です。

基本的なことは、
知ってるよ

私も
大体のことは、覚えた!

「定かっ車」よりも難しく感じられる「動かっ車」は、「かっ車が動く」のがポイントです。

そう、かっ車が動くと分かりにくいけど、
基本は覚えたよ!

電気、てこ・バネなども同じですが、力学的な問題は、

この場合は、
〜となるから覚えて!

と教わることがあるかもしれません。

「定かっ車」「動かっ車」いずれの場合も「かっ車の個数」「糸の本数」で、ある程度パターン化できます。

そう、
糸の本数が〜本だと・・・

志望校の出題傾向にもよりますが、「基本的類型問題が出題されやすい」場合は、「パターン化」も良いかもしれません。

その方が、「時間が短くて済む」からです。

どうしても「時間制限がある試験」の場合、「効率は大事」です。

「類型的問題が出題されるが、少し変化がある」問題や応用問題が多い出題校の場合は、基本を理解しましょう。

独特な問題が出やすい難関校〜最難関校志望の方も同様に、「基本原理を理解」してみましょう。

難しそう
だよ・・・

「難しい」と考えると「難しく感じられてしまう」のです。

力学の基本は、分かれば

なんだ、
そういうことか・・・

ということも多いです。

また、「パターン化」「暗記」で問題なのは、「少し変化があると間違える可能性が高い」ことです。

短時間で問題に取り組める「パターン化」「暗記」ですが、「答えが間違いでは意味がない」のです。

特に、記述ではなく「答えのみ、選択肢のみ」の出題が多い学校の場合も注意です。

選択式問題が多い視覚問題でも同様ですが、「選択肢の問題」は、実はかなり緻密に考えられています。

「違う選択肢」は、「全然違う選択肢」もありますが、「多くの方が勘違いしやすい選択肢」も用意されていることが多いです。

確かにそうかも。
この間、ちょっと勘違いした選択肢があった・・・

難しくはないので、全ての受験生は「一度しっかり描いて理解」をお薦めします。

動かっ車の基本:暗記と理解すること

まずは基本的な力・動き方を、描いて考えてみましょう。

上図の動かっ車の、右側のひもを上に引っ張ります。

いつも通り、重さ・力を矢印で表現しましょう。

力の矢印

・向き:力のかかる向き

・長さ:力の大きさ

上に引っ張ると、右側のひもの端は手で、左側の端は固定された部分(天井など)で引っ張られます。

つまり、動かっ車は「2カ所で引っ張られる状況」になります。

それぞれの力の大きさが分からないので、緑色と青色で表現しました。

この
緑と青は同じだよ。

その通りですが、理由を考えてみましょう。

えっ、理由?
「そういうものだ」と思ってたよ。

「そういうもの」とパターン化していると「変化球の問題」に対応できなくなります。

ここで、大事な基本を考えましょう。

大事な「ひも」

動かっ車、おもりに注意がいってしまいますが、大事なのは「ひも」です。

ひもがなければ、動かっ車も、おもりもバラバラで一緒に動かないです。

確かにそうね。
ひものことは、あまり考えないわ。

じつは、「ひも」は、とても大事な存在なのです。

「かっ車と力」ばかり考えがちな「かっ車」の問題。

ひもがなかったら、バラバラになってしまうのです。

動かっ車:ひもの両側の力を考える

「もし、緑と青の力の大きさが違ったら」どうなるか考えてみましょう。

糸はつながっていますから、緑と青の力の大きさが違うと「力が大きい方に糸が引かれる」です。

「力の大きい方に引かれる」状況では、動かっ車は安定して止まってくれません。

たしかに、
動かっ車は「動いて止まる」イメージだね。

そのため、左右の糸を引く力は「同じ」になります。

「同じ力」は覚えていたけど、
こう考えると分かる!

動かっ車:「同じ力」で支えるイメージ

すると、上側に2つの「同じ力」でおもり1つを引き上げることになります。

これで、「おもりの半分の力で引き上げる」が分かりました。

動かっ車・定かっ車の複合問題

動かっ車・定かっ車が、いくつか出てくる問題があります。

パターン化して、
覚える方が早いよ・・・

ある程度は、「パターン化」で対応できると思います。

一方で、「パターン」から少しそれた問題になると、出来なかったり、間違ったりすることがあります。

動かっ車・定かっ車が、いくつか出てくる問題も、パターン化するよりも、

ここが、
こうなって・・・

と考えてみると、「パターンで暗記」しなくても、自然と「ある程度、整理」できるようになるでしょう。

算数でも「公式は知っていると同時に理解」という話をしました。

算数・理科は「公式を丸暗記」ではなく、「理解しながら公式を学ぶ」のが良いでしょう。

丸暗記だと、ちょっと変化球の問題に対応できないことがあります。

そして、場合によっては「間違って覚える」可能性があります。

少し遠回りですが、実は「公式を理解しながら学ぶ」は、算数・理科の得点力アップの「最短の道」なのです。

動かっ車の丸(円)を描くのが
難しくて・・・

見るよりも、実際に描いてみると
結構難しいわ。

円を綺麗に描くのは、結構難しいです。

「自分が分かれば良い」ので、形はあまり気にしないで、どんどん描いてみましょう。

もし、記述式などで、
かっ車をうまく描けなかったら、どうしよう・・・

円を綺麗に描けるのは、数学科の先生が多く、理科の先生もそれほど上手くない方もいらっしゃいます。

ですから、「少し歪でも良い」くらいな気持ちで、エイッと円を描きましょう。

動かっ車の基本的性質の「引き上げる距離」は、次回考えます。

新教育紀行

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